他力本願PRのススメ!?

こんにちは。東日本大震災から1カ月以上経過しましたが、まだ大きな余震が続き、予断を許さぬ状況が続いています。皆様の安全と、一日も早い復興をお祈り申しあげます。

さて、今回は“他力本願PR”のお話です。他力本願PR?そんな都合のいいPR用語聞いたことがない…と言うお声が聞こえてきそうですが。そう、実は私もそんなPR用語は聞いたことがありません(笑)

他力本願とは、四字熟語辞典によると「自分の力でなく、他人の力によって望みをかなえようとすること」です。果たして、そんなお得なPR手法が存在するのでしょうか?私がファッションブランドでPRを担当していた頃に実践し、高い成果を上げた事例をご紹介したいと思います。

以前コラムでも書きましたが、洋服を購入する決め手として、主に以下の4点が挙げられます。

①品質がよいから(機能価値)
②デザインがよいから(機能価値)
③そのブランドが好きだから(情緒価値)
④有名人が着用しているから(情緒価値)

①の「品質」に関しては、企業努力をする以外に方法はありません。②、③、④に関して、他者の力を借りてみるのはいかがでしょうか?当時私は、確かな品質を誇り、コアなファン層は確実にいる、ブレイクまであと一歩…そんなファッションブランドのPRを担当していました。

そこに足りない要素は、マスまで波及させるべく知名度のみです。地道に啓蒙して行けば、着実にブランドは育って行きます。しかし、このご時世ですから残された時間はそう長くありません…私が実際に行った取り組みを時系列に並べてみます。

【施策1.】人気モデルの囲い込み
本当に好きになってもらう為には、普段着にしてもらうことがマストなので、まずは私服を垣間見ることができるブログ等で、自社製品を好むであろうモデルを研究します。

あらゆる人脈を使い、ビジネスではなくプライベートの繋がりで接触し、モデルの嗜好に沿った商品をプレゼントするところから始まりました。雑誌のタイアップ企画でもそのモデルを起用する等、実際に商品に触れてもらう機会を増やし、ブランドの魅力を伝えて行きます。

幸い、誰の色もついていないブランドと言うこともあり、ファッション業界の最前線にいるモデルとしても、自分だけのフェイバリットブランドと言う情緒価値を感じてもらうことに成功しました。

【施策2.】ファッション誌へのアプローチ
そのモデルが誌面に登場するファッション誌に、エピソードと共に紹介することで、人気モデルが好きなブランドというポジションを確立し、誌面で取り上げられる機会が格段に高まります。

【施策3.】コラボ企画の提案
追い打ちをかけるように、ブランド×人気モデル×ファッション誌のトリプルコラボ企画の提案を行いました。自分が好きなブランドと言うこともあり、モデル側も積極的な姿勢で取り組んでくれる為、スムーズに話を進めることができます。

【施策4.】人気モデルを使った販促活動
トリプルコラボ商品の販進活動として、人気モデルを店舗に招き、着こなし方やコラボ商品に込めた想い等を直接一般消費者に伝えてもらいました。

上記施策を通して、様々なファッション誌で人気モデルお気に入りブランドという露出を繰り返すことになり、広くマスまでブランド名を浸透させるに至りました。今回私は、他者の力を借りて自社の知名度を上げる手法を“他力本願PR”と名付けました。

この他力本願PRなるモノは、自社に実力があることを前提とし、あと一歩足りない知名度の向上に役立つ施策です。PR活動を検討される際は、付加価値を生むブランディング・マーケティング施策として、他の企業・商品・著名人・媒体等とのブランド・コラボレーションを検討してみてはいかがでしょうか?

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