こんにちは。
読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋ですね。
毎年、この時期になると
各雑誌ではお勧めの書籍が紹介され、
書店では「○○フェア」といったコーナーを、
情報番組では栗やかぼちゃを使ったスイーツ特集などを
よく目にするようになります。
季節に合わせた報道は必ずあるものです。
では、スポーツは? というと、
例年とは違い、今年は「ゴルフ」に関する報道が非常に多く、
ここ数日だけでも2~3メディアに取り上げられていました。
しかも、全ての切り口が「若い女性にゴルフが人気」というものです。
これまで「オヤジのスポーツ」であったゴルフが、
なぜそのイメージを払拭しおしゃれなスポーツとして
生まれ変わることができたのでしょうか。
・「オヤジのスポーツ」
・「接待のためのスポーツ」
・「お金がかかるスポーツ」
というイメージが強く、若い女性からは敬遠されていたゴルフ。
そのゴルフが、ここまで若い女性に人気になった背景には
いくつかの理由が考えられます。
まず一つ目は、宮里藍や横峰さくらなど20代の女性ゴルファーや
ハニカミ王子こと石川遼の活躍を目にする機会が多くなったことです。
これまでは青木功や尾崎将司といった、
20代から見ればおじ様世代の活躍が主流でしたが、
若手ゴルファーの活躍が目立つようになり、
ゴルフに対し親近感が持てるようになったと考えられます。
二つ目は、若手ゴルファーが注目を集めるようになってから、
スポーツとしてのゴルフだけでなく、上田桃子を筆頭に
おしゃれな女性ゴルファーのウェアにも注目が集まるようになったことです。
そこから、各メーカーも女性のゴルフウェアの開発に一層力を入れ
・押切もえ×王様のブランチ×ZOYがコラボレーションしゴルフウェアを発売
・女性ゴルファーのコミュニティーサイトや女性専用のゴルフショップで、
カラフルでかわいいウェアから小物までを販売
と、ゴルフ好きではなくても「欲しい!」と思うようなゴルフ関連商品が
続々と販売されるようになりました。
その勢いは今や、ゴルフウェアのファッションショーが
開催されるまでになっています。
三つ目は、時を同じくして、若い女性が憧れる人気モデルが
相次いでゴルフにはまっていることをブログなどで紹介したことです。
ファッションだけでなく、ライフスタイルでも注目を集めるモデルによって
情報発信されたことは、「オヤジのスポーツ」から
「モデルもはまるおしゃれなスポーツ」として認知される
大きなきっかけになったと考えられます。
最後に、ゴルフ業界がこのブームを一過性のもので終わらせないため
女性ゴルフ製品の開発や、レディースプランを設定したゴルフ場など
一企業だけでなく、業界全体が若い女性をターゲットに
イメージ刷新に取り組んだことが挙げられます。
このように、「オヤジのスポーツ」であったゴルフが
「ゴルフ=おしゃれ」というイメージへ少しずつ変化したことで、
もともとゴルフに対して無関心だった若い女性層を取り込むことに
成功したと推測できます。
スポーツというよりまさに「ファッション感覚」で
ゴルフに取り組める流れができたように思います。
同じようなことが呉服業界にも起きています。
着物は洋服に比べ
・敷居が高い(値段が高い)
・特別なイベントのときだけに着る伝統服
・決まり事が多く、自由にコーディネートしたりアレンジできない
というイメージがありました。
その着物が最近、若い女性から再注目を集めています。
その背景には、
・習い事ブームで、着付けや茶道にも注目が集まるようになったこと
・若者が手に取りやすい比較的低価格な着物ブランドが登場
・若い女性から指示されている神田うのやIKKOが
オリジナルの着物をプロデュースし、ヒョウ柄の着物や小物にファーやレースを
使用するという今までにない着物の新しい着方を提案
・10代を対象としたファッション雑誌と呉服メーカーがタイアップして
ファッションショーを行い、若い女性へのPRイベントを行う
など、着物も洋服と同じようにおしゃれが楽しめるということを訴求したのです。
その結果、若い女性の着物に対するイメージが変化しつつあります。
このように、購買意欲が高く、ブームに敏感な若い女性の嗜好に合わせた
アプローチを行うことで、再注目を集めるだけでなく
業界全体のイメージ刷新ができるのだと改めて実感しました。
つまり、ターゲットの目線を意識してニーズを的確に捉えることが重要なのです。
ただ、大切なのは一過性のブームで終わらせないということです。
今後、ゴルフ業界・呉服業界ともに、注目を集め続けるため
どのような施策をするのかが楽しみです。
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