こんにちは。前回、PR手法の一つである「寄稿」について取り上げ、メディアからの採用率の高さや定期的な露出も可能にできる優れたアプローチ方法であることをご紹介させて頂きました。
今回は、メディアに提案しやすく且つ露出につなげやすいメリットを持ち、社会現象(映画、ドラマ化)にもなり得る大きな可能性を秘める書籍(著書)をフックにしたアプローチ方法についてご紹介致します。
この記事の目次
書籍はPR効果を高めるツール
まず、本題に入らせて頂く前に、書籍がもたらすPR効果について、簡潔に触れさせて頂きます。
書籍=PRネタになる
例えば、企業の社長や役員、専門家などの個人ブランディングを行う上で、書籍(著書)は、とても重要なPRネタになり得ます。
書籍のジャンルこそ幅広いですが、出版企画の切り口で考えると、時流に沿ったもの(時流性)や新常識を示すもの(新規性)など、ある程度の分類・パターン化ができます。このため、日頃のPR戦略を進める上でのネタ・企画づくりの工程と同様に、書籍内容そのものを企画づくり(著書=解説者として)に活用することができます。
また、詳しくは後述いたしますが、書籍をテーマにした企画枠を展開するメディアも複数あるため、PR施策としても重要な役割を持ちます。
「信頼が信頼を呼ぶ」~PR効果を高める正のスパイラルを生む~
とりわけ、商業出版として刊行された著書は、出版社が売れる見込みのある書籍として制作するため、著書・著者ともに出版社からの信頼を得られているという前提がある証になります。そして、このエビデンスこそが、しっかりした出版企画で構成されているという証にもなり、メディアにとっても取材検討に入りさせやすくすることができます。
このように書籍一つにしても、出版社からの信頼、続いてメディアからの信頼、そして、メディアが取り上げることによる社会的な信頼性が増すというような「信頼が信頼を呼ぶ」好循環を生み出します。まさに、書籍はPR活動の本質である、信頼獲得や認知向上を果たす上で、重要な役割の一つと言えるでしょう。
書籍をフックにしたアプローチ方法は4つ
前項で少し触れさせて頂いた通り、書籍をテーマにした企画枠をもつ媒体は多くあります。そして、主に下記4つの紹介方法に分類できますので、それぞれの切り口の特徴とアプローチ方法について簡潔にご紹介いたします。
※但し、いずれの切り口も各媒体の特性(読者ニーズ)が前提にあるため、書籍のジャンルにより取り上げられやすさの有無があります。事前の媒体分析は必須です。
1.書評
いわゆる、書籍紹介です。新聞(全国紙、夕刊紙、専門紙など)、雑誌(ビジネス誌、専門誌など)、webといった幅広い媒体で紹介枠を設けています。いずれの媒体も、書評枠としての企画枠を展開しており、多くは編集部専任のライターが選別しているケースが多いです。
≪アプローチのコツ≫
書評枠に関しては、書籍のみの献本でも十分に採用される可能性があるので、露出も早期に実現できることが特徴です。刊行のタイミングでは、第一優先に献本することをオススメします。
2.書籍パブリシティ(著書内容の記事化)
前回ご紹介した寄稿(執筆者が原稿を作成)と同じ形式になりますが、この場合は、著者自身が自著について解説するというフォーマットでのパブリシティになります。
特にweb媒体の場合は、amazonの書籍紹介ページへのリンクも貼られることが多いため、著書・著者の認知度を高める上でも非常に有効な方法です。
≪アプローチのコツ≫
主なアプローチ方法は2つあります。
1つ目は、各出版社が運営するオリジナル媒体(新聞、紙・web)に提案する方法です。出版社は、独自の媒体を運営しているケースが多いため、出版元と運営元が同じである場合は自社の出版販促にもなるため、アプローチをするには有効です。
2つ目は、主要ビジネスweb媒体を中心とした、読者が多く影響力の大きな媒体が持つ当企画枠への提案です。例えば、主要のビジネス系オンライン媒体の中でも最もPV数の高いwebメディアでは、当企画枠向けに各記者が出版社ごとに担当を持っています。
まず、各出版社の担当記者を特定することが前提となりますが、判明できれば、書籍とリリース、著者のプロフィール資料、そして著書内容から引用した企画書を添えて献本することで、記者も構成・記事化のイメージが容易になり、採用される確率も格段に上がります。
実際、弊社が過去に同様のアプローチ方法により、掲載は勿論のこと、記事のPV数180万の達成に加え、この反響により、amazonの書籍総合ランキングを100位台から3位にまで上げた実績があります。
3.プレゼントパブリシティ
読者および視聴者プレゼントとして、露出を図る方法です。媒体特性や書籍のジャンルにもよりますが、プレゼント枠を設けている媒体も多いので、媒体分析を行った上で、ぜひトライしてみることをおススメします。
≪アプローチのコツ≫
基本的には、各媒体の担当者および編集部に確認、提案を行ったうえで、書籍のみの献本でも十分に採用される可能性があります。書評枠と同様に、提案のしやすさが利点であるため、刊行のタイミングでは優先的に献本することをオススメします。
4.著書内容を引用した取材企画(著書インタビューなど)
前述の“書籍=PRネタになる”で記載させて頂いた通り、分類化された出版企画の切り口により、書籍内容を時流ネタなどに掛け合わせた企画提案と同時に、その解説者(本書の著者)としてアプローチすることで、著書インタビュー取材にも幅を広げて提案することができます。
≪アプローチのコツ≫
著者インタビュー枠を展開している媒体も多く、またベストセラーなどになると単なる著書という枠を超え、○○分野の解説者という絶対的な地位を確立することもでき、メディアより長期連載などの依頼を頂くこともあり得ます。
また、補足として、女性媒体における書籍紹介枠の特徴やアプローチ方法については、下記の記事も併せて参考にして頂けると幸いです。
まとめ
周知のとおり、話題の著書などとして、書籍を通じて世間にブームを巻き起こし、様々なメディアで取り上げられることは勿論のこと、映画やドラマ、マンガなど二次使用される程の社会現象になることも珍しくありません。
今回ご紹介させて頂いた方法を、ぜひ参考にして頂き、PR業務の成果に繋げてください。
【ニックネーム】ふじっ虎(ふじっこ)
【これまで担当した業界】人材採用、心理カウンセラー、出版、自動車など
【趣味】ドライブ、スノーボード、フットサル、釣り、芸術鑑賞(ライブ、美術展)、猫と遊ぶ
【プチ自慢】プロOBチームとのフットサル大会の試合で、チームで唯一得点をあげたこと