「メディア向けPRイベント(リアル開催)」抑えておくべき4つのポイント

コロナ禍における政府の感染症対策も浸透し、ガイドラインに沿った経済活動の再開も顕著になっています。

PR活動においても、イベント等の開催も多くなり、基本的な感染防止策を講じながらリアルで実施される機会が増えています。

今回は、メディアによるパブリシティ露出を目的とした「メディア向けのPRイベント・記者発表会(リアル開催)」について、抑えておくべきポイントをお伝えします。

①どのようなメディアでの掲載を目指すのか?

メディア向けにPRイベントや記者発表会を開催する目的は、“新情報のローンチ”や“既存サービスの認知向上”にあると考えます。

そのための機会設定の場であり、能動的なメディアアプローチが求められます。そこで最初に考えなければいけのが、「どのメディアに掲載されたいのか?」というターゲットの確認です。メディアと言っても多岐に渡るので、ある程度対象を絞り込むことが大切です。

経済目線での記事掲載を狙うならば、ビジネス系のメディアに向けた内容が求められますし、TVを含む多くの一般メディアでの掲載を狙うのであれば、エンタメ要素も加味した内容が求められます。ビジネス系とエンタメ系の記者発表会では構成要素も異なってきますので、まずは「ターゲットメディアはどこか?」これを考えた上で、内容を詰めていくことが重要です。

②メディア誘致・露出に向けた画作り「ニュースバリューの創造」

メディア誘致・露出に必要となる要素は、「ニュース性」です。ニュースバリューの大きさがメディアの参加率に大きく左右されます。新商品の発売やニューオープン、新たな取り組み、著名人の起用など、メディアにとって“価値あるニュース”と判断される材料を用意することが成功条件の一つとなります。

例えば、ビジネス系メディアの誘致を望む場合、経済目線での情報開示が求められるので、まだ発表していない「数字」(売上目標や今後の予測数字)や業界・市場における「ビジネス戦略」、「代表者」の登壇など、“ここでしか得られないニュース価値”を最大限アピールすることがポイントになります。

ターゲットに定めたビジネス系メディアの過去の掲載履歴を調べ、何がニュース記事になっているのか、どのような要素が取り上げられているか予め研究した上で、「ここがポイント!」と呼べる要素を組み込むことが極めて重要です。

一方、エンタメ要素も絡め、幅広いメディア露出を目的とする場合は、ビジュアル撮影の設定も重要です。多くのPRイベントで、企業のロゴが入ったパネルの前などでフォトセッションの機会を設けるのは、この画作りを担保するためでもあります。

また、画作りの要素をいくつか用意することでニュース価値が増すので、例えばイベントでのトークや実演などの中に、起用した著名人の特徴が生かせる構成を盛り込むことをお勧めします。それにより、メディアで取り上げられる可能性は向上します。

PRイベントでご登壇いただく著名人の方については、その選考基準が難しいですが、「いま話題になっている旬のネタ(情報)を持っているか!?」をポイントに考えるのが良いです。メディアが求めているのは有名であるかというよりも、旬の情報価値があるか、という判断になります。この場合でも、露出を希望するメディアの履歴を検索し、ここ最近は誰が取り上げられているのかなど、調べられる範囲でリサーチすることをお勧めします。

③メディアの記者・カメラマンへの対応と注意点

メディア向けPRイベントの場合、会場でチェックする項目がいくつかあります。どの記者も「イベント内容」を撮りに来ているので、撮影に十分な“照明の確保”、TVやムービーに対応する“音声ラインの確保”、“音声マイクの確認”、“登壇者とカメラ・記者と距離感の確認”など、事前に準備・確認すべき内容は抜け漏れの無いようチェックする必要があります。メディアが撮影しやすい会場の設営が求めれます。

イベント当日は本番前に「メディアブリーフィング」を行うことが多いです。参加いただいたメディアに対し当日の進行内容をレクチャーする、大事な事前説明となります。

ここで気を付けるべきポイントがあります。

特にエンタメ系にまつわるイベント時に起こりがちですが、現場で参加メディアの記者やカメラマンから何かしらの意見が出た場合、可能な限り、耳を傾け対処することが大事になります。イベント内容に対する意見というより、撮影に関するクレームを指摘されるケースがほとんどだからです。

具体的には、フォトセッションの段取りや撮影ポイントとなりそうな箇所で、「もっと、このように段取り出来ないか」と、ストレートに意見をぶつけられるケースが多いので、可能な限り柔軟に対応できるよう努めましょう。

メディアの記者やカメラマンは何度もイベント現場を経験しているプロなので、こだわりの強い方も多くいらっしゃいます。不安要素があるときは、メディアブリーフィングを始める前の段階で早めに相談し、コミュニケーションを取りながら柔軟な対応を整えることも重要です。

④掲載・露出確度を高める 「個別取材」の設定

最後にPRイベントでの掲載・露出確度を高めるために大事な要素をお伝えします。参加メディアに対する「個別取材」や「囲み取材」の設定です。これらは、イベント終了後に用意するメディア向け取材機会の創出を意味します。

特に、「個別取材」については事前にメディアへ打診し、全体終了後、特別に取材時間を設けることで、より深いコミュニケーションを取っていただくという、格好の場の設定となります。

ビジネス系メディアではイベント時の発表内容をさらに深めたやり取りが想定され、エンタメ系のイベントでは、特にTVで企画枠をいただくことも可能になるので、結果的に掲載や露出の確度が高まることになります。可能であれば、ここまでの取材誘致を想定した上で、当日のスケジュールを組むことをお勧めします。

メディア向けのPRイベントでは、スムーズな運営や進行だけでなく、効果的なメディア露出につながることで成功に近づけます。コストも時間も要するPR施策になりますので、是非、最後まで気を緩めず、前向きに取り組んで下さい。

株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
            医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます