緊急事態宣言が解除され、徐々に人の動きが活性化されてきました。外出の機会も増え、街中の人手も賑わってきている様子が実感できますが、コロナウイルス感染防止のため、各企業などでは体験イベント、特に工場見学などは自粛をしていました。
それに代わり、コロナ禍ではオンラインで参加できる体験イベントが開催されるようになり、新たなコンテンツの一つとして定着し始めましたが、最近、“リアルで参加可能な工場見学”が徐々に戻ってきました。
今回は、再開された工場見学の最新事例と、オンラインで人気を得ている体験イベントの事例をいくつかご紹介します。
この記事の目次
崎陽軒:復活した工場見学
崎陽軒では10月1日より横浜工場の工場見学を再開しました。新型コロナウイルス感染防止対策として昨年の3月から休止していましたが、再開を望む声に応える形で今回、再開に踏み切ったとのこと。
以前からの変更点は、開催日を週4回から週5回へ追加、催行人数を1回45名から21名へ縮小、エレベーターボタンなど各所消毒の強化、試食室テーブルへの飛沫防止用アクリル板設置といった感染症対策を取るほか、見学中のマスク着用・工場入口での検温および手指消毒などを行うとのことです。
崎陽軒の歴史VTR、シウマイの製造工程見学のほか、できたてのシウマイなどの試食体験できる内容は以前から人気があるので、工場見学の再開はファンの獲得に大きな役割を果たしそうです。
キリンビール:リアルとオンラインが融合した新たな工場見学
キリンビールでも10月1日以降、工場見学施設のリニューアルを行い、よりビール好きな大人が楽しめるよう一部のコンテンツを進化させる形で付加価値の高い工場見学を提供しています。
キリンビールの全国9工場で再開可能な工場から実施され、醸造工程・パッケージング工程の見学のほか、ドラフトマイスターが注ぐテイスティングも楽しめる内容になっています。以前は無料としていた見学ツアーの参加費を1名500円(税込)に変更とのことですが、人気は変わらないと思います。
また、自宅でも気軽に工場見学の雰囲気を体験できる、3D空間の工場を舞台にした「体感型オンライン工場見学」と、実際に工場に来られた方が見学で得た情報を活用しながら自宅で一番搾りを体験できる「見学者限定オンライン工場見学」といったコンテンツも始まるようで、新たな工場見学が用意されているのが魅力です。
国立印刷局:VR工場見学が登場
新型コロナウイルス感染症の影響でリアルな体験の提供に制限が生まれ、新たなサービスとして、VRを活用し空間・体験の魅力をオンラインで届けるニーズも生まれました。
これまで行っていたリアルでの工場見学実施が困難な中、安全な状態で展示室・工場内の面白さを伝えたいという想いから登場したVRコンテンツとのことで、国立印刷局のオンライン見学では「展示室」「工場見学(印刷工程)」を紹介しています。
VR展示室 (https://my.matterport.com/show/?m=thu6ioACPZz)
VR工場見学 (https://cdn.doitvr.com/noshare/gbO9o83vI2iwa7MpdLxVzrFt/)
360度カメラと3Dスキャナーで撮影しており、現地を実際に歩いているような感覚で見学できる内容です。また、通常の工場見学では製造現場に入れませんが、VRでは機械の細部や、動画で工程の詳しい様子も見ることができるため、より面白さが体験できるコンテンツになっているのが分かります。
若手漁師の団体 JF全国漁青連:子供達の家庭へ海産物を届け、イベント中にさばいて食べるプログラム
全国各地の漁師が子供達とオンラインで繋がり、漁の紹介や体験ツアーを行う事で、漁業や漁師の活動に興味を持ってもらう事を目的とした体験イベントです。
このプログラムでは、実際にホタテやカンパチ、ビワマスなどの海産物を子供達の家庭へ届け、イベント中に実際にさばいて食べる工程もあるなど、漁業について楽しく学べる内容になっています。子供向けオンラインイベントプラットフォーム「こどハピ」と若手漁師の団体JF全国漁青連による共同イベント(参加費無料)です。
◆岩手編:東北の海で発見いっぱい! 漁師になりきる養殖体験ツアー
岩手県のホタテ養殖のオンライン体験ツアーを通して養殖業の様子を紹介。
教材としてホタテをお届け。
◆滋賀・琵琶湖編:琵琶湖から漁師がお届け! その魚がちょ~新鮮なのはなぜ?
日本最大の湖「琵琶湖」での漁業を紹介するとともに、漁師が行う魚の鮮度保持の技術を紹介し、おいしい魚の秘訣を考える。教材としてビワマスをお届け。
◆鹿児島編:漁師目線で海の中を探検! おいしい魚が育つ豊かな海とは?
鹿児島の漁師さんがオンラインで現地の漁の様子や海の中を見せてくれ、漁師目線で海の豊かさを知ることができる。教材として養殖カンパチをお届け。
いずれも、“お得感に溢れ”それでいて“ワクワクするような貴重な体験”が味わえる大変魅力的な内容になっています。
リアルでもオンラインでも、体験型のイベントは注目度の高いコンテンツに成り得ますので、ホスピタリティ溢れるアイデアを十分に練って開催することが、参加者の満足感も高まり、広くはステークホルダーの共感も得られる成功のカギとなるでしょう。
【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます