メディア露出に特化した広報を展開するヤッホーブルーイング~新体制で挑む次なる目標とは?

パッケージもネーミングもユニークなクラフトビール「よなよなエール」。
メディアで目にしたことがある方も多いのではないだろうか。

私は商品そのもののメディア露出よりもヤッホーブルーイングという会社自体の記事を目にすることの方が多いかもしれない。経営やユニークな制度、ファンコミュニティ―などのマーケティング切り口でも注目されている企業だ。

実は、PRマガジンでインタビュー記事を始めた頃から、いつか取材をしたいと思っていた。それが今回実現したわけだが、実はインタビューする前から、絶対、全社的に広報マインドのある会社だと確信していた。

その理由の一つがコーポレートサイトだ。
トップページの一番上に位置するのがプレスルームという会社は今までに見たことがない。
(ニュースやお知らせはあるが。)

どれだけ広報に力を入れているのか、聞かないわけにはいかない!と思い、昨年末にヤッホー広め隊(広報ユニット)責任者に就任された渡部翔一さんに話を伺った。

(編集長)

ミッションは、メディア露出を通じて、多くの人に好意的に思ってもらうこと

よなよなエールの超宴in新緑、北軽井沢での乾杯の様子

よなよなエールの超宴in新緑、北軽井沢での乾杯の様子

編集長:昨年12月に渡部さんが広報責任者に就任されたというのをTwitterで知りまして。実はPRマガジンのインタビューを始めた頃から、どこかのタイミングでヤッホーブルーイングさんを取材したいと思っていたので、今だ!と思ってオファーしました。

渡部さん:ありがとうございます。以前から注目いただいてたということ自体がとても光栄です。私自身は、新卒でいわゆる宣伝部に配属され動画を起点としたバズプロモーションやSNSマーケティングに携わり、広報になって4年目で責任者に就任しました。これまでどのようなことをしてきたか、また今後どのようなことを考えているかなど、お話できればと思います。

編集長:ありがとうございます。
ではまず、御社の広報PRのミッションを教えていただけますか。

渡部さん:弊社の全社ミッションが「ビールに味を!人生に幸せを!」でして、画一的な味しかなかった日本のビール市場にバラエティを提供し、新たなビール文化を創出して、ビールファンにささやかな幸せをお届けすることを目指しています。

つまり、クラフトビール文化を日本に広めることが会社としてのミッションです。
そのためには、クラフトビールの売り場を増やしていくとともにクラフトビールの情報を世の中に流通させていくことが不可欠です。そこで、ヤッホー広め隊(広報PR)では、よなよなエール、そしてヤッホーブルーイングの認知度を高める役割を担っています。

ただ、単に認知を高めるのではなく、メディアの方が書いてくださる記事や報道を通じて、多くの人にヤッホーブルーイングのことを好意的に思ってもらうというのが、私たちが目指してるところです。そのためには、まずメディアの方にヤッホーブルーイングを好きになってもらうということも重要だと考えています。

編集長:現在はどのような体制で広報PRに取り組まれているのでしょうか。

渡部さん:4名体制です。東京にいるのは私だけで、本社がある長野に3人という状況です。今は週1回ぐらい、私が長野に行きチームメンバーとのコミュニケーションを取っています。

編集長:そうなんですね。メディアリレーションと考えると、キャラバンも含めて、東京にいたほうがやりやすいのでは?とも思うのですが…1対3で長野の本社の方に広報スタッフを多く配置しているんですね?

渡部さん:そうですね、今は長野に3名いるのですが、メディアリレーションという目的だけで考えるとゆくゆくは東京のメンバーの割合を増やしたいという思いはあります。ただ、多くの社員が働いている本社は長野県にありますし、取材も長野県で行われることが多いので、長野に広報機能が必要になります。また、当社の場合、新卒の新入社員が広報に配属されるケースが多いです。入社して間もないタイミングで広報を経験することで、ヤッホーブルーイングとして大事にしているスタンスや考え方、価値観を身につけることができると考えているからです。そして、広報で学んだことを他部署に異動しても広めてほしいと思っています。そう考えた場合、企業文化を吸収するには、長野が1番良いと思っています。なので、広報も私以外の3名は現状長野に常駐しています。

編集長:ヤッホーブルーイングさんは様々な施策を展開されていますが、広報PRの担当領域を教えていただけますか?

渡部さん:メディアリレーション活動を中心に社外広報を行っています。ファンイベントやブランディング、SNSなどはまた別の専門部署があります。いわゆるマーケティング系だけでも約10ユニットあり、細分化されているのがヤッホーブルーイングの特徴かもしれません。

編集長:メディア露出を通して、好意的に思ってもらうといったところが、広報PRとしてのミッションになるということで、そのためにどのようなことに取り組まれているのか教えてください。例えばですが、ネタなど企画作りは、別のユニットがされているというお話もありましたが。

渡部さん:私たちヤッホー広め隊は、ヤッホーブルーイングの「良いところ探し役」だと思っています。それを言語化して発信していくのが1つの役割なので、定期的に様々な部門にヒアリングをしに行っています。面白そうなネタがないか探して、そこから情報を加工し発信するのが広報の役割と思っています。

あとは、客観的な視点を社内にフィードバックするということです。社内からあがってきた案件に対してメディアないしは社会がどう思うか、どんな工夫をしたら興味をもってもらえるかを伝えています。例えば、広報から「ヤッホーブルーイングはなぜその施策を実施するのか?」「一言で言うと?」「“ヤッホーブルーイングは〇〇をする”と言う場合は、〇〇は何になる?」といった問いかけをすることで、なんとなく面白そうなふわっとした案件がガシッと明確になる時もあります。

コーポレートサイトのメインターゲットは「メディア」

ヤッホーブルーイング東京営業所の内観

ヤッホーブルーイング東京営業所の内観

編集長:今回、一番伺いたかったことでもあるのですが、御社のコーポレートサイトはトップに「プレスルーム」を置いていますよね。なかなか珍しいのではないかと思いまして。
全社的に、広報PRを重要視されているのがサイトからも伝わってきました。

渡部さん:おっしゃる通りで、全社で広報に力を入れています。
と言いますのも、弊社はまだ小さいクラフトビールメーカーでして、広告宣伝費が限られています。なので、広報の力で世の中に情報を発信していくことが重要です。弊社の社長も広報への理解が深く、必要であれば可能な限り優先して取材の対応をしてくれます。

ちなみに、コーポレートサイトのメインターゲットは「メディア」とヤッホーブルーイングをビジネスパートナーとしてみてくださる「ビジネスパーソン」と明確に決めて構築しています。ターゲットと位置付けている方々が最初にどの情報を入手できると良いかを考えた結果、プレスルームをトップに表示させることになりました。現在のような構造にしたのは2020年です。きっかけはコロナ禍で、メディアもビジネスパーソンも外出しづらい環境下だったことからサイトでの情報発信に力を入れ始めました。

それまでも同じ場所に「お知らせ」は置いていたのですが、2020年にニュースリリースやメディア掲載実績、ストーリー記事を掲載するプレスルームという形にしました。ストーリー記事というのは、速報性はないけれどニュースバリューがある情報をアーカイブしておくために記事化したものです。

編集長:サイトのターゲットはずいぶん思い切りましたね!

渡部さん:よなよなエールなどを愛飲してくださっている消費者の方々がヤッホーブルーイングを検索されることは少ないと思うんですね。そういう意味では、ヤッホーブルーイングと検索してくださった方は、会社に興味を持ってくださるメディアとビジネスパーソンと考えターゲットを絞りました。

編集長:なるほど!御社は「よなよなの里」というオウンドメディアがありますが、消費者はオウンドメディアに、メディアやビジネスパーソンはコーポレートサイトに導線を張っているのですね。

オウンドメディア「よなよなの里」
https://yonasato.com/

ちなみに、何をきっかけにそこまで振り切ろうという話になったんですか。

渡部さん:弊社には、何事においても“ターゲットを明確にする”という企業文化があります。
例えば、製品開発でいうと、「水曜日のネコ」という製品の場合、

・30歳前後の働き盛りの都内に住んでいる女性
・職場ではバリバリ働いているが、家に帰ると、ふと素に戻る時間も大切にしている

など。
ターゲットをしっかり設定した上で、ネーミングを考えたり製品デザインを検討していきます。
同様に2013年頃からコーポレートサイトの整備に着手し始めたのですが、その際に、誰をターゲットにするかを決めていきました。コーポレートサイトは広報主導で整備を進めたこともあり、マスメディアを意識した作りになったという経緯もあります。

速報性は低いのに、PRには欠かせない話題とは?

コロナで失われた社員同士の雑談を取り戻せ!「シャッフル雑談朝礼」の様子

コロナで失われた社員同士の雑談を取り戻せ!「シャッフル雑談朝礼」の様子

編集長:ストーリー記事について、もう少しお聞きしたいのですが、“速報性はない”けれど、発信していこうと考えられたのはどうしてですか。社内制度とか面白い取り組みなどを取り上げているイメージですが。

渡部さん:例えば、組織づくりの話題は速報性こそないのですが、弊社が取り上げられる時に機能する話題です。どういうことかというと、記者の方が弊社について調べてくださる際に、このストーリー記事も読んでくださることが多いです。そうすると、弊社の解像度がどんどん上がるだけでなく取材の際も「ホームページの記事にも書いてありましたが~・・・」と引用をして質問をしてくださるので、より良い露出につながっています。
もう一つが、先回りしたネタの仕込みとして記事をあげています。時流が来そうだなというテーマに関する記事をあげていくということをしています。

編集長:具体的には、どういったことでしょうか?

渡部さん:例えば、2022年4月に育児・介護休業法の改正に向け、メディアの方が情報を検索した際、弊社の話題がヒットするよう、2021年12月にストーリー記事を投下していました。
結果、この記事を見た新聞記者さんから取材依頼をいただくなど、反響がありました。

編集長:プルで取材獲得するためは、こういった情報発信は有効ですね!

渡部さん:そうですね。同じような成功事例は他にもありまして、“コロナ禍で失われた社員同士の雑談を取り戻せ”というストーリー記事は非常に反響が大きかったです。

コロナで失われた社員同士の雑談を取り戻せ!「シャッフル雑談朝礼」
https://yohobrewing.com/story/shuffle_zatsudan/

コロナ禍で出社ができない状況だったため、ユニット横断でオンライン雑談を朝に行っていたんです。
時流を踏まえた取り組みですし、興味を持ってくださるメディアはいるのではないかと思い、私のほうで記事を書きました。
結果、当時は「雑談 会社」で調べると、Google検索で1番目に表示されるまでの記事になりました。

編集長:すごいですね!

渡部さん:当時は記者の方も外出しづらい状況で、Web検索でネタを探すようになっていたようです。そのタイミングで「コロナ下で職場の雑談が減少している問題に対応している企業を取材したいと思って『雑談 会社』と検索したところ、ヤッホーブルーイングの記事が出てきたので、取材依頼をしました」という問い合わせが何件もありました。

改めて、SEOを意識した記事を出しておくことが重要な時代になってきているなと感じました。

編集長:本当にそうですね。多くの広報が1人ないし少人数で多岐にわたる業務を担っているので、自分の活動量だけに頼っていると、 どうしてもメディア露出量とか、質の面で難しくなってきてしまうと思うので、SEOやSNSをうまく活用して、プルで取材を増やす取り組みが不可欠だなと。

ストーリー記事は、広報が中心となって記事を書かれているんですか。

渡部さん:全てではないですが、基本的には広報が書いてます。
ただ、いつも先ほどお話したように時流にうまく合わせられるネタがあるとは限らないです。なので、数をたくさん出せるわけではありませんが、毎週ある定例会議でネタをディスカッションしつつ、「これはいけるんじゃないか」と思えるものがあれば、記事化するといった流れで進めています。

目指すはメディアリレーションの脱属人化

ヤッホーブルーイング佐久醸造所の外観

ヤッホーブルーイング佐久醸造所の外観

編集長:渡部さんが責任者になられてから変えようと取り組まれていることなどありますか。

渡部さん:メディアリレーションの脱属人化ですね。担当者が異動すると、知見が残らないという課題があり、責任者に就任する前ではありますが、昨年の秋頃からこれまでのメディアリレーションの事例を全て棚卸しし始めました。その過程で、 ヤッホーブルーイングの成功パターンが見えてきたので、今後はそれを言語化し共有することで、組織力を高めたいと考えています。

編集長:特に異動のある会社は、脱俗人化ってすごく重要ですよね。

渡部さん:そうですね。ヤッホーブルーイングはチームビルディングにすごく力を入れている会社で、大事にしている考え方の一つに「入力情報×価値基準=判断」という法則があります。入力情報と価値基準を揃えることで判断が同じになるという考え方です。
メディアリレーションでいうと、「これをこうしたらこうなった」という知見、つまり入力情報が一緒にならない限り、チームで同じ方向を向いて動くことができないと考えています。なので、今回メディアリレーションの事例を棚卸しをして、成功パターンの見える化を進めました。

発信する情報には、常にエンターテインメント性を持たせる

「約束のよなよなエール」イベント当日の様子

「約束のよなよなエール」イベント当日の様子

編集長:最近、メディアリレーションやPR施策で上手くいった事例があれば、教えてください。

渡部さん:2022年8月18日の「約束の日」に予約受付を開始した10年後(2032年)と20年後(2042年)に発売する「約束のよなよなエール」です。予約方法は“大切な人と未来の約束”をすること。私たちは、“大切な人との約束が未来へのモチベーションにつながる”と考えて企画をしました。よなよなエールのビール缶でできた「よなよなタイムカプセル缶」に「未来の約束」を書いた手紙を保管することで予約が完了する設計で希望者に先着および抽選で自宅にお送りしました。
また、実際に「よなよなタイムカプセル缶」に大切な人と約束を書いて予約できるリアルイベントも数日間実施しました。

約束のよなよなエール
https://yonayonaale.com/yakusoku-yonayonaale/

大型のプロモーションを担当しているユニットと広報PRが連携して実施したのですが、SNSでの事前告知やテレビ取材を2件獲得したことで、多くの方に「よなよなタイムカプセル缶」で予約するという体験に参加していただくことができました。

編集長:なぜこういったイベントを行おうと思われたのですか?

渡部さん:そもそも私たちは自分たちの事業ドメインを製造業ではなく、エンターテイメント事業と定義してるんです。お客さまにビールの味だけではなく、ビールを中心とした楽しい生活や人生を提供したいと思っています。
今回も約束する体験を通じて未来をちょっと楽しみに思ってもらい、その楽しく明るい未来に「よなよなエール」が寄り添えたら、というところから出発しています。

編集長:なるほど!ちなみに、テレビ取材を獲得するために取り組まれたことや工夫されたことがあれば教えてください。

渡部さん:工夫したことは提案のタイミングと先方のニーズを把握することです。リリース日は8月18日(木)だったのですが、8月26日(金)~8月28日(日)に開催するイベントへの取材誘致を目指していたので、イベント開催の直前にローンチ後の反響も含めてイベントに絞った内容で個別に提案活動をしました。
提案の結果、過去に弊社を取材いただいたことがある番組のディレクターの方に興味を持っていただくことができました。
ただし、その時点ではあくまでも検討のテーブルにあがった段階だったので、番組のターゲットやコンセプト、取材を実現するために必要な情報をヒアリングしたうえで、追加情報を提供したことで取材をしていただくことができました。

編集長:なるほど!確かに、タイミングとニーズに合わせて提供する情報を変えることは重要ですよね。
他にも反響のあった成功事例はありますか?

渡部さん:分かりやすい事例として、2022年3月に実施したクラフトビール醸造レストラン「そらとしば by よなよなエール(以下、そらとしば)」の記者会見があります。

「そらとしば」とは、2023年3月開業予定の北海道日本ハムファイターズ新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」のセンターバックスクリーンにできる“世界初のフィールドが一望できるクラフトビール醸造レストラン”です。ファイターズスポーツ&エンターテイメント社と共同で記者会見を企画し、新球場内で実施しました。ヤッホーブルーイングの記者会見では、社長の井手が仮装するのが風物詩となっているのですが、本件ではファイターズスポーツ&エンターテイメント社にもご協力いただいてダブル仮装での記者会見を実施しました。

いちビジネスパートナーの域を超えて新球場で新しい価値・文化を提供していく「チーム」として記者会見をすることができた事例だったと思っています。ファイターズスポーツ&エンターテイメント社からのご案内でお越しいただいた北海道のテレビ局・新聞社に報道していただいただけでなく、オンライン配信も実施することで長野県の新聞社や首都圏を軸足に置く業界誌やウェブメディアにも報道していただくことができました。

そらとしば記者会見の様子。©H.N.F.

そらとしば記者会見の様子。©H.N.F.

編集長:記者会見の写真おもしろいですね!
そもそも話題性のある取り組みだとおもいますが、さらに仮装で話題をもう一つ増やすことに成功していますね。(笑)

「攻め」と「守り」、両輪を回していく

ヤッホー広め隊の会議風景

ヤッホー広め隊の会議風景

編集長:御社の広報PRのKPIについて教えていただけますか。

渡部さん:ユニットとして管理しているKPIは露出量を測定する広告費換算額を設定しています。数値としては「露出量・認知」で管理しつつ、ユニットの存在意義である「パブリシティを通じてあらゆる人々にヤッホーブルーイングのことを好意的に思ってもらうこと」「メディアの人の知的好奇心をくすぐってヤッホーのファン(仲間・友人)になってもらうこと」を設定しています。

これは私達が情熱と意欲を高めて仕事が楽しくなるだけでなく、逆境にあっても前進しつづけられるために掲げています。この存在意義は、最近ユニットメンバーで議論を重ねて言語化したものです。

編集長:最後に今後の目標などお聞かせください。

渡部さん:継続路線としては、メディア露出量を増やしていくことです。そのためには、先ほどお話したメディアリレーションの脱属人化が不可欠だと考えています。
もう一つが危機管理広報です。知名度が上がるということは、それだけ危機のリスクも上昇していきます。危機管理の予防と対処ができるよう体制やマニュアル作りを進めています。
私が就任してからユニットのKPIに危機管理広報に関する数値を新しく設定しました。

編集長:御社は、SNSのフォロワー数も多いですし、そういった対策も必要ですよね。

渡部さん:そうですね。個人で発信してるスタッフも多くなってきているので、ガイドラインも作りました。

編集長:攻めも守りも、ということですね!ありがとうございました。

PRマガジン編集部の「編集後記」

編集後記:編集長

―久しぶりのメディア露出に特化広報!

最近は、メディア露出はあくまで手法の一つでメディアリレーションも業務の一つだが、それだけではないという
広報の方を多く取材してきた。

が、ヤッホーブルーイングの広報ユニットであるヤッホー広め隊は、潔いくらいメディア露出に特化している。

しかも、ゼロからの話題作りも基本的には他ユニットが行い、ヤッホー広め隊は、それをいかにメディアおよび社会に通じる情報に調理できるか、そしてそれをどうすれば伝えることができるかに専念している。

ある意味、成果を出しやすい組織体制と言えるだろう。

また、これまでのメディアリレーションを全て棚卸して自社の成功法則を見つけたという話も興味深かった。誰がやっても一定の成果を出せる、というのは異動などで、担当者が何年も継続して広報専任となれない企業はマネしたい取り組みではないだろうか。

といっても、かなりの工数がかかる取り組みだが…。

再現性のあるメディアリレーションを浸透させた後、ヤッホーブルーイングのメディア露出がどれだけ飛躍するのか、とても楽しみだ。

今回の注目企業紹介

株式会社ヤッホーブルーイング(https://yohobrewing.com/

創業:1997年
事業内容:クラフトビール製造および販売

お話を伺った方

株式会社ヤッホーブルーイング 渡部翔一さん

株式会社ヤッホーブルーイング 渡部翔一さん

株式会社ヤッホーブルーイング
ヤッホー広め隊(広報ユニット)責任者
渡部 翔一(わたべ・しょういち)