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「経団連推薦社内報」総合賞を受賞!社会人歴10ヶ月、広報歴5か月の編集長が起こした大改革とは? — ベーシック・奧田陽子さん

久しぶりの話題の女性広報。今回は、企業のWebマーケティングやコミュニケーションをスマートにする「ferret One」などのSaaS事業やWebマーケティングメディア「ferret」などを展開している株式会社ベーシックの広報、奧田さんだ。

奧田さんは入社して7ヶ月で2代目WEB社内報の編集長に就任。今年3月には「経団連推薦社内報審査」総合賞を受賞するなど、ベーシックの社内報を確固たるものにした立役者である。

企画から執筆、デザイン。社内報を作るのは本当に大変…。
それでも“社員に読んでもらえない”と社内報に悩みを抱える広報は多い。

今回は「社内報といえばベーシックの奧田さん」、株式会社ベーシックの奧田陽子さんに、広報・PRパーソンならではのリアルな企業広報のお話を伺った。
(インタビュー:編集部 若林)

インサイドセールスから、わずか半年でPRに

奧田さんと上司の角田さん

奧田さんと上司の角田さん

若林:今回、事前に奧田さんの記事を色々と拝見する中で、思わぬところで接点を見つけまして。以前、同じ「話題の女性広報」のコーナーで、ギークス(株)の元広報の松井さんの記事を掲載させて頂いたんですけど、その記事を担当くださった記者の大谷イビサさんが別記事の「記者が広報・PR会社のもとに出向くキャラバンやってみた」で、最初にベーシックさん(奧田さん)を紹介されていて。思わぬところで接点があり驚きました!

奧田さん:そうなんですね!あの記事は、広報になって一ヶ月くらいのときで、前任者から広報業務を引き継いでるタイミングでお会いしたんですよ(笑)。

若林:奧田さんは2018年4月に新卒で入社されて、インサイドセールスを経て、同年の10月に広報着任ということですけれども、広報はおひとりでされているんですか?

奧田さん:今年の6月から2人体制になりました。2019年の2月までも2人体制で、そのうち1人の広報が退職するタイミングで私に広報の話が来ました。3月に上司が退職し、そこから今年の5月まで、1人で広報を担当していました。

若林:今年の6月に加わられたもう一名は、奧田さんの下にアシスタントで入ってらっしゃるんですか?

奧田さん:いえ、役割違いですね。それまでは、コーポレート広報と事業広報——詳しく言うと、自社サービスの広報に加え採用広報や社内報を全部私が担っていたんですけど、人事部からもう一名アサインされて、そのメンバーが、今、コーポレート広報の担当をし、私は6月から事業広報の専任になりました。

若林:そうなんですね、今は2名体制ということですけど、御社の場合は、広報としてどういうミッションを持って、課題に取り組まれていらっしゃるんですか?

奧田さん:広報ミッションは、事業自体の予算達成と中長期的な企業価値の最大化のための援護射撃という形で持っていまして、事業の後押しになるような、会社やサービスの認知の拡大というところが私のミッションです。

若林:具体的に何か数値的な目標もありますか?

奧田さん:現状は、プレスリリースの発信数とメディア掲載獲得の数ですね。

若林:着任した2019年に関しては、結構達成できていましたか?

奧田さん:掲載獲得数を数値目標として持ち始めたのが今年の年初からで、それまでは発信数をどれだけ増やせるかというところでKPIを設定しており、プレスリリースや、noteの本数、社内報の記事数と閲覧数といった目標は、昨年は順調に達成できていました。

若林:2019年は発信数を数値目標にしていたのに対して、2020年は、発信数に加え掲載獲得数を目標に切り替えたのはなぜですか?

奧田さん:着任したては広報経験が一切なかったので、いきなり掲載獲得数を目標にして、サービスの認知につながらないような掲載をとってしまっては掲載の機会をいただけることはありがたくても事業成長に貢献できません。そのため、まずは型を身につけて事業成長につながるような露出の設計をちゃんとできるようになって欲しいという会社からの思いがありました。
着任から一年半のタイミングで、目的に沿った広報ができるようになってきたんじゃないかということで、改めて、掲載獲得数を加た目標設定に切り替わったという流れです。

入社半年で広報に抜擢された理由とは

奧田さんはベーシックに入社して半年で広報に抜擢された。

奧田さんはベーシックに入社して半年で広報に抜擢された。

若林:新卒で、ビジネスパーソンとしても駆け出しで、やっとインサイドセールスがわかるようになってきたらすぐ広報に異動という…ご自身でもびっくりされませんでした?

奧田さん:驚きましたね(笑)。

若林:なんで抜擢されたかというお話はありましたか?

奧田さん:就職活動時からまずは営業で結果を出したいという思いはあったのですが、入社前の一ヶ月間、人事部でインターンをするタイミングがあり、そこでの事業を支える立場として働く経験を踏まえ、自分のキャリアパスとして、営業を極めたら事業を支える側に行きたいという話をしていたんです。

当時のベーシックのキャリアパスですと、だいたい入社3年くらいでファーストキャリアでの経験を積んで、結果を出してから次のキャリアへ、というケースが多かったのですが、前任の広報が退職するというタイミングで声をかけてもらえた感じです。

若林:人事の方が入社前の希望を覚えててくださったんですね。どうですか、思ったよりも早く事業を支える側というか、広報になれちゃいましたよね。

奧田さん:そうですね、やっぱり、入社から半年という期間ではありましたが事業を経験したうえで広報をできるというのがすごい大きいなと思っていまして、営業として関わった事業を支えられるというのは、すごくやりがいを感じてます。

若林:広報になりたての時は、何が一番大変でしたか?

奧田さん:情勢に合わせて刻々と変化する潮流やニーズに合わせて、表現を選び発信しなくてはいけないということが大変でした。特に適切な表現の選定スキルや、編集スキルなどのまとめる力が当時は全然足りなくて苦戦していました。

「経団連推薦社内報審査」総合賞受賞に導いた、問題意識と達成指標とは

2019年3月に経団連推薦社内報審査総合賞を受賞。

2019年3月に経団連推薦社内報審査総合賞を受賞。

若林:そのように苦戦していたにも関わらず、広報に着任して一ヶ月後の2019年11月にWEB社内報「b-ridge(ブリッジ)」の2代目編集長にも就任されたんですよね。目一杯だったんじゃないですか?今年の3月には、経団連推薦社内報審査のWEB社内報部門において、「総合賞」を受賞されてらっしゃいますが、もともと順調だったわけではないんですよね。

今は、「社内報といえば奧田さん、奧田さんといえば社内報」というくらい注目を集められているかなと思うのですが、総合賞受賞まで、非常に葛藤やご苦労もあったかと思います。リニューアル発行後一ヶ月で、UU数が前月の2.5倍になったということで、その辺どういった社内的な変革や取り組みをされたのか、お話を伺ってもよろしいでしょうか。

奧田さん:ちょっと恐縮ですが、ありがたいです。まず、私が社内報の変革に取り組むまでの社内報の問題点というと、運営体制がボランティア制で、業務のかたわらで何とか運営するような感じだったということです。担当の社員が多忙な時は執筆が難しく更新にばらつきがあったり、社員の声が反映される一方で社内報としての一貫性がないなど、広報から見ても、社内報の存在意義を考えてしまう状況でした。

ただ、私の印象としては、営業にいた時から社内報を読むと、自分が関わっていない社員のことがわかるので、そういった会社や社員を理解するためのプラットフォームとしてすごく魅力を感じていたんですね。ですので、社内報のもつポテンシャルを活かし、もうちょっと会社にとって必要なものとして昇華できないかと考えていました。

そのとき、ちょうど会社のビジョンおよびミッションを刷新したタイミングで、そのビジョンが社内に浸透していないということや自分の属してるチーム以外と全然関わりがないという課題が見えていたので、そこを解決する社内報に生まれ変わらせたら、絶対会社も良くなると思いました。そういう想いがあったので、経営陣のひとりを巻き込んで経営会議に乗り込み、「会社を変える社内報にします」と宣言したのですが、当時、まだ入社1年目でして、自分で言うのも何ですけどよくやったなと思います(笑)。

若林:社内報をどう変えるかといったプランを、経営会議で提案したということですね?

奧田さん:はい。会社にとって必要なものと思ってもらうというゴールを設定し、そのあとに、業務の一環として運営できる社内報という体制を整えさせてもらいました。

若林:経営会議は、いろいろな部署の責任者が参加してると思うんですけど、「絶対必要だから、そこからも人を出して欲しい」とお願いしなきゃいけないわけですよね。みなさん、その一回のプレゼンで、「いいよ、やってみなよ」という感じだったんですか?

奧田さん:最終的にはそうなんですけど、私だけで提案していたらダメだったかもしれません。合意をとるために、広報管掌の役員(上司)とすごく話し合いまして、その結果だと思っています。

若林:役員を含めて、みんなが少し、社内報に関して諦めかけていたときに、奧田さんは「やっぱり、今の会社には社内報が絶対必要だし、有益だ」と思ったから、そこまでできたということなんですよね。

奧田さん:そうですね、提案に行く時、だめだったらそれで辞めますくらいな勢いで、達成率の指標の叩きを持っていきました。

若林:その指標についても伺いたいんですが、「社内情報共有」、「社内活性化」、「コンピテンシー強化」の経営課題を解決することを目的に運営されているということですが、このあたりから指標を設定されたんですか?

奧田さん:当時言語化されていなかった会社の経営課題を「これって、課題ですよね」と経営陣に持っていった感じです。

若林:入社されて1年経っていないのに、すごいですよね。逆に、フレッシュな目で見れたというのはあるのでしょうか。UU数も跳ね上がったそうですけど、そちらも指標のひとつだったんですか?

奧田さん:わかっていないからこそ言い切ってしまえる度胸があったかなって思ってます(笑)。指標は、UU数と、経営課題の3つに対してのスコア(社員を対象に行うアンケートの平均点)で設定しています。

若林:社内報の編集部メンバーの人選は、奧田さんからの提案だったんですか? それとも、各部署の責任者の推薦だったんでしょうか?

奧田さん:前者です。経営課題の中で、特に「コンピテンシー強化」の項目は、親和性が高い人でないと厳しいなと感じていたので、一緒にコンピテンシー強化という目標の達成を目指していけそうなメンバーに声をかけました。

若林:なるほど。メンバーは、もともと会社の役に立ちたいというモチベーションのあった方々だとは思うんですけど、社内報に加わるとなると、通常の業務プラスアルファじゃないですか。ボランティアじゃないとなると、社内報もそのメンバー自身の評価に反映するような形で参加してもらうようにしたんですか? 

奧田さん:はい、評価に反映されるという形です。ミッショングレード制をとっていまして、それぞれが担っている業務のうち何%はどの業務を行いその目標を追いかけると割り振ったうえで、各自がその達成に向けて業務を行うんですけど、メンバーそれぞれが全体業務のうちの5%を社内報業務を行うことになっていて、その5%では「記事本数が予定通りに出せたか、UU数とスコアが目標に到達したか」を個人目標に置いています。さらに、UU数や社員のスコアが、目標より上回っていたら良い評価になるという制度にしているので、メンバーそれぞれが主体的に社内報のレベルアップに向かえる体制となっています。

若林:それは素晴らしいですよね。やっぱり、うまく回すためには、評価と連動させるとか、関わる人のモチベーションをアップする工夫をきっとされているんじゃないのかなーって思っていました。

タイトルにかける「ベーシック」のこだわりと熱量

奧田さん「社内報の記事を出す時にメンバー6人のうち3人がOKを出さないと公開はできない。」アイキャッチとタイトルは非常にこだわっている。

奧田さん「社内報の記事を出す時にメンバー6人のうち3人がOKを出さないと公開はできない。」アイキャッチとタイトルは非常にこだわっている。

若林:ひとつ、ああやっぱりなと思ったのが、記事タイトルへのこだわりなんですよね。御社はWebマーケティングメディア「ferret(フェレット)」を運営してますけど、読者を惹きつける仕掛けで、タイトルに非常にこだわっているというのを見まして、どのくらいの熱量を注いでいらっしゃるんですか?

奧田さん:社内報の記事を出す時に、メンバー6人のうち3人がOKを出さないと公開できない制度にしているんです。その項目が、記事内容などのほか、アイキャッチとタイトルがあり、そこがなかなかみんな厳しいんですよ。「これ、あんまりクリックしないと思う」とか「もうちょい惹きが欲しい」とか。そこの戦いを乗りこえて記事を出す感じなので、個人個人も頑張るんですけど、どちらかというと、チームの中で自然と磨かれていくというのはあるかもしれないです。

若林:OKじゃない場合は、代替案を出されるんでしょうか。週に一回とか社内報会議みたいな場を設けて、そういうお話をされるんですか?

奧田さん:ミーティングは、誰がどういう記事を担当するかをメインに話していて、それ以外は基本チャットで、それぞれのメイン業務の合間で対応しながらブラッシュアップしていく感じですね。

若林:話は飛びますが、変な話、プレスリリースのタイトルとか、めっちゃプレッシャーじゃありませんか?(笑)

奧田さん:プレッシャーです(笑)。もうプレスリリースを書く時は毎回、一瞬「これでいいんだろうか……」と不安でテンション下がって、そこからの闘いですよね。

若林:そうですよね、文章のプロフェッショナル集団も社内にいらっしゃるわけですし。かなりPVがとれてるサイトを運営されていて、ferretや社内報でもタイトルをすごいもんでる会社じゃないですか。プレスリリースっておひとりでやらなきゃいけないですし、苦労されるんじゃないですか?

奧田さん:広報管掌の役員もよく壁打ち相手をしてくれていて、あと、6月から入ったメンバーも一人いるので3人でブラッシュアップはしていく前提ですが、ベースは私です。プレスリリースは、キャッチーにするというよりも、シンプルに伝えるというところが入ってくるので、正しく伝わるかという緊張感がかなりあります。

若林:確かに、御社のサービス自体は、一般消費者というより、専門の方向けだと思うので、専門用語や多少難しい言葉が入っていてもわかるのかなーとは思うのですが、受け取る記者側のリテラシーは、また別の話だと思うので、わかりやすく伝えることは非常に重要ですよね。今回の奧田さんの記事を出す時も、タイトル案、緊張します。代替案もウェルカムです(笑)。

社内報とSNSの連携によるブランディング効果

奧田さん「社内で知ってほしいことを優先して記事案に。」編集長が代わった現在も続けているそう。

奧田さん「社内で知ってほしいことを優先して記事案に。」編集長が代わった現在も続けているそう。

若林:社内報って、情報共有という範囲にとどまらず、Twitterのアイコンを背景にする『あおかベーシック』という働きかけや、BtoB企業としての話題づくりとしてなどで、すごく活きてると思うんですけど、そのあたりは意図的に頑張ってらっしゃったんですか?

奧田さん:結構、意図的にはやってたかなと思っています。IT企業ですので、Twitterとかはそこそこやってるメンバーはいるんですけど、会社全体には普及していない感じでした。それってすごくもったいないので、全社に知らせる仕組みを考えた時に、社内報の記事として仕込もうということになったんです。社内で知ってほしいことを優先して記事案に入れていくというのは、編集長が代わった現在も続けています。

若林:Twitterですが、フォロワー数によって、○人将というネーミングをつけたりしていますよね。御社の場合、フォロワー数により、何か福利厚生などはあるのでしょうか。

奧田さん:福利厚生はないですね。Twitterを始めようとなった時に、社内にひとりだけTwitterですでにフォロワー数が多いメンバーがいまして、そのメンバーに聞きながらいろいろ始めていったのですが、フォロワー数で報酬が発生すると強制力がついちゃいますし、強制されると、真面目なツイートだけをしている集団になって、ソーシャルなのにつまんないのではと。Twitterは個人に紐付くからこそ、見てる側もおもしろいと思っていますので、そこは大事にして、自主性を崩さずに盛り上げていくという方向は変わっていないですね。

Twitter運用で、採用課題「カルチャーフィット」も成功

「ベーシック」が出しているという認識が広まり、社員もツールに自信が持てるようになった。

「ベーシック」が出しているという認識が広まり、社員もツールに自信が持てるようになった。

若林:誰が見ても、ベーシックさんだなってわかるTwitter運営をされてると思いますが、社内報をはじめとして、Twitterも統一感のあるものに切り替えたことによって、ブランディングの他にどういう良いことがありましたか。

奧田さん:以前は「ベーシック」としてよりは、結構「ferret」の方で知っていただいてまして、ferretに関わっていないメンバーも「ferretさん」と言われるというような、ちょっと複雑な感じがあったと思うんですけど、実際に社員がSNSに出ていくことで「ベーシックが出してるferret」だったり「ベーシックが出しているferret One/formrun」という認識が広まり、社員自体もツールに対して自信が持てるようになった感じがします。

UGCが生まれるのも勿論ですし、それまではなかなか知ってもらう機会がなかった、事業に関わっている人を知ってもらえたり、社員自身がそれぞれの専門性を活かした発信をする場が増えたりしたことで、それぞれ持ってたパワーが表に出て、それがさらに「ベーシック」に対する印象として固まったと思います。

若林:確かに、言い方は悪いかもしれないですけど、ferretとベーシックって、なかなか結びつかない方もいらっしゃったかもしれませんね。そこがTwitterを通して合致したというのは、やっぱりあるんですね。

ちなみに、Twitterをやってる広報の方のアカウントを見ていると、最近は採用広報をうたっている方が多い印象があります。それだけ、採用サイト頼みだけではなくって、別の採用手法を増やそうとしている会社が増えているということだと思うんですけど、御社もTwitterで認知を上げることによって、採用も上手くまわりはじめたのかなという印象を受けたのですが、その辺はいかがでしょうか。

奧田さん:そうですね、リファラル採用なども行ってたんですけど、「ベーシック来ない?」って聞いた時に、「ベーシックってどこよ」となるのと、「ベーシックさんね」って言ってもらえるのとでは、社員からの声のかけやすさも違いますよね。あとは、選考を受けてくださる方にも、事前にTwitterやnoteを読んでもらうことで、ベーシックの思想を理解していただき、カルチャーフィットした方が入社してくれるという効果があったかなと思ってます。

若林:以前と比べて、具体的な効果は何かあったりしますか?

奧田さん:採用とちょっと離れるような話になるかもですが、一時、離職率が4割近い時期があり、その原因について、カルチャーフィットの話が出たんですね。それが、カルチャーフィットした方が入社してくださるようになったと、人事からのフィードバックをもらいました。採用広報を始めて1年ですが、退職者がほぼ出なくなっていまして、その辺は本当に効果があったと思っています。

2019年10月にMost-Valuable-Group賞を受賞した時の社内報チームの写真。

2019年10月にMost-Valuable-Group賞を受賞した時の社内報チームの写真。

若林:カルチャーが合わなくてすぐ退職されると、企業としては本当に残念で、課題を抱えている会社も多いでしょうから、すごく重要なことですよね。ひとつはTwitterなどの取り組みで改善されたというのはあるかもしれませんが、noteも、エンゲージメントの高いアカウントに育成するよう頑張ってらっしゃるんですよね。どうやったらそうなれるんでしょうか?

奧田さん:noteにおいては、会社として一貫したメッセージを出せているかを大事にしています。ベーシックは、「挑戦する」ことを社風としてすごく大事にしていますので、挑戦について伝え続けることで、やっとベーシックのイメージが作れてきたのではないかと思っています。

若林:一貫性のあるメッセージを発信していく上で、サポート体制も万全を機すように頑張られたということですが、そのあたりのお話も伺ってもいいですか。

奧田さん:私も最初そうでしたが、まず、Twitterをスタートする時って、何をつぶやいたらいいのやらわからない状態になると考えていて、かといって「ごはんなう」とつぶやいてもフォロワーさんからしたら見るメリットがないですよね。noteの方も、一体何を書いたら見てくれる人の役に立てるのかわからない。
ですので、社員がSNSを始めるときに、最初に誰よりも応援する存在でいようというのは、採用広報チームですごく心がけています。社員がつぶやいてたら「いいね」をつけるとか、noteも「スキ」がつくようコメントを入れるとか、背中を押すサポートをしていました。

若林:エールという感じなんですね。確かに、今のTwitterの傾向もそうですけど、noteと紐付ける方がエンゲージメントが高くなる傾向があると思います。ただ、Twitterに比べてnoteって、「書くぞ!」って意識しないと書けなかったり、反響がないと続かなかったりしますので、そこでやっぱり、サポートを大事にされたということなんですね。へんな言い方ですけど、みなさんが仲良しな会社なんですね。

奧田さん:そうですね、結構フラットな会社だと思います。

若林:確かに、社内報のメンバーをご自身で選ばれたというのも、色んなしがらみや立場だったりで、正直、難しい会社もあると思うんですよね。それがすんなり通るというのは、すごくフラットな組織なんだなという印象を受けました。

奧田さん:ありがとうございます!

「広報としての私目線」でつぶやく、Twitterアカウントの好影響

奧田さん「Twitterは

奧田さん「Twitterは”広報の私”が考えたことを書こうと思っています。」1割は自分の好きなこともつぶやいている。

若林:今、奧田さんのTwitterのフォロワーは3850人くらい(取材時)と、広報としては非常に多い印象で、毎日毎日、実のあるつぶやきをしているのが本当にすごいって思ってるのですが、広報活動にどのような好影響がもたらされてますか?

奧田さん:会社として発信したい情報が、私のアカウントを通して届いてる感じがすごくしています。たとえば、マーケッターさんですとか、狙ってるターゲットに届いている実感を得られることが大きいです。

若林:奧田さんのフォロワーって、てっきり広報の方が多いのかなと思ってたのですが、マーケッターさんも多いんですね。メディアを介さずに届いている実感が得られているということですが、Twitter運営でマイルールですとか、意識していることは何かありますか?

奧田さん「広報の私」が考えたことを書こうと思っています。情報って、セールスの方や、プロダクトの方など、受け取り手の視点ですごく変わると思っていますので、「広報として、この情報を受け取った時に、自分はどう思ったのか」をつぶやこうと気をつけています。

若林:なるほど…見習わなくてはいけないことが色々あります。

奧田さん:いやいや、全然全然です(汗)。ただ、全部そうやってしまって、すごい真面目な“意識高いアカウント”になるのは嫌でしたので、1割は自分の好きな、どうでもいいことをつぶやいています(笑)。

若林:あ、そうなんですか!? 意外です! 本当、奧田さんは、毎日毎日いろんなことを深く考えていらっしゃると思ってましたが、1割は遊び心を持ってやっているんですね。

奧田さん:そうですね、プライベートではちょっと楽器をやっていますので、そのことを絡めてつぶやいたりとかしています。

若林:なるほど~。ちなみに、6月から事業広報に注力できるようなったことで、具体的な成功事例があったら教えてください。

奧田さん:正直なところ、今、絶賛育てているタイミングで、やっと取材が決まってきたというフェーズなんです。ただ、以前はどうしても、マーケティングチームとの連携が時間的に制限されていたんですけど、事業広報に専念できることでマーケティング担当と密にやりとりし、「狙って刺す」準備ができるようになったのが大きいですね。たとえば、9月に公開予定の記事で、社員のセールスの取り組みに関して寄稿できる機会が増えたり、マーケッターの教育についての情報を持っていってヒットしたりとかが、いい事例だなと思ってます。

若林:なるほど、マーケの方と定期的にミーティングを持つようになったんですか?

奧田さん:もともと持ってたんですけど、より深い議論ができるようになりました。以前はどうしても、事業側から提案される企画も多かったんですけど、自分が時間を使えることによって、こういう企画も考えられるけどどうですかというような議論が発展するようになり、それが媒体に載り始めて、手応えを感じるようになっています。

若林:やっぱり、会社にとって発信したい情報を出していくべきなので、それって、すごくいいですよね。マーケの方も、そういうのはウェルカムみたいな感じでしたか?

奧田さん:そうですね。お互い妥協なく、やりきって企画が出ていく感じが清々しいです。時間の制約があった時は、「これでいいんだっけ? 時間も迫っているので、これでいきますか」みたいな感じで、進んではいたんですけど、本当に刺せるものが作れてたかというと、今思うとちょっと足りなかったかもしれません。今は、業界的には何が話題なのかなど、メディアを探る時間もできました。

若林:なるほど、メディアリレーションは、奧田さんおひとりでされてるんですよね?

奧田さん:そうですね、もともとリレーションは私で持っていて、それをもう1人の広報に少しずつ引き継いで、今は事業広報側のリレーションを私が担当しているという感じです。

若林:なるほど、6月から仕込んできたのが、やっと9月〜10月くらいで芽が出そうで、今までやりたかったことがやっと今できるようになってきたということですね。ありがとうございます。

マーケティング部や他部署との連携についても、ああ、確かにそうだよなーって思いました。マーケは貴重な数字情報を持っているのに、なかなか連携が取れていないがために、もったいない状況の会社もある中で、広報側の時間が作れて、マーケの方もウェルカムっていうのは、理想的ですね。ベーシックさんの記事は今後もっと増えていくんじゃないかなって思いました。

奧田さん:ありがとうございます、頑張ります!

プライベートではピアノが趣味。「道化師の朝の歌」が憧れの一曲

ピアノを弾く奧田さん。弾きたかった曲の一つにモーリス・ラヴェルの「道化師の朝の歌」がある。

ピアノを弾く奧田さん。弾きたかった曲の一つにモーリス・ラヴェルの「道化師の朝の歌」がある。

若林:ところで、プライベートのお話も伺えたらと思うのですが、楽器をなさってたんですか?

奧田さん:はい、ピアノを6歳からずっとやってて、19年になります。今も、週1でレッスンに通っています。

若林:どこかで披露したりしてるんですか?

奧田さん:年1回はステージに立っています。基本、ホールに行って弾くというのが多くて、クラシックがメインですね。

若林:19年もやってたら、大抵の曲はもう、弾き終わっていたりしないんですか?

奧田さん:そうですね。今、弾きたかった曲のラスト1曲を練習してまして、今年の10月に弾き終わるので、そのあとどうしようかなって感じています。

若林:ちなみに、そのラスト一曲は何という曲ですか?

奧田さん:すごいマニアックなのですが、モーリス・ラヴェルの「道化師の朝の歌」です。「のだめカンタービレ」の後半に出てきている曲で、その曲を聴いた小学生の時に弾きたいと思って、なかなか実力が追いつかなくて、やっと追いついたんです。

若林:そんなに難しい曲なんですね! 確かに、弾きたいって思ってた曲が今年中に弾けそうだってなったら、次ですよね。今日Zoomで初めてお会いして、一番リアルな奧田さんだと思うんですけど、Twitterとかのアイコンと雰囲気が違いますよね。アイコンだけ見ると、もっとやんちゃな感じがしたので(笑)。エレガントな感じの方だったんだなって思いました。

奧田さん:そんなに意識したことなかったですが、アイコン大事ですよね…そろそろ変えようかな。Twitterの取り組みを始める時に撮った写真なので、1年くらい前のなんですよ。

若林:一回アイコンを変えてらっしゃいましたよね。

奧田さん:なんか、撮影した日、すごい顔がこわかったみたいで、社員から「ちょっとこれ、ツヨツヨに見えるからやめた方がいい」って言われて、そんなーーっみたいな(笑)。「確かにわたし、ツヨツヨじゃないし」って話をして、すぐ戻しました(笑)。

若林:そうだったんですね、実はそのアイコン切り替えくらいから奧田さんのお名前を拝見していて、いつか取材させて頂きたいなーって思いながら、御社の露出をいろいろ拝見してました。以前取材した方に、おすすめの広報の方のお名前を聞いたら、奧田さんのお名前が上がっていたので、やっぱりそうなんだって思って、今回、取材を申し込ませていただいたんです。

奧田さん:ありがとうございます、光栄です! メールをいただいた時に、広報チームから「奧田大丈夫? ちゃんと答えられる!?」ってすごく心配されて、「大丈夫!こたえられます!」って(笑)。
私も以前に掲載されていた「UZUZ」の土田さんとランチとかしますので、そこがきっかけで記事を読ませていただいていて、すごく憧れのメディアだったので嬉しいです!

休日の奧田さん。奧田さんはエレガントな感じの方でした。

休日の奧田さん。奧田さんはエレガントな感じの方でした。

PRマガジン編集部の「編集後記」

編集後記:編集部 若林

社内報といえば奧田さん

ZOOM取材中の奧田さん

ZOOM取材中の奧田さん

Twitterで奧田さんのアカウントをフォローして、数か月。毎日、広報についてアウトプットされていて、自分の身の回りに起きたことを深く考える勤勉な方なんだろうなと思っていた。

そして、広報の方と接する中で、「社内報といえばベーシックの奧田さん」という認知があることがわかった。

実際、“社員に読んでもらえない”と社内報に悩みを抱える広報は多い。 私も企画から執筆、デザインまで一人でやっていたことがあるからわかる。作るのは本当に大変…。

奧田さんは入社し7ヶ月で2代目WEB社内報の編集長に就任。
新体制で社内報を発行後、1カ月でUU数を前月の2.5倍に引き上げ、今年3月には「経団連推薦社内報審査」総合賞を受賞するまでに、ベーシックの社内報を確固たるものにした立役者。

社内報に携わる人員を自分で指名し、ボランティアではなく業務として対応してもらうため、評価制度にも連動させた。この行動力は本当にすごい!

そして、ベーシックさんもすごい。本当にフラットな組織じゃないと、いわゆる「新人」にこういった任せ方はできないはずだ。広報未経験でも、ビジネスパーソンとしてのキャリアが浅くても、個人の努力と信念、会社の理解とサポートがあれば、これだけ大きな変革をもたらすことができるのだと改めて実感した。

タイトル命!

Web社内報を読んでもらうには、「タイトルが重要」ということで、社内報メンバーの半数がOKを出さないと公開できないという。

ferretというWebメディアを運営している会社だからこそ、読者だろうが社員だろうが、タイトルで面白そうと思ってもらわないと、読んでもらえないとわかっていたのだろう。

これだけタイトルにこだわりを持つ会社のしかも広報(職業柄タイトルに並々ならぬパワーを注ぐ)に、この記事のタイトルをどう評価されるのか…
合格点をもらえることを祈って…★

今回のPRパーソン紹介

■株式会社ベーシック 広報
奧田 陽子(おくだ・ようこ)

2018年4月に新卒でベーシックに入社。インサイドセールス担当を経て、2018年10月に広報着任。そのわずか1か月後にWeb社内報「b-ridge」の2代目編集長に就任。2019年3月に新体制で『b-ridge』を発行後1カ月でUU数を前月の2.5倍にアップさせるなど、その手腕に注目が集まっている。

■株式会社ベーシック(https://basicinc.jp/

2004年に設立。「問題解決の集団として、情熱を妨げる世の中のあらゆる問題解決をやり抜き、多種多様な企業が強みに集中できる世界を創造する」をミッションに掲げ、SaaS分野とメディア分野でインターネット事業を展開するテクノロジーカンパニー。企業が直面するWebマーケティングに関する知識やリソース不足の問題を解決するため、オールインワン型BtoBマーケティングツール「ferret One」やWebマーケティングメディア「ferret」、フォーム作成管理ツール「formrun」、事業者と個人のより良いマッチングの機会を提供する「フランチャイズ比較ネット」「留学くらべーる」等のメディア事業を展開。