こんにちは。
みなさんはプレスリリースを送るとき、何か気を付けていることはありますか。ただ情報を詰め込んでやみくもに一斉配信するだけでなく、できるだけ多くのメディアに読んでもらいたいですよね。新聞記者出身で現在PRコンサルタントである筆者が、記者時代に感じたことも併せてそのコツをお話ししたいと思います。
リリースを読んでもらう3つのコツ
ポイントを絞り1、2枚で簡潔に!
まずプレスリリースの情報量についてです。現役記者時代、地方の市政記者クラブには毎日多くのリリースが届き、気づくと机の上にどんどん積まれていきました。当時、地方面の紙面を埋めるため1日2本は写真付きのネタで記事を出稿するよう上司のデスクから言われていました。
各社このあたりは違ってきますが、その日どのような記事を何行ぐらい書く予定かを昼過ぎに上司に報告するとき、何も書くネタがなく途方にくれることはよくありました。本来前日までには準備すべきですが、支局の大先輩でも「きょう取材できるネタがない!」と焦ることはよくありました。
そのようなとき、机の上のリリースを見ながら何か面白そうな話がないかを探すのですが、数枚をホチキスでまとめたようなリリースは読む時間がなさそうでスルーしていました。丁寧に説明していただけるのはありがたいのですが、情報量が多そうだと感じた瞬間に読む気は失せてしまいます。
現在もNHKや通信社、全国紙で記者をしている友人たちもやはり、「リリースは1枚にまとめてもらわないと読みたくなくなる」「難しいことを長々と書いてもらっても、興味がないと読まない」と話しています。
実際、取材に来る記者たちはリリースの内容を隅から隅までじっくり読んでいないことがほとんど。事前に気になったキーワードを拾ったあとは、当日あらためて一から取材していることも多いのが現状です。
アウトプットをイメージし、要点を1枚目に
純粋なニュース(ストレートニュース)をメディアに伝えるためのプレスリリースの場合、どうしても1枚におさまらない場合でもできれば2枚におさめたいところです。1枚目に要点をまとめて2枚目にはその補足をするなど、2枚目は読まれないことも想定しながら構成するといいでしょう。
プレスリリースではなく、世の中の動きや課題とからめた切り口を作り、その中で自社の情報を発信する企画書の場合だと3枚以上になることは多いです。社長のプロフィール資料も、起業や人生のストーリーを織り交ぜると2枚以上になります。このようなケースも、取材される際のアウトプットをイメージし、どのようなテーマの話ならできるのか、どのような取材なら受けられるのかを1枚目に書くと時間がなくても目に留まりやすい資料になります。
リリースや企画書はあくまで取材のきっかけづくりであることを肝に銘じ、自分もなるべく簡潔な文章でコンパクトに作成するよう心がけています。
記者は興ざめ 誤字脱字の点検を
自分が記者をしていたとき、誤字脱字の多いプレスリリースを見かけるとその会社のイメージが一気に落ちました。会社の顔である広報が、メディアに情報発信するときに細心の注意を払わず、社内でダブルチェックも行わない。記者は「この会社に取材して正確な情報が得られるだろうか」と不安になり、間違っていない他の情報も信用できなくなりますよね。
基本的に記者はリリースの内容をそのまま書くわけではなく、電話や対面の取材で確認をしてから原稿にするのですが、WEBメディアなど一部はそのまま記事にすることもあります。ですので世の中に情報を出す際は緊張感をもって、出来る限り確認作業を行うことをおすすめします。
新聞社ではよく「名数確認」という言葉を使います。原稿に出てくる氏名や団体名、学校名など固有名詞の漢字や、年齢など数値を、元の資料を声に出して読みながら誤記がないか確認する作業のことです。
これは一人ではできないので誰かに手伝ってもらうのですが、私もリリースに記載する学校名一覧、氏名一覧などは必ず別のスタッフに声をかけて読み合わせ作業をお願いしています。広報の仕事には、そうして入念にチェックし間違いがない情報を配信する責任があります。
あとがき
いかがでしたでしょうか。ふだんのリリースや資料の内容は独りよがりになっていないか、あらためて振り返るきっかけになればうれしいです。ほかにも気を付けるべきポイントはいくつもあるので、さらに詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。
【これまで担当した業界】人材研修・教育、人材コンサルティング、金融、省庁の外郭団体、地方のアンテナショップなど
【趣味】ボーカル活動(ゴスペラーズを輩出した大学アカペラサークル出身。オリジナルのポップスやジャズのバンドでライブ経験あり)、国内外の島巡り、ミニシアター系映画鑑賞、フルマラソン(2回完走)
【プチ自慢】2007年に滋賀県彦根市で行われた「世界一長いコンサート(連続184時間)」にアカペラで参加し、ギネス記録達成!