こんにちは。
共同通信や時事通信にアプローチする広報の方もいらっしゃると思いますが、「通信社」と聞いても記事がどのようなところに配信されるのかなどわからないことも多いのではないでしょうか。実際、PR会社である弊社内でも新入社員から質問されることが多いので、今回はあまり知られていない通信社の実態や裏側について説明いたします。
通信社の記事ってどう使われるの?
①通信社の役割って?
ふだん読んでいる新聞の記事は、すべてその会社が取材した記事だと思っていませんか。実は自社の記事だけで紙面を作成できる新聞はほとんどありません。
信濃毎日新聞や神戸新聞など、地方紙の紙面をご覧になったことがありますか。全国、海外のニュースも多く掲載されていますが、長野県や兵庫県など地方紙の取材網は主にその県内で、あったとしても隣県や東京に限られます。しかし国会の動きや他の県の大きな事件・事故の記事も読者に伝えなくてはいけません。そのときに使うのが全国、海外にも取材拠点を持つ通信社の記事です。
各社が通信社と契約するか、加盟社となり記事を買います。どのジャンルの記事も配信されるのが加盟社、スポーツなど特定のジャンルの記事だけ配信してもらう契約をしている新聞社もあります。
紙面を編集する整理部の記者は、共同通信などから送られる記事のバーコードを毎日コンビニの商品のようにピッと読み取り、原稿を取り込みます。地方紙は特に、自社の記事だけでは紙面をつくることができないのでこのように通信社の記事を使って編集しています。記事の最後に「(共同)」という記載があれば、それは共同通信の記事です(新聞によっては通信社の記事でも1面のみ「共同」の記載を外しています)。
②地方紙以外ではどこで使われているの?
通信社の記事は、地方紙だけでなく毎日新聞や産経新聞などの全国紙やスポーツ各紙でも使用されています。全国紙でも地方の支局のネットワークがすべて整っているわけではなく、自社が取材できていないネタを配信してもらうケースもあります。スポーツ紙も政治部という部署自体はなく、通信社の記事を使ってスポーツ紙風のキャッチーな見出しをつけています。記者の数は各社で激減しており、自社の体力がないと通信社の記事の割合は高くなります。テレビやラジオの番組にも通信社の情報が提供されています。
またJR山手線や新幹線といった公共交通機関でも、共同通信ニュースや時事通信ニュースを目にすると思います。
つまり通信社の記事は幅広くどの媒体、どの場所でも読まれやすいような記事を提供しなければいけないので、個人の署名を入れるようなルポルタージュなどの記事以外は、事実をストレートに中立に伝えることを意識して書かれています。
③共同通信と時事通信のちがいって?
共同通信と時事通信の記者は、地方の記者クラブではほとんど会う機会がなく、少ない人数で広い地域を担当して日々現場をまわっています。時事の記者はより広範囲を1人でカバーしており、共同よりさらに取材に来てもらうことが少ないといえるでしょう。現状は共同通信の加盟社の方が時事通信よりも多いですが、写真のみ時事のものを使用する、といった使い分けをしている会社もあります。
また時事通信は共同通信に比べて取材後に掲載される媒体が少ないという傾向は一般的にありますが、行政や経済の分野に強いなど特徴がいくつかあります。こうした強みを把握していればアプローチもしやすくなるのではないでしょうか。
何人か知り合いの通信社記者から「取材依頼をしようと『〇〇通信社です』と名乗っても、企業からNT〇などと間違えられる」「新聞記者と理解してもらえない」、という声を聞きます。しかし実態を知っていればアプローチ、記事掲載のチャンスが増えますよね。ほかにも通信社のアプローチのポイントはいくつもあるので、さらに詳しく知りたい方はどうぞお気軽にご相談ください。
【これまで担当した業界】人材研修・教育、人材コンサルティング、金融、省庁の外郭団体など
【趣味】ボーカル活動(ゴスペラーズを輩出した大学アカペラサークル出身。オリジナルのポップスやジャズのバンドでライブ経験あり)、国内外の島巡り、ミニシアター系映画鑑賞、フルマラソン(2回完走)
【プチ自慢】2007年に滋賀県彦根市で行われた「世界一長いコンサート(連続184時間)」にアカペラで参加し、ギネス記録達成!