交渉と聞くと、勝負のように相手を打ち負かしていくことや自身の提案内容を押し通していくような感覚をもって実践されている方もいるかもしれませんが、それは少し違います。
交渉はお互いに利益を受けることができ、納得のいくWin-Winの状態をどれだけ積み上げ、構築できるかということになります。
したがって、交渉や商談はマニュアルのように、決まっていることをそのまま実行したら絶対にうまくいくというようなものではなく、相手が求めていることをどれだけ理解し、コミュニケーションをとれるかが重要になります。そのコミュニケーションをより円滑にしていく為のスキルが“交渉術”になります。ご自身の強みを認識し、今までの経験を活かしていくことではじめてスキルが力を発揮します。
まずは自分に向き合い、自分自身を理解することで、ご自身の魅力や強みを理解するところから始めましょう。
それを基にスキルを身に付けていき、ご自身の交渉スタイルを確立していきましょう。
では、交渉術をご紹介していきたいと思います。
1、常にFor you精神で万事屋になる
交渉というのはあくまでプロセスですので、そのプロセスの中で相手の方と会う際には、企画を提案したり、PRのリレーションを築く為だけに会うのではなく、その相手のことを知り、相手の抱えている課題を解決することに全力を注ぐ意識で会うようにしましょう。
その意識を持つと行動自体が、自身のサービスの範疇外でも行動する万事屋さんや何でも屋さんになっていきます。その結果、「本当にこの人は自分の為を思って色々としてくれる素敵な人だ」という印象に変わります。そうなると、仕事としてだけでなく、人として好かれるようになるので、信頼関係の上にPRリレーションも構築される太い関係性もできあがります。
常に相手の立場に立ち、求めていることや困りごと、悩み、好きなこと等を把握しておき、その人のニーズを満たしてあげる人としてコミュニケーションや行動をし続けることが大切です。
2、得られるメリットや機会損失を具体的にイメージさせる
プレゼンテーションや商談となると、つい自身の提案したいサービスや担当しているクライアントの情報などを一方的にプレゼンしがちですが、求めていない相手やそのサービスの必要性に気づいていない相手にとっては、どんなに良いサービスや情報でも「ふーん」といった印象で終わってしまいます。
説明をする前に、相手のニーズに対しての一般論を基に、社会的な背景や世の中に求められているニーズ、場合によっては情報入手の機会損失に当たる状況や、その情報を取り上げることで得られる、世間からの反響等をイメージできるよう伝えます。そうすることで、提案内容が相手にとっては様々なリスクやマイナス要因を考慮しているような感覚になり、情報提供を受け入れた後の事を明確にイメージできるので、話が進みやすくなります。
3、松竹梅でカスタマイズして提案
信頼構築も継続し、しっかりと具体的なシミュレーションもしたけれど、中々、成就するところまでいかないという時は何か足りていない要素があるか、決めきれない何かがあるので、それを明確になるまでヒアリングしましょう。
原因が明確になればそれを補えるようにカスタマイズし、可能であれば、3パターン程の選択肢を松竹梅のように用意し、最高の松から提案してみましょう。それらは相手の懸念点をカバーしているので、プレゼンテーションが成功する可能性が高まると思います。
最後に
スキルも大事ですが、相手に寄り添い、コミュニケーションを積んで、どれだけ信頼関係を事前につくれるかがキーになってきます。
そこに常に意識を傾けつつ、相手のニーズを明確にしお互いがWin-Winの状態をつくるという前提で、今回ご紹介したスキルを試してみてください。
繰り返し実践していく中で、ぜひご自身の交渉スタイルに組み込んでいただけたら幸いです。