店舗や施設のオープン! TV密着取材を誘致する重要ポイントとは

東京オリンピックはパラリンピックを残し、まずは一息ついた形ですが、いまだに続く新型コロナウイルス感染拡大による損失は計り知れません。本来であれば新規にオープンしているはずの商業施設や店舗などでは、工事の遅れや事業計画の見直しなどの影響により、当初より開業時期が遅れているプロジェクトも多いかと思います。

今回は、そのような紆余曲折を経て、ようやく開業が決まった商業施設や新店舗などのオープン時におけるローンチの際に、PR訴求効果の高い“TVの密着取材”を獲得するためのポイントを、いくつか示したいと思います。

オープン密着取材 可能性のあるTV番組は?

商業施設や店舗がオープンするタイミングで、その裏側を密着した番組の企画をご覧になったことがある方は多いと思います。新施設や新店舗がオープンするといったニュースは、それ自体が話題性の豊富な案件でない限り、TVで紹介してもらうことは難しいですし、さらに密着取材となると、極めてハードルが高いPR活動になります。番組側にアプローチするにあたり、それなりの下準備は必須です。

まずは、対象となりうる番組を調べましょう。このようなケースでの密着取材の場合、対象番組は、いわゆる「経済系のレギュラー番組」や「夕方の情報・報道番組」になります。これらの番組を検索し、過去に紹介された事例を頭に入れることから始めましょう。

オープンまでのスケジュールを整理、撮影ポイントを時系列で示し相談する

密着取材を誘致する上で最も大切なことは、オープンまでの進行スケジュールの把握と整理です。ひとえに密着取材といっても、番組や企画内容、事案によって数か月から数週間に至るまで、取材に要する期間は異なります。オープン間際になって取材依頼を申し込んでも、オープン時のストレートニュース以外、時間をかけて取材・撮影いただく機会は生まれません。余裕をもって、早いタイミングで番組側にアプローチ、相談する必要があります。

番組へのアプローチの際に重要なことは、完成までの全体スケジュールを整理し、その中で、「いつ、どこで、どんな内容の撮影が可能か」という“撮影ポイントを具体的に示す”ことです。

撮影クルーは毎日、密着できるわけではありません。事前にポイントとなる撮影可能要素を提示し、ここぞというタイミングで撮影する企画構成を練ってもらう必要があります。密着取材を具体的に検討してもらえるか否かは、施設や店舗の話題性もさることながら、この事前の情報整理、情報提供に尽きるといっても過言ではありません。

主役となりうる“キーパーソン”を明示する

キーパーソンを明示

密着取材に必要な要素の一つに、「どんな人物が関わっているか」という視点も求められます。
企画の主人公になりうる人物を明示するわけです。現場の責任者であったり、プロジェクトの担当者、初めて大きな仕事を任された現場の担当者など、候補者は複数存在すると思います。密着取材の場合、準備から完成、オープンに至るまで連続して経過を追うことが多いので、多方面でプロジェクトにかかわる人物が主体となる可能性が高いです。

あらかじめ人物を想定して企画を持ち込むのも良いですし、複数の取材候補者を示し相談するのも良いと思います。いずれにせよ、仕事内容そのものを撮影されることになるので、ご本人からの協力は不可欠です。

オープンまでの苦労や物語性が大事

密着取材に共通して言えることは、いいことばかりを撮影しているわけではない、ということです。
主人公となる人物が、プロジェクトの中でいかに苦労して困難を乗り越え、周囲の協力に支えられながら、時に失敗も経験しながらオープンへとこぎつけるストーリー性が肝になります。撮影現場の中で、当初は想定していなかった出来事が発生してくる可能性は十分あります。

撮影する側とされる側で、どこまで踏み込んだ撮影協力が可能なのか協議しながら進めることも大事になります。現場のドタバタ劇も密着取材には必要不可欠な要素なので、そこは割り切りながら対応することが求められます。

可能ならば、記録映像を自前で撮影しておく

物理的にTVの撮影クルーがすべてを記録することは難しいと述べましたが、それを補填する映像素材として、自前で記録映像を撮影しておくことも、可能であればおススメです。撮影ポイントとなるタイミングや出来事があった際に映像に収めておくことで、後々、それが素材の一つとして活用される機会もあるかもしれません。過去にさかのぼって撮影することは難しいので、あまり気負わずに記録素材として残しておくと、PRに役立つかもしれません。

以上、TVの密着取材を誘致するうえで、大事なポイントをいくつか例として挙げさせていただきました。今後の参考になれば幸いです。

株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
            医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます