新たな年を迎え、「今年こそ大きなテレビ露出を獲得したい」と意気込んでいる広報担当の方も多いのではないでしょうか?
コロナ禍の影響で思うようにメディアリレーションができなかったり、リニューアルによって番組の方向性が大きく変わったりと、この一年でPRの難しさを感じることも多かったと思います。
そこで今回は、テレビ業界の2021年を振り返りつつ、2022年はどうなっていくのかについて個人的な予測を立ててみたいと思います。
1. 2021年のテレビ業界を振り返って
(1)バラエティー番組について
2021年は特にバラエティー番組で多くの改編があり、日本テレビ系の「アナザースカイ」「幸せ!ボンビーガール」「おしゃれイズム」「有吉反省会」「火曜サプライズ」「メレンゲの気持ち」、TBS系の「ぴったんこカン・カン」「爆報!THEフライデー」「教えてもらう前と後」「この差って何ですか?」「噂の東京マガジン」、フジテレビ系の「ダウンタウンなう」「超逆境クイズバトル‼99人の壁」、テレビ朝日系の「あいつ今何してる?」「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」「夜の巷を徘徊しない」など多くの名物番組や人気番組が終了しました。
これは、世帯視聴率より個人視聴率が重視されることになり中高年層から10代~40代に向けた番組作りにターゲットが変わったこと、新型コロナウイルスの影響でスタジオでの大人数の収録や外でのロケ撮影が難しくなったこと、制作費の削減などが原因になっていると考えられています。
その代わりにいま増えているのが、企業の全面協力による番組です。飲食チェーン店やコンビニエンスストア、食品会社のメニューや商品を食べ比べてランキング付けしたり、鉄道会社や遊園地・動物園のあまり知られていない裏側に迫るような内容です。新番組だけでなく既存の番組もリニューアルしてこのような内容に変更したケースが少なくありません。皆さんも最近こういった番組を目にする機会が増えたのではないでしょうか?
このような企業による全面協力の番組が増えたことによって、一部の企業ではテレビ露出の機会が急増しています。
(2)情報・報道番組について
情報・報道番組はバラエティー番組に比べて改編は少なく、TBS系では「はやドキ!」「あさチャン!」「グッとラック!」が終了し、「THE TIME’」「THE TIME,」「ラヴィット!」がスタート。フジテレビ系では「とくダネ!」が終了し、「めざまし8」がスタートしました。
TBS系の「THE TIME’」「THE TIME,」の両番組は中継を結んで全国の朝の様子を届けることをテーマに、「ラヴィット!」はニュース主体の「グッとラック!」から方向性を大きく変えバラエティー要素を強め他局との差別化を図ることで視聴者を獲得しています。また「めざまし8」は「とくダネ!」から続くニュースを主体にした構成はそのままにSNSの検索ワードランキングからネタをチョイスするなど新しさを取り入れています。
情報・報道番組全般的に言えることとしては、2020年から続くコロナ関連ニュース中心の構成は今でも変わりませんが、秋頃から感染者数が激減したことによってコロナ関連のニュースも少なくなり、通常運転に近い状態に戻りつつあります。
(3)番組制作体制について
2021年は前年から引き続きバラエティー番組、情報・報道番組問わずテレワークを導入しながらの制作体制になっています。
特にバラエティー番組ではその傾向が強く、アプローチするにも担当者が出社しておらず、直接話をするのが難しい状況が続いています。
また情報・報道番組でもコロナ禍の影響で局への立ち入りを禁止している所も多く、こちらもいまだにコロナ前のような直接訪問してのアプローチが難しくなっています。
2. 2022年のテレビ業界の展望
昨年の秋以降、新型コロナウイルスの感染者数は落ち着いてきていますが、いまだに収束は見えていないこと、番組出演者の見直しや内容のリニューアルには大きな労力が掛かり簡単には元の番組構成に戻せないことを考えると、バラエティーにおける企業協力型番組については今後も続いていくと思われます。またテレワークを主体にした制作体制についても簡単には元に戻さないように思います。
一方、情報・報道番組についてはコロナの感染状況によって今後どうなっていくのかが大きく左右されると思います。一時期に比べてコロナ関連のニュースは昨秋以降落ち着きつつありますが、オミクロン株の発生や年末年始の帰省などで多くの人が移動したことによって感染者数は増加傾向にあり、このまま第6波の到来となると、再びコロナ関連ニュースでいっぱいになることが予想されます。
3. まとめ
いかがだったでしょうか?
テレビ業界では今後もしばらくはコロナを意識した制作体制が続いていくものと思われます。
バラエティー番組を中心にメディアとのリレーションが取りにくい状況は続きますが、こんな時だからこそ「いつどのタイミングでどの番組にどんなリリースを配信するのか?」といった戦略が重要になります。
なかなか結果に結び付かないことも多いですが、番組がいまどんなネタを求めているのかリサーチを欠かさず、効果的なメディアリレーションを継続していきましょう。
【ニックネーム】 ナイトウォーカー
【これまで担当した業界】 食品・医療・美容・自治体関連・出版社
【趣味】 夜の散歩、温泉めぐり
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【プチ自慢】
テレビディレクター時代に、レオナルド・ディカプリオやミラ・ジョヴォヴィッチなどハリウッドスターのインタビュー取材をしたこと