メディアに取り上げられたらOK?広報担当者が陥りやすい落とし穴

「一生懸命作ったプレスリリースがメディアの目にとまり、ついに自社商品が念願のテレビ番組で紹介された!」
これは広報担当者にとってとても喜ばしいことですが、メディアに取り上げられたことだけで満足してしまい、本来のPR・広報活動の目的を忘れてしまっているケースというのも少なくありません。
そこで今回は、広報担当者が陥りやすい落とし穴と、PR・広報活動の目的を再認識する重要性についてお話ししたいと思います。

1. PR・広報活動の目的とは?

そもそも企業や個人に関わらず、PR・広報活動を開始する際には、「こういう結果に繋げたい」という何かしらの目的があるはずです。
PR・広報活動の目的には主に以下のようなものがあります。

① 認知向上による売上アップ

PR・広報活動の目的のなかでもっとも多いのが、認知向上効果による売上アップではないでしょうか?
メディア露出を通して自社の商品やサービスの認知度が高まるだけでなく、好意的な情報がメディアから発信されることで好意度が高まり、消費者の購買意欲を高める効果が期待できます。

② 採用活動における人材確保

企業の認知度は、採用活動において非常に大きなメリットになります。メディアに取り上げられることで、その企業の認知度だけでなく信頼度も高まるため、より質の高い人材が集まりやすくなります。
また、より採用に関係する情報をメディアを通して発信できれば、応募者の興味関心も高くなり、内定辞退の防止にも繋がります。

③ 従業員のモチベーションアップ、離職率の低下

PR・広報活動の効果は、社外だけでなく社内においてもプラスの効果があります。
基本的にメディアは社会的に信用のない企業は取り上げません。そのため、メディアに取り上げられることは「この会社はちゃんとした会社です」という証明にもなり、従業員のモチベーションがアップし、自社に対して愛着を持ちやすくなります。
最近は社員の離職に悩んでいる企業も多いですが、離職率の低下も期待できます。

2. メディア露出は「目的」ではなく「手段」である

このように、PR・広報活動を始める際には様々な目的があるわけですが、なぜ多くの広報担当者は本来の目的を忘れ、メディア露出の獲得だけに意識が向くようになってしまうのでしょうか?

それには、「広告に比べてすぐには効果が現れにくい」というPR・広報活動の特徴が大きな要因になっているように思います。

影響力の高いテレビ番組に商品やサービスが紹介されたことで、一時的にわかりやすく売上がアップするケースもありますが、基本的にPR・広報は長期的なブランディングが必要で、直接的な効果がすぐに現れるわけではありません。
PR・広報は好感度や信頼度を向上させるための手法であり、消費者の信頼を得るにはメディア露出を積み重ねていく時間が必要なのです。

そのため広報担当者は、本来の目的を見落としやすく、メディア露出を獲得すること自体が目的になってしまうのです。

メディア露出はあくまで「手段」であり、PR・広報の「目的」ではないことを改めて認識していただけたらと思います。

3. マイナス効果のメディア露出もある

メディア露出自体が目的になってしまうことの弊害として、メディアに取り上げてもらうことが最優先になり、「どのような内容で取り上げられるか」という部分にまで意識が向きにくくなるというのがあります。

もちろんメディアに取り上げてもらうことは重要ですが、それは自分たちにとって「よい取り上げられ方」をする場合に限った話です。

もちろんメディアも「企業にとってマイナスな情報を取り上げよう」と意地悪なことを考えているわけではありませんが、時には聞かれたくないことを聞かれたり、触れてほしくない部分に触れてくることがあります。
それがメディアのジャーナリズムであり、「メディア=宣伝してくれる人」ではないということを広報担当者はしっかり理解しておくべきです。

特にPR・広報活動を始めたばかりの企業や新人広報担当者は、メディアから取材依頼があった際に手放しに喜びがちですが、本当に自社にとってプラスになる内容なのかを見極め、もしマイナスになるようであれば、時には取材を断る勇気を持つことも大切になります。

4. まとめ

いかがだったでしょうか?
今回は、メディア露出の獲得に一喜一憂するのではなく、本来のPR・広報の目的を改めてしっかり認識し、その内容に沿って活動を進めて行くことの重要性についてお話ししました。

露出件数や広告換算額にどうしても意識が行ってしまうのは、広報初心者だけではないと思います。

この機会に、PR・広報活動によって何を実現したいのか、その目的を改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか?

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【ニックネーム】 ナイトウォーカー
【これまで担当した業界】 食品・飲料・医療・美容・自治体関連・出版社
【趣味】 夜の散歩、温泉めぐり
<個人的おすすめ温泉BEST3>
1、宝川温泉(群馬) 川沿いの絶景露天、紅葉や雪の時期が最高です
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