テレビ露出は「即レス」と「豊富なネタ提供」が肝!

10月30日、NHKで土曜日の朝9:00〜9:30に全国放送されている報道番組『週刊まるわかりニュース』でニットと忘年会をサポートさせていただくお客様を取り上げていただきました!
実は、NHKの方よりご連絡いただいてから、わずか3日で放映という広報としてもスピードを求められるオファーでした。

そこで今回は、ニット広報の立場でどのような工夫をし、取材に結び付けたのか、またテレビの取材対応から学んだことをお伝えいたします。

NHK出演までの流れ

時系列

<10月27日>
①昼→番組のディレクターさんからニットへ着電
②夕方→番組で取り上げる予定のお客様(サンゴバン様)に出演許可を頂く
③夜→翌朝にニット社長+営業の取材スケジュールを押さえる
④夜→商談シーンの撮影にご協力いただきたい旨を、上記とは別のお客様にお伝えし承諾を頂く

<10月28日>
⑤9:30〜→ニット@五反田オフィスで撮影

<10月29日>
⑥9:00〜→サンゴバン様@長野工場で撮影

<10月30日>
⑦9:00〜→番組放送

出演の打診があってから、関係各所との調整が完了するまで

最初、当社の代表電話にNHKのディレクターさんからお電話が入りました。「御社のオンライン忘年会の記事を見ました。10/25に、忘年会を中止する企業が7割というデータが発表されたのですが、新しい形での忘年会を取材したいのですが、可能ですか?」と。

スムーズに話を進めるうえで、重要なのはスピードです。番組から最初に連絡を頂いた時点で、先方の意図を理解するために徹底的にヒアリングを行いました。番組の特性を踏まえ、放送のタイミングや、放送の尺、ニットに出演者として求めることや、絶対に外せないポイントなどを確認します。

今回は【オンライン忘年会を初めて実施する企業の絵】が必須だと思い、企画にマッチするであろう企業様を候補として複数社挙げたところ、サンゴバン様が最適という結論になりました。番組とのやりとり後すぐにサンゴバン様へご連絡し、出演を打診。ありがたいことに、即座にお返事を頂けたおかげで、、10/29に取材の予定を組むことができました。

実は、ニット以外の企業も出演者候補として挙がっていたようですが、ニットと電話でやりとりをしたその日の夜に決定しました。番組の趣旨を理解しようという姿勢と、それを踏まえた提案が、最終的に選んでいただけた理由の一つなのではないかと感じています。

商談シーンの撮影にご協力いただきたい旨をお客様へ依頼

今回の企画のテーマは「オンライン忘年会」。しかし、忘年会が実施されるのは12月なので、実際の様子を撮影できないことが課題として挙がりました。企業へのインタビュー風景の他に、視聴者に興味を持ってもらえるような「絵」を用意する必要があります。

そこで、知り合いの経営者の方が「オンライン忘年会について知りたい」という声があったため、営業がその企業様に説明するシーンも撮影いただきました。

ニットの五反田オフィスでの撮影前日〜当日

事前準備として、オンライン忘年会の様子を伝えるために、資料や過去回の写真などを用意。加えて、滞りなく撮影できるよう、社内のスペースを確保しておくことや、資料を投影するモニターなどを準備しておくことも忘れてはいけません。

撮影当日は、まず番組のディレクターさんとアナウンサーさんに向けて「オンライン忘年会とは?」という内容をお伝えしました。その前提の部分を共有できていた方が、スムーズに進行できると思ったからです。

資料を投影するモニターなどを準備しておく

その後、撮影の段取りを決めていきます。その際に、構図やインタビュー項目、使用する資料などについてすり合わせを行いました。
打ち合わせが完了したら、ついに撮影スタート。最初に、ニットの営業担当者への取材が行われました。ニットでは、企業がオンライン忘年会を実施する際の運営サポートを行っています。その詳細や、お客様に見られる状況の変化などについてお伝えしました。

その後、実際に営業担当者がお客様へ提案するシーンを撮影。商談はZoomで行われました。
最後に、ニット代表取締役社長の秋沢崇夫が、オンライン忘年会を実施することの価値や、最近の動向、お客様から頂いた声などをお伝えしました。

社長と営業担当者に対して、取材意図としては、「オンライン忘年会」を実行する意義を世の中に発信していきたい、という前提の元、社長には、オンライン忘年会をやる経営上のメリット、社員のエンゲージメントアップなどを伝えてもらえるように準備をしました。また、営業担当者には、オンライン忘年会に関するお客様からのお問い合わせ数、相談内容、顧客属性などを話せるように準備をお願いしていました。

営業担当者がお客様へ提案するシーンを撮影

サンゴバン様の長野工場での撮影当日

サンゴバン様は長野県諏訪市にある企業です。東京から電車で3時間半、車で2時間半ほどの場所に工場があります。番組制作者の方々は6:30に渋谷を出発し、ロケバスで直接現地に向かわれるとのこと。ダメ元で「私も同乗して良いでしょうか?」とお願いしてみたところ、少し驚かれたものの、快く承諾してくださいました。

実は、サンゴバン様とはオンラインでしかお話ししたことがありませんでした。それだけに、対面でお会いできた瞬間は感無量。早速、工場の様子を撮影し、工場長のオンライン忘年会実施に対する思いや期待、過去に開催したリアル忘年会の様子などをお話しいただきました。

撮影中、私は基本的には聞き役に回っていましたが、スムーズに取材が進むよう所々補足情報をお伝えしました。また、撮影前後でも、お客様とのさまざまな会話を通じて親睦を深めました。撮影後は、諏訪湖を撮影。この絵があることで、放送時に「諏訪感」を演出できるのだとか。「なるほど!」と思わず膝を叩いてしまいました。

撮影データを東京本社へ転送する間、制作スタッフの方々とランチをしました。番組の作り方や、メディアが抱えている課題についてもお話を伺うことができ、非常に有意義な時間となりました。

撮影データを東京本社へ転送する間、制作スタッフの方々とランチ

ニットのテレビ出演が決まった背景

①オンライン忘年会の記事をこれまで多く発信していたこと
②日経新聞や朝日新聞、TBSなどの露出実績をHPに載せていたこと
③スピード感があったこと

①番組ディレクターさんの【リサーチ段階】

オンライン忘年会にまつわるコンテンツを積極的に発信し、Googleで「オンライン忘年会」と検索したら上位に表示される状態をつくれたことが大きいと思います。例えば、オウンドメディアや寄稿させていただいているメディアでオンライン忘年会を運営する際のコツや、運営をサポートするサービスリリースのお知らせなどを発信してきました。

自社の取り組みを発信しない限りは、取材のオファーがくることはないでしょう。先進的な取り組みを行っていたとしても、その事実をメディアの方が知る機会がないからです。だからこそ、発信し続けることは企業のPRにおいて大きな意味を持つと考えます。

②ディレクターさんがニットに【興味を持つ段階】

特に、まだ知名度の高くないベンチャー企業を取り上げる場合、メディアの方は「この会社をテレビで放送しても問題ないだろうか……」と不安に感じることもあるでしょう。そうした不安を払拭するためにも、自社のコーポレートページには信頼獲得につながる実績を載せておくことをおすすめします。

ニットの場合は、日経新聞、朝日新聞、TBS、テレビ朝日、マイナビニュース……などの露出実績を掲載していたことも、番組から出演オファーを頂けた理由の一つなのではないかと思います。

③ディレクターさんがニットに【問い合わせる段階】

問い合わせまできたら、あとはスピードと配慮の勝負です。広報担当者としての瞬発力と提案力が鍵となるでしょう。

以下は、私が広報担当者として大事にしていることです。

▼瞬発力
・電話には即座に、必ず出る
・メールは秒で返す

▼提案力
・相手の意図を汲む(まず傾聴に徹する)
・相手の特徴をつかむ(話のトーン、リーダーシップなど)
・番組の特性を分析する
・ニットの引き出しを準備する
(対応に当たるメンバーの選定やスケジュール調整、資料作成など)
・押して、押して、押して、引いて、グッと押す

ベンチャー企業がテレビ露出する3つのポイント

◆テレビ露出のポイント
①スピード
②絵になること
③一緒に創り上げていくこと

テレビに出演するうえで、新聞やWebメディアへの露出時以上に、上記3つが重要視されると考えます。

①スピード

今回、問い合わせから放送まで3日でしたが、これでも余裕がある方だと思います。報道系だと、朝撮って、夕方に放送というケースもざらにあります。「ニュース」というだけに即時性は重要ですよね。

だからこそ、テレビから取材の依頼があった時にはスピード第一で行動しています。ミーティング中なら途中退席、電車で移動中なら途中下車。夜中であろうと対応します。レスが遅れることでせっかくの機会を逃したくないからです。

②絵になること

新聞や雑誌、Webメディアの場合は、取材後でもある程度は軌道修正ができます。例えば、取材時に必要な情報を提示できなかったとしても、後から記者の方にお送りすることが可能です。

しかし、テレビはあくまでも一発勝負。撮り直しはほぼ不可能であるといえます。撮影後に「あのシーンも撮っておけばよかった」「あのシーンでもっと違う言い回しをすればよかった」と嘆いても後の祭り。そうならないためにも、きちんと構想を練ったうえで準備しておくことが重要です。

加えて、テレビでは伝えたい情報を全て「絵」と「音声」で表現しなければなりません。だからこそ、広報担当者としては、取材当日までに可能な限り「材料」を用意しておくべきでしょう。

③一緒に創り上げていくこと

番組制作者は、番組作りのプロであって、番組で取り上げる題材についての専門家ではありません。今回でいうと「オンライン忘年会」の専門家ではないのです。

それをきちんと理解したうえで、専門家として出演オファーを受けた側が、きちんと情報をお伝えしながら、共に番組を作っていくという姿勢が重要です。今回のケースだと「オンライン忘年会」とは何か、実施することでどんな効果があるのか、どうメッセージを出していくべきかをお伝えする必要があるでしょう。

広報として番組制作に携わるということ

番組制作と料理は似ています。イメージとしては、材料用意するのは広報担当者の仕事。それを料理するのが番組制作者の仕事だと思っています。素材が多いほど、作れる料理の幅も広がるでしょう。

最終的に、準備した材料が使われなくてもいいんです。材料を使うか使わないかを決めるのは、番組制作者の仕事。私たち広報担当者は、できる限り多くの材料を用意し、撮影するだけしてもらうことが、コンテンツの完成度を上げることにつながると信じています。

執筆者プロフィール

株式会社ニット(https://knit-inc.com/
小澤 美佳

リクルートで10年間、営業マネージャーやリクナビ副編集長として勤務した後、中米ベリーズへ移住し起業。2019年に株式会社ニットに転職し、2020年7月より広報担当となる。副業で大学の非常勤講師として、キャリアや就職の授業を担当。
Twitter:@mica823