皆さん、こんにちは。
ロート製薬で広報をしています、柴田春奈です。
この度、ご縁をいただき私のお話をさせていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
ロート製薬での広報とは
日頃、他社の広報の方とお話をすると「ロート製薬さんは歴史もあって、大手だし、羨ましいです…!」といただくことが多々あります。
確かに今年、創業122年を迎えました。ありがたいことに、目薬などのOTC医薬品※1や化粧品を中心に多くの方に愛されるブランド・商品がたくさんあります。また最近では再生医療や食などにも事業領域を広げながら、人々の健康だけでなく、社会の健康をも考え、取り組みを多々行っている会社でもあります。
※1「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略。
処方箋なしに、薬局やドラッグストアなどで買うことのできる「要指導医薬品」と「一般用医薬品」のこと。
そんな会社で気づけば広報も5年目。ジョブローテーションの多い社内では、歴が長いメンバーになりました。それでも正直なところをお話しすると、社会の変化とともに、会社も大きく変わるなかで、広報も試行錯誤です。
私は社内外広報を広く担当し、対外発表用のリリース作成や記者会見準備や運営、記者さんとのリレーションや取材対応はもちろんのこと、社内広報として社内報(冊子)やWEBメディアの記事の作成も行っています。さらにコーポレートサイトやFacebookなど一部のSNSを運用したり、公式note編集部メンバーでもあります。
ロート製薬をどのようにお伝えしていこうか?と、社内のあらゆるお話を、手法を問わず発信しながら、コミュニケーションのきっかけ作りを行っています。
私が持つ、もう一つの顔「ベンチャー組織の広報」
実は私は、以前に赴任をしていた東北・宮城でのご縁から、複業としてNPO法人アスヘノキボウが行う事業VENTURE FOR JAPANで広報なども行っています(ロート製薬では複業もOKです)。
VENTURE FOR JAPANでは主に学生さんへ向けSNSを中心にした発信やイベントの実施はもちろんのこと、企業の経営者さんとの面談などを行っています。ベンチャーがゆえ、広報以外のことも行っています。
それぞれ楽しいことばかりではないですが、ささやかでも「広報って楽しいな」と感じる出来事が次へのエネルギーになっています。
今回は、2つのフィールドで広報として歩む私の等身大のお話から、会社は違えど、共に同じような仕事をする者としてつながりや気づき、行動のきっかけになったらうれしく思います。
なお、今回の記事はあくまでも私、一個人のお話です。ロート製薬やVENTURE FOR JAPANの仲間も、さまざまなところでお話ししています。こんな人もいるんだ、とお付き合いください。
それぞれの違いは「活かし」、互いをファンに
広報PRとして老舗とベンチャーで活動をしている…というと、違いについてのご質問をいただくことも多いです。
いろいろと浮かびますが、やはり一番は「認知の有無」でしょうか。言わずもがなですが、たくさんの情報で溢れかえっている時代に、確実に知ってもらえる方法はそう多くありません。だからこそゲリラ戦のように、さまざまな手法を通じて、届けたい人に届けていくことに尽きると思っています。VENTURE FOR JAPANは学生や20代の第二新卒の皆さんに向けて、就職先の一つの選択肢として認知してもらいたい、との想いもあり、軸は定めながらもさまざまな角度からのイベントを交えた活動をしています。
ちなみに一定の認知があるロート製薬でも課題はたくさんあるんです。目薬・鳩・CM…などの強いイメージはありますが、商品ブランドと企業ブランドを強く結びつけたマーケティングをしてこなかったがゆえ、肌ラボ・オバジ・メンソレータムがロート製薬の商品であると認識してくださっている方はそう多くありません。また再生医療や食事業など、新規事業においてもまだまだ認知は低く、認知・イメージを変えていきたい、との想いも強いです。
だからこそ組織として発信をしながらも、私自身がTwitterやnoteなどのSNSを通じた発信をしてます。「柴田春奈」との人物からそれぞれを知っていただくきっかけができたら…との思いがきっかけです。
ちなみに、一つの組織で頑張ることも大切ですが、互いに籍を置くことでの相乗効果も多くあると感じています(もちろん本業で頑張ることは大前提です)。私の中での引き出しが増え、循環させることができることはその一つです。複業においては、さまざまなメリットがあげられていますが、個人的にはここが一番大きいと思っています。
ロート製薬では2016年から複業を解禁しています。制度を活用する一人の身として、背景にある想いをお伝えすることで、ロート製薬の新たな一面を知っていただきながら、VENTURE FOR JAPANも知っていただく。
メディアの方々とのご縁はもちろんのこと、所属は関係なくそれぞれをきっかけに出会う方々との対話を通じて、少しずつでもそれぞれの認知やファンを増やしていければ、と思っています。直接お話しさせていただくと、私の想像以上にそれぞれの魅力が伝わるようで、時に「感動しました!」といただき逆にありがたいな、と思うことも。
組織は異なっても変わらない「広報」の存在
もちろん組織が異なる以上、それぞれの当たり前が通じないことにはもどかしさ、葛藤もあります。それでも本質は変わらないな、と感じています。
未来や社会のために…と想いを掲げるトップとともに、それぞれの現場で頑張るメンバーがいること。また一社でできることも限られるがゆえ、私たちの想いに共感してくださる方々ともに歩みたいとの願いを持っていること。そして最終的に生まれたものそれぞれに届けたい相手がいること。
広報はさまざまな方向を見ながらも、各現場で事実や想いに寄り添い、時に客観的に相手との架け橋をつくる役割。届けたい人の生活や価値観などを自らで掴み、仮説を立てる。それをもとに、まずは小さくても動いてみることが全てではないか?と考えています。
例えばロート製薬では、研究や商品企画、工場のラインなど生産現場に関わるメンバー一人ひとりが、一つひとつ真剣に向き合い商品がつくられます。すでにたくさんのものが溢れている社会において、どのようにしたら、届けられるのか。社内のメンバーと話をする際には、客観的な視点でたくさんの質問をしながら伴走することもあります。
とはいっても、人にはたくさんの矛盾がある通り、私自身もそう完璧に過ごしているわけではありません。理想と現実の間で揺れている日々を過ごしています。それでも時に社外の方から「ロートさん、いい会社ですね!ファンになります!」、「使っていた商品をこれからも使い続けますね!」と、社内のメンバーから「広報してくれてありがとう!」、「次の話も相談したいんだけどいいかな?」の言葉。
思い描く理想はまだまだ先ですが、このようなたったの一言でもいただくきっかけを地道につくり続けることだな、と思ってこれからも仕事をしていきます。
次回は私が実際に122年のロート製薬でどのような想いを持って仕事しているのか、実は知られていない一面をお伝えする取り組みや社会とつながる働き方にも触れながらお話したいと思います。お付き合いいただき、ありがとうございました。
執筆者プロフィール
ロート製薬株式会社(https://www.rohto.co.jp/)
特定非営利活動法人アスヘノキボウ(https://ventureforjapan.or.jp/)
柴田春奈(しばた・はるな)
Twitter:@harunacco126