弁護士のための専門家ブランディング戦略

なぜ弁護士にブランディングが必要なのか?

インターネットやSNSの普及により、法律事務所の情報は簡単に手に入るようになりました。

検索エンジンで「離婚 弁護士」「相続 トラブル」などのキーワードを入力すれば、数多くの弁護士が表示されます。
この環境下で選ばれるためには、「専門性の可視化」と「信頼の獲得」が鍵を握ります。

多くの依頼者は、弁護士を選ぶ際に専門性と実績の明示、人となりが伝わる情報発信、相談しやすさのアピールあたりを重視しているかと思いますが、これらを以下のように3つのアプローチを戦略的に打ち出すことで、依頼者に「この弁護士なら安心できる」と感じさせることが可能になります。

専門性を効果的に伝える3つのアプローチ

1. ポジショニング戦略に基づいた「強み」を明確にする

多くの弁護士が存在する中で選ばれるためには、「自分がどのような専門領域で、どのような価値を提供できるか」を明確にすることが重要です。
単に「法律相談を受けます」とアピールするだけでは、他の弁護士と差別化できないことは言うまでもありません。

以下の3ステップで、あなたの強みを具体化し、依頼者に伝わるポジショニングを構築しましょう。

(a)専門分野を特定する

「何でも対応できる弁護士」よりも、特定の分野に精通した弁護士の方が依頼者の信頼を得やすくなります。
自身の実績や経験を振り返り、強みを持つ分野を明確にしましょう。

• 企業法務:スタートアップ支援、M&A、コンプライアンスetc

• 家事事件:離婚調停、親権争い、財産分与etc

• 民事事件:不動産トラブル、交通事故、消費者被害etc

特定分野に特化することで、依頼者から「この問題ならこの弁護士」と認識され、依頼が集中しやすい基盤を築けます。

(b)ターゲットを明確にする

専門分野が決まったら、次は「どのような依頼者にアプローチするか」を明確にします。ターゲットが明確であるほど、メッセージは刺さりやすくなります。

ターゲット設定例
• 中小企業の経営者:契約トラブルや労務問題を迅速に解決etc

• 離婚を考えている女性:親権や財産分与に強い交渉力をアピールetc

• 不動産オーナー:賃貸トラブルを迅速かつ円滑に解決etc

ターゲットに合わせた発信を行うことで、「自分の課題解決に合致した弁護士」と認識され、選ばれる確率が高まります。

(c)専門の強みを打ち出す

他の弁護士と差別化するために、あなた独自の強みを明確にし、積極的に伝えましょう。

• 「企業法務20年以上の経験と実績」
• 「離婚案件に特化」
• 「不動産トラブル解決に特化」
etc

強みを明確にし、WebサイトやSNS、名刺、セミナー資料などあらゆる接点で一貫して伝えることが、ブランディング成功の鍵となります。

2. メディア&SNS露出(取材、専門的なもの~より多くの人に読まれるように工夫したコラム執筆)

弁護士が専門家としてのブランドを確立するためには、メディア露出が欠かせません。
テレビ、新聞、雑誌、オンラインメディアなどに登場することで、幅広い層への認知拡大と信頼構築が可能になります。

ここでは、効果的なメディア戦略を実践するためのステップを紹介します。

(a)ターゲットメディアを選定する

すべてのメディアに露出する必要はありません。
自分の専門性とターゲット層に合致したメディアを選ぶことが重要です。

• 企業法務が専門 → ビジネス誌・経済メディア(例:『日経ビジネス』)

• 家事事件が専門 →一般週刊誌・生活情報誌(例:『週刊朝日』『プレジデント ウーマン』)

• 消費者トラブル → テレビの情報番組、Webニュース(例:Yahoo!ニュース)

ターゲットとする依頼者が日常的に接触しているメディアをリストアップし、積極的にアプローチを行いましょう。

(b)メディアに刺さるテーマを企画する

メディアが求めるのは、読者・視聴者に有益で、かつタイムリーな情報です。専門性を活かしつつ、社会的な関心が高いテーマを打ち出しましょう。

好まれるテーマ例
• 法改正に関連した解説(例:「相続法改正が家族に与える影響とは?」)

• 話題のニュースに対する法的見解(例:「SNS誹謗中傷と法的責任の最新動向」)

• 実務に即したアドバイス(例:「離婚調停を有利に進めるための3つのポイント」)

3.出版戦略(専門書~ビジネス書~エッセイ的なものまで)

(a)書籍の目的、ポジショニング

例1【ストレートな専門書】
『知財相談ハンドブック』
例2【自身の専門を一般読者に読みやすく構成した書籍】
そのブログ! 「法律違反」です』(amazon)
例3【エッセイ的なもの】
弁護士はBARにいる 悩める社長の法律トラブル対策』(amazon)

(b)書籍PR、販促、広告などのマーケティング戦略を発売前から準備し、

(c)書籍きっかけで、自身の専門分野のテーマでイベント、カンファレンスなどに積極的に登壇参加し、書籍とともに自身を広報する。

(d)SNS(YouTube、X(旧twitter)、Instagram、facebook、LINE)などを活用した集客導線コンサルティングを専門家に依頼し、導入する。

以上の活動を通じて、顧問先開拓、拡大のため、書籍を有効活用するのがおすすめです。

まとめ

弁護士が依頼先をオーガニック増やすためには、専門家ブランディングが不可欠です。
特に「メディア露出」、「出版」の両輪を活用することで、信頼性を高め、他の弁護士との差別化を実現できます。

専門性を軸にした情報発信を積極的に行い、依頼者に選ばれる弁護士への道を切り開きましょう。

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