PRマガジンAWARD2022受賞インタビュー、SNSをきっかけに国内外でファンが急増!大手異業種からもコラボ依頼が入る長崎バイオパークの次なるチャレンジとは

編集長:神近さん、第3回PRマガジンAWARD「ベストPRパーソン」受賞おめでとうございます!

今回、表彰させていただいた理由は3つあります。

【1】チャレンジ精神のあるPR展開
【2】SNS運営会社からも注目される存在になっていること
【3】自社だけではなく、日本全国の動物園を盛り上げる取り組みに積極的なこと
これらの理由から、今回、表彰させていただくことになりました。

神近さん:ありがとうございます。こういった賞をもらうのは初めてですし、嬉しいです。日々、目の前の課題解決に取り組んでいますが、こういった賞をもらえるのは、長崎バイオパークの認知が上がった表れだとも思います。

“すごいSNSアカウント”としての取材が増加

編集長:昨年12月に、長崎バイオパークの取材をさせていただきましたが、それ以降、何か変化はありましたか?

SNS動画活用でメディア取材も来園者数も増加!流行りを取り入れ、結果からPDCAを回す長崎バイオパークのSNS運用術とは?

神近さん:長崎バイオパークの施設取材だけではなく「長崎バイオパークのSNSがすごい!」という取材が、テレビなども含め、この半年だけでも5件は入っています。

編集長:これはもともと狙っていた感じですか?それともSNSを強化した結果という感じでしょうか。

神近さん:これは狙っていたわけではないので、結果ですね。ただ、起こった事象をどう生かすかということを常に考えているので、SNSがすごいと思っていただけていることをさらに生かす方法については考えています。今回の受賞もリリースも出したいと思っています。

編集長:ぜひ!御社のPRに活用いただけるのは嬉しいです!
ちなみに、どのSNSも非常にフォロワーや登録者数が多いですが、なぜ、こんなに長崎バイオパークのSNSが評価されていると思いますか。

神近さん:登場するのが動物だけではないということもあると思います。飼育員であったり私だったりが登場することでリアクションや感情が伝わり、共感してもらいやすいコンテンツになっているのではないかと。
以前は、動物だけを出していたのですが、「人」を一緒に出す今のスタイルにしてから、万人受けするコンテンツではなくなったと思いますが、よりファンになってくださる方が増えたように思います。しばらくはこのスタイルを継続する予定です。

長崎バイオパーク公式YouTubeトップページ

長崎バイオパーク公式YouTubeトップページ

編集長:全国的に注目を集めるようになったことで、社員の方から、自分もSNSに関わりたいといった声が増えたのではないでしょうか。

神近さん:それはあまりないのですが、採用でSNS関連の業務を希望される方は増えました。また、業界内での知名度も上がっているので、飼育員などを希望し応募してくださる方も増えています。

TikTokのフォロワーは9割が外国人~海外の流行りを意識したコンテンツを製作

編集長:コロナも5類感染症に移行して、東京は修学旅行生や外国人観光客が増えた印象ですが、長崎バイオパークの来場者数はどうですか。

神近さん:順調に伸びています。ゴールデンウィークが雨ばかりだったので、短期的にはその影響もありましたが、その期間以外は順調です。外国人観光客もかなり増えています。現場での英語対応をどうするか、もっと考えていかなくてはいけないなと思っています。

編集長:外国人観光客の増加は、やはりYouTubeやTikTokの影響ですかね。

神近さん:元々、YouTubeは海外のファンの方が非常に多かったのですが、だんだんとターゲットをかえて、今は国内向けに展開しています。そういう意味では、今はTikTokが外国の方向けに発信しているSNSになります。

長崎バイオパーク公式 TicTok

長崎バイオパーク公式 TicTok

編集長:TikTokを見ている方も外国の方が多いのでしょうか。

神近さん:はい、90%くらいが海外です。なので、ライブもやっているのですが、私も英語でやり取りするようにしています。

編集長:なぜまたTikTokを外国の方向けに?

神近さん:戦略的に海外の方を伸ばそうと思ったときに、TikTokは日本もさることながら海外ですごく流行っているので、海外向けコンテンツとして活用していこうと考えました。ですので、私もTikTokではあまり日本語を話しませんし、日本の文字もそんなに使いません。日本の流行りを追いかけず、海外で流行っている音楽を取り入れるなど、コンテンツ制作も海外を参考にしています。

編集長:海外と日本では、TikTokの流行りにタイムラグがありますか?それとも全然違うという感じでしょうか。

神近さん:タイムラグがあるものもあるし、海外の流行りだけで終わってしまうものもありますね。

編集長:神近さんは、そういう海外の流行りをどうやって収集しているのですか。

神近さん:海外のインフルエンサーを探して、時々見ては、使用している音楽をマネして動画をつくったりしています。音楽は、海外で流行ったものが少し遅れて日本でも流行りますよね。海外の流行りも追っていますが、日本のインフルエンサーが海外の流行りをおさえた動画なども参考にさせてもらっています。音源も参考にしていますが、そこから、そのインフルエンサーが使ってる音楽を1個1個チェックしたり、ミームをチェックしたりもしています。

カピバラは海外でも人気!音源とハッシュタグを意識した動画を連投で話題に

編集長:海外のトレンドを活かしてTikTok動画で最近反響が良かったのはどんな動画ですか。

神近さん:インドネシアでカピバラは「マスブロ」と呼ばれているのですが、一時期「カピバラ カピバラ カピバラ カピバラ~♪」という音楽がすごく人気だったんですね。その時期はとにかくカピバラの動画にマスブロというハッシュタグだけを入れて投稿していました。 もうしつこいぐらいに(笑)

@nagasakibiopark

Masbro.#長崎バイオパーク #カピバラ #cpybara#капибара

♬ Capybara – Сто-Личный Она-Нас & BETSY

編集長:面白いですね~。

神近さん:こんな動画でも再生してくれるんですよね。(笑)それがTikTokの面白さでもありますね。

編集長:TikTokをきっかけに海外の方にも興味を持ってもらえて、長崎バイオパークに来場するきっかけになっているかもしれないですね。

神近さん:そうですね。特に、カピバラはインドネシアでも流行ったみたいですが、その前は台湾や香港、韓国などアジア圏で定期的に流行るんです。アジア圏から日本にいらっしゃる方も多いようなので、その人たちにアピールするには極めていいSNSだと思っています。

編集長:長崎に行ったらバイオパークに、という方も多いかもですが、海外の方が日本にいらっしゃるきっかけにもなっているかもしれませんね。

神近さん:たしかに最近、そういうコメントも増えました。
「(海外の方から)長崎バイオパークに行きたいです」とか「日本に行ったら長崎バイオパークにぜひ行きます」とかも多いです。YouTubeは最近、日本人向けのコンテンツばかりですが、海外の方からコメントやチャットもいただくのでTikTokだけではなく、SNSが長崎バイオパークに興味を持っていただけるきっかけになってるのではないかと思っています。

YouTubeメンバーシップでコミュニティ形成へ

編集長:今、新たに始めようと思っているSNSなどありますか。

神近さん:一番有力なのは、YouTubeメンバーシップです。

編集長:それはどういった考えからですか。

神近さん:FOLLOW MEというコミュニティSNSがサービスを終了してしまい、それに代わるコミュニティ形成できるSNSとして一番適切ではないかと思い、検討しています。

YouTubeメンバーシップは、飼育員のオフショットなど、普段園内や他のSNSではみることのできないシーンをあげていこうと思っているのですが、基本的にはコアなファンだけに観ていただければよいかなと思っています。逆に言うと、つまらないと思った方は、退会してもらえるので良いのかなと。

もう1つの理由としては、長崎バイオパークのSNSではYouTubeが特に好調なので、YouTubeを強化していくという意味でも、メンバーシップが良いのではないかと。

編集長:YouTubeメンバーシップって課金制ですよね。すでに御社のSNSで色々なコンテンツが見られる状態なので、課金してまでみてもらうコンテンツを作るって大変そうだなと思うのですが…。

神近さん:もちろんコンテンツのよし悪しもあると思いますが「応援したい」という気持ち、仲間意識で参加いただけるコンテンツにしたいと思っています。「仲間」というのがポイントで、「支援したい」「支援されてる」という関係ではなく、友達に近い感覚をイメージしています。

コラボには積極的~いずれSNSを活かし長崎を盛り上げたい

編集長:日本国内の動物園を盛り上げていくために、他の動物園とも積極的にコラボされているのですよね。

神近さん:最近あげたのは、和歌山にあるアドベンチャーワールドの紹介動画です。お互いで紹介し合っています。日本動物園水族館協会に加盟している動物園では長崎バイオパークがYouTube登録者数では1番で、2番がアドベンチャーワールドです。お互いSNSで紹介し合ったり、動物園を見学したりと、よい関係を築けています。

■アドベンチャーワールドの動物飼育スタッフが長崎バイオパークを周ってみた《前編》

■初対面のイルカとイルカショーに挑戦してみた【長崎バイオパーク×アドベンチャーワールド】

その他、TikTokではANAやSEGAさんなど、大きな企業さんとコラボする機会も増えてきています。ANAさんの場合は、弊社の動画にANAのCAさんが出演してくださったりもしています。

■突然ですが、スカンクのおならを嗅がせてみましたw

企業からコラボのお声がけをいただくなど、当初は想像もしていなかった、様々な可能性が広がってきてるのを感じます。

編集長:確かに、他社とのコラボは1社では実現できないことをできるという意味で可能性が広がりますね!

神近さん:そうですね。お声がけいただければ積極的に受ける方針でいます。また、長崎県を盛り上げるという意味で、長崎の企業さんとコラボできたらいいなと思っています。長崎県内でのSNSフォロワー数は、バイオパークが多分1番だと思うので、長崎を盛り上げるのに我々が力になれるのであれば是非協力したいと思っています。
こちらからも、お声がけさせていただこうかなと思っているところもあるので、今後は、こういった取り組みにも力を入れていければと思います。

編集長:いいですね!ハウステンボスや長崎バイオパークは日本国内でも、世界的にも知られていると思いますが、長崎にあるその他多くの魅力あるスポットがもっと知ってもらえれば、長崎に行く理由がより強くなりますよね。

神近さん:長崎はめちゃくちゃ面白いんですよ!例えば、精霊流しという風習があります。大きな船を作り、その年に、初盆を迎える方たちを船に乗せて送り出すという風習なのですが、その際、街中で爆竹が鳴りまくるんです。
そういうことを、うまく長崎バイオパークと組み合わせて発信していきたいと思っているのですが、どう組み合わせるのがよいか、そこで結構頭を悩ませます。

…と、どうコラボを実現するかという難しさはありますが、我々は声をかけていただければ、積極的にコラボしたいと思っています。これまでも、クラウドファンディングやNFTなど、色々チャレンジしています。
この記事で長崎バイオパークに興味を持ってくださった方がいらっしゃれば、気軽に声をかけていただければと!

編集長:そういっていただけると、興味をもってくれた企業や団体も神近さんに連絡しやすいですね!!

PRマガジンAWARD2021「ベストPRパーソン」受賞者

バイオパーク株式会社 取締役CMO
神近 公孝(かみちか・きみたか)さん

約10年間、東京の映像制作会社でテレビ通販やネット通販に携わった後、バイオパーク株式会社に入社。飼育員や広報、人事総務、レストラン業務などに従事した後、取締役CMOに。現在は長崎バイオパークのSNSや広報の戦略から実務までを担当する。

バイオパーク株式会社(https://www.biopark.co.jp/

創業:2004年5月
開園:1980年11⽉
事業内容:自然動植物公園の整備・運営、移動動物園の企画・運営、飲食店の経営
土産品の販売、造園及び緑化事業の請負・設計並びに監理など