FIFA World Cup に学ぶストーリーとしてのPR戦略

皆さま、こんにちは。今年も余すところわずかとなりました。忘年会やクリスマスなどでイベントも増える時期ではないでしょうか。

さて、私は先日、18日(日)にサッカーのクラブ世界一を争う「トヨタ・クラブワールドカップ」にご招待いただき、決勝大会を観戦してきました。欧州代表バルセロナ(スペイン)が4-0で南米代表サントス(ブラジル)に大勝し、09年以来2度目の優勝を果たしました。最優秀選手は2得点を挙げたバルセロナのメッシで、欧州勢の優勝は5大会連続の快挙です。

もちろんメッシはサントスのネイマールと同じく警戒されていたにも関わらず活躍できたのはチームに実力者がそろっているからですね。サントスが決して守りに徹したわけではないと思いますがバルセロナのボール支配率は71%に達していました。ボールを奪われても、すぐさま奪い返す素早い切り替え、足に吸いつくようなパス回し、相手を引きつけては誰かが飛び出す。

チーム全員が同じ絵(=戦略)を描いている上、それを実現する技術や判断力も高い水準でした。攻撃やパスの流れ、パス回しを事前に構想したうえで試合に臨むという姿勢は、PR戦略にも同じことが言えるのではないでしょうか。

PRを考えるときに、さまざまな方法論があります。リリース内容、記者発表会、PRイベント、ソーシャルメディア、ブランディングツール等。一つひとつのアイデアは優れていても、それらの方向性がバラバラで同じ方向に向いていないと、十分に威力を発揮しないことも多くあります。

ところが、これらの個々の施策を「点」ではなく、「つなげる」方に軸足を置いてみると、新しい気づきがあります。サッカーにたとえると、相手チームに勝つために、どこのポジションにどういう選手を配置するかという問題は戦略を構成する「点」です。

しかし、そこで配置された選手たちが繰り出すパスがどのようにつながり、ゴールへと向かっていくのかは、点を結び付ける「線」の問題です。戦略は個別選手の配置や能力や一つひとつのパスそのものではなくて、個別の打ち手を連動させる「流れ」。

PRでいうと、「点」として存在する個々の施策を一つのコンセプトで連動させることで「線」になり、一貫したストーリーになることでさらに威力も発揮するのです。年末・年始に一度、これまで手がけてきたPR施策を振り返ってみて、それぞれのPR施策がひとつの方向性に向かって効果を発揮しているか検証してみてはいかがでしょうか。

今年一年お世話になった皆様に心より感謝申し上げ、今年最後のメルマガの挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました!
来年も素晴らしい一年になりますように・・・。

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