【保存版】“記者に刺さる”PRネタの作り方|反応が返ってくる企画の共通点とは?

「プレスリリースを出しても、メディアからは音沙汰なし……」
そんな経験をしたことのある広報担当者は少なくないはずです。メールは開封されるのに返信は来ない。その理由は、PRネタの選び方が“企業目線”に偏っていることにあります。
メディアや記者が求めているのは、「読者や視聴者にとって知る価値のあるニュース」。企業の業績や販促情報ではありません。

では、どうすれば「これは面白いですね」と記者に言ってもらえるのでしょうか?
本記事では、“記者に刺さるPRネタ”の3つのケースと、それぞれの企画の作り方について具体的にご紹介します。

① 社会課題を切り口にしたPRネタ

社会性のあるテーマは、報道メディアにとって「公共性」や「共感性」があり、取り上げやすい領域になります。たとえば以下のようなポイントを意識すると、ぐっと記者目線に近づきます。

● 社会課題の存在を示す客観的データ(統計データなど)

● 影響を受ける当事者の声や具体的な事例(実害ケースがあると説得力も増す)

● その課題や事象に対する企業や専門家としての取り組みを明示

事例:”AI時代に必要な子供へのしつけ”が大手Webメディアに掲載”

ある教育系の企業は、「AI時代だからこそ、親が子供にすべき優先的なしつけ」をテーマに企画案を提案しました。
海外の大学による研究データや論文、塾やセミナーで実際に親から寄せられることの多い相談ごとなどの体験談や具体的なフィードバック事例を交えたことで、今の時代に必要な教育面での意義が明確になり、注目度の高い子育て・教育ネタとして、記者に響きました。

② 健康テーマにしたPRネタ

健康系の話題は、老若男女問わず関心を集めやすく、季節性や時事性と掛け合わせることでニュース性が高まるネタになります。例として、今の時期ですと、「熱中症」「感染症対策」「睡眠の質」「ストレスマネジメント」などは、時節的にも注目されるテーマになります。

一方、ここで重要になるのは、信頼性の裏付けです。医師・専門家のコメントや、論文・エビデンスの提示があることで、メディア掲載の可能性は格段に上がりますし、エビデンスがないと、そもそも取り上げられる可能性は極端に低くなります。また、薬機法に接触しない表現・表記には十分に注意が必要です。

事例:インフルエンザ対策×飲料

飲料メーカーが「インフルエンザ対策に効果的な飲料」として、研究成果を発表。大学教授や医師監修のもと、研究データや効能などをまとめた資料を制作し、テレビの情報番組などで取り上げられました。

③ ビジネスや企業の成功事例を使ったPRネタ

メディアや記者にとって、単なる実績紹介は“宣伝”にしか見えません。しかし、成功の背景にある「課題」「工夫」「乗り越えた困難」などをストーリー化すれば、“参考になるノウハウ”として役立つ情報になります。

ポイントは以下の視点です。

● どんな問題意識から始まったのか?

● どんな新しいアプローチを取ったのか?

● その結果、どのような変化があったのか?

事例:中小企業の「長時間労働を減らす残業ゼロの取り組み」がビジネス誌などで掲載”

ある企業が実施した、全社員に向けた残業をゼロにする組織づくりと社内制度。背景には「人材の定着率低下」や「ワーキングママの働き方改革」がありました。実際に社員の定着も増し、優秀な人材の採用にもつながる変化が生まれました。新しい働き方を模索する企業としての取り組みが「女性が働きやすい会社」として、ビジネス誌の注目を集めました。

“記者に刺さるネタ”を作るための共通ルール

ここまで3つのケースをご紹介してきましたが、共通する大前提は次のとおりです。

「読者にとって意味のある情報か?」を判断の軸として、自社の情報を“翻訳”すること。
メディアの記者は「今、それを伝える意味があるか?」を常に意識しており、読者や視聴者は「自分に関係のある役立つ情報か?」で記事を読むかを決めます。広報の担当者はその両者の“橋渡し役”と言えます。

取材につながるかどうかは、PRネタを“誰目線で選ぶか”にかかっています。社会課題、健康ネタ、ビジネスや企業の成功事例――、一例にはなりますが、このように、自社の取り組みをニュースとして翻訳する視点で考えることが重要です。

ネタ選びこそ、広報の腕の見せどころです。今回ご紹介した3つの型に、自社の事例をどう当てはめられるか?ぜひ、企画ネタ考える際には「この話、記者はニュースとして扱いたくなるだろうか?」と問いかけてみてください。

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株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
            医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます