「毎日プレスリリースを配信しているのに、全く取材につながらない」「メールの開封率すら上がらない」とお悩みの広報担当者は少なくありません。この悩みの根底には、数に頼った一斉送信型のアプローチがあります。膨大な情報に晒されるメディア関係者にとって、面識のない広報からの画一的な連絡はスルーされてしまうのが現実です。
下半期に露出成果を上げるために必要なのは、大量のメールではなくたった1人のリアルな接点です。特に、秋の繁忙期に入る前の今の時期こそが、記者とゆったり面識を作る絶好のチャンス。本記事では、量から質への意識改革を行い、今の時期を生かして記者から頼られる相談相手として信頼を育むための具体的なリレーション術を解説します。
この記事の目次
「とりあえず一斉送信プレスリリース」の落とし穴
記者の元には日々、数百件を超える膨大なプレスリリースが届きます。その中で、一斉送信ツール等で送られてくる件名や本文は一目で判別され、関心を持たれることなく削除されるのが常です。
自社都合のタイミングで一方的に情報を送り続ける行為は、露出につながらないばかりか、記者に自社の取材領域を理解していない広報担当者だというネガティブな印象を与えてしまうリスクをはらんでいます。
広報活動の本来の目的は、自社製品を売り込むことではなく、メディア関係者との間に良質な関係を築くことにあります。無差別なアプローチを100回繰り返すよりも、自社が狙うべき媒体やコーナーを執筆しているたった1人の記者を特定し、その人物に響く文脈で個別にアプローチする方が、取材獲得率は何倍にも跳ね上がります。下半期のPR戦略においては、まず数から質へのマインドシフトが不可欠です。
なぜ「今の時期」がメディアとの接点作りに絶好の機会なのか?
10月から11月にかけての秋シーズンを迎えると、メディア業界は番組改編や年末年始に向けた進行、特集、各種イベントの取材などが重なり、多忙を極めます。この多忙な繁忙期に入ってしまうと、いくら魅力的で価値のある企画を提案しても、記者は日々の取材と締め切りに追われ、新しく会って話を聞く時間がないとアポイントすら断られてしまうのが現実です。
一方で、8月中旬の夏季休暇シーズンから初秋にかけては、企業や官公庁の突発的な動きが一時的に落ち着くため、記者の取材スケジュールにも比較的余裕が生まれます。思考やスケジュールにゆとりがあるこの時期こそが、中長期的な企画の相談や、15分程度のオンラインご挨拶面談に応じてくれやすい絶好のタイミングなのです。今の時期にしっかり顔を合わせ、リアルな接点を作っておくことこそが、下半期の広報活動で大きな成果を挙げる最大の仕掛けとなります。
失敗する「名刺交換だけ」を回避する!初回アポイント「3つのステップ」
せっかく今の時期に貴重なアポイントを獲得できたとしても、当日のコミュニケーション設計を誤ると一回限りの接触で終了してしまいます。初回アポイントにおいて最も避けなければならないのは、自社の概要はこちらで主力商品はこれです、と会社案内やカタログを一方的に読み上げるだけの15分間にすることです。
実のあるメディアリレーションとは、自社の宣伝をする場ではなく記者の取材や記事づくりを助ける場をつくることにあります。初回面談のゴールは、この広報担当者は自分の担当領域に詳しく、頼りになる情報パートナーだと認識してもらうことです。
成功する広報担当者は、面談の前、中、後で明確な戦略を持っています。事前準備では記者が過去半年から1年間に執筆した署名記事や担当コーナーを読み込み、関心テーマや文脈を把握します。当日は自社のアピールを2~3割程度に抑え、7~8割は記者の今欲しい情報を引き出すヒアリングに徹します。面談後は当日または翌日中にお礼メールを送り、面談中に記者が関心を示していたテーマに関する補足データや市場動向資料を添えて共有することが重要です。この迅速なギブが頼りになるパートナーという強固な印象を決定づけます。
面識後「いつでも頼られる相談相手」になるための日頃のコミュニケーション
一度対面やオンラインで面識を作ることができれば、その後のコミュニケーションは格段にスムーズになります。面識ができた後の最大の強みは、〇〇様と個人宛てに直接連絡ができる点です。件名にも、“先日お話しした秋企画の件”といった具体的な文脈を盛り込めるため、日々埋もれがちな記者メールの中でも開封率と返信率が劇的に跳ね上がります。
また、面識ができたからといって、連絡の度に毎回プレスリリースを送る必要はありません。むしろ効果的なのは、記者が日常的に追っているテーマに関連する最新の統計データや業界内の新しい動きなどを、お役立ち情報として定期的に共有することです。迅速なレスポンスと的確な情報提供を積み重ねることで、記者が新しい企画を立てる際に、まずはあの広報に意見を聞いてみようと想起される存在になることができます。メールを送るから取り上げられるのではなく、事前の信頼関係があるからメール1通で取材が決まる状態を目指しましょう。
露出成果を激変させる鍵は、100本の無差別メールではなくたった1人の記者とのリアルな接点です。秋の繁忙期が入る前の今の時期こそが、記者とゆったり面識を作る最大のチャンスとなります。初回面談で欲しい情報を徹底ヒアリングし、日頃のギブを重ねて相談されるパートナーを目指しましょう。
【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
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