緊急事態宣言が再発令され、都内の感染者数も2,000人を超えました。(2021年1月現在)
未曽有のパンデミックに人々が恐れる中、PR・広報担当者の方が知りたいことの一つに、社内にコロナウイルス感染者が出た場合にどう対応すべきなのかがあると思います。
今回は実際に陽性反応者や濃厚接触者が出た場合の対応と、事前に準備できることについてご紹介します。
この記事の目次
1.コロナウイルス陽性反応者が出た場合
まずは感染拡大を抑えること
「コロナに感染してしまいました」。社員にそう言われると思わずパニックになってしまうことでしょう。しかし、何よりも先にすべきことは感染拡大をさせないことです。人事部などと協力をしながら、まずは該当社員に休業指示を出し、他の社員や取引先などとの接触をなくすことが大事です。復帰のタイミングについては保健所の指示に従うと良いでしょう。
次に状況把握と社内報告を行います。社内と本人のヒアリングにより、濃厚接触者の有無を探し出します。加えて社外の関係者・取引先などとの接触も確認しましょう。さらに職場の感染拡大防止措置も取ることも重要です。感染者が使用した部屋や備品などは徹底的に消毒。賃貸ならば、同じビルのテナントに報告することも時には必要になるでしょう。
企業の情報開示はケースバイケース
さて、広報担当者ならば情報開示すべきかどうかも気になるところだと思います。ただ、実際はケースバイケースのようです。しかし、公表すべき場合もあります。
<公表する基準>
①法律上の開示義務がある場合
上場企業が該当し、一定期間業務が遂行できなくなったり、売上の大きな低下が予想されたりするケースが想定されます。
②社外に対して、二次感染防止のため注意喚起を行う必要がある場合
大規模クラスターの発生や、感染者が発症後に不特定多数のステークホルダーへ接触していたケースなどが想定されます。
③顧客、取引先などステークホルダーへの業務運営体制の変更等を周知する必要がある場合
リモートワーク・在宅勤務体制への移行、工場の閉鎖等を従業員にお知らせする場合や、イベントの延期、制作・納品物の遅延発生などを取引先に周知する必要があるケースなどが想定されます。
公表する場合は感染者のプライバシーを守ること
感染者情報がSNS上で拡散され企業が炎上するケースが発生しています。公表する際は無用な混乱を招くことは避けなければなりません。感染者本人やその家族が誹謗中傷される恐れもあるので、個人の特定につながる情報は触れないようにすることが重要といえます。
公表時には、感染者の情報に加えて、濃厚接触者の情報や企業が拡散防止のためにどのような措置・対策を取ったのかなども、併せて公表すべきです。これらの情報を簡潔にまとめ、自社ホームページに掲載する方法で問題はありません。
ただ、役員クラスの感染や、クラスターが発生した場合は記者会見を行うことも考えられるでしょう。
2.事前に準備できること
有事に備えてルール整備を
陽性者や濃厚接触者が出た場合に備えてできることとは何でしょうか。一つはマニュアルを作成し、会社全体に周知することです。下記事柄は事前に決めておくと良いといえます。
・報告先の部署、担当者など連絡経路
・陽性者、濃厚接触者の休業と復帰のルール
・該当地域の保健所への報告基準
・感染者情報の公表基準
・公表文のテンプレート
・職場、備品の消毒などの感染拡大防止策など
備えあれば憂いなし。人事やIR、役員などと相談の上、マニュアルを作成することをおすすめします。
社内には定期的な情報提供を
それ以外にも、社内報などを使って社内に有益な情報を定期的に提供することも効果的です。
例えば、エン・ジャパン。WEB社内報『en soku!(エンソク)』で感染対策記事を公開しています。テキストだけでなく写真をメインで見せることで、正しい予防法を認識・実践してもらうことが目的です。気軽にSNSシェアへと展開できるので、社員への浸透を図ることもできます。
うわ、私のマスクのつけ方ひどすぎ・・・?よくある4つの間違いを教えます! #きょうのエン
https://www.en-soku.com/life/63491
本記事は同時期に公開した記事に比べて、3倍のPV数があったそうです。社外からも見れるので、ステークホルダーへの信頼獲得にもつながりました。このように主体的に、楽しくウイルス対策ができたらいいものですね。
まとめ
以上、今回は「広報・PR担当者が知るべきコロナウイルス感染対応マニュアル」と題して、ご紹介してきました。もちろん、企業内で一人も陽性者・濃厚接触者が出ないことが一番大事ですが、万が一の際には参考になれば幸いです。読者のみなさんの健康を祈っています。力を合わせて一緒に乗り越えていきましょう!
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