情報番組の報道化

今回は元テレビディレクターの視点から、ここ数年で大きく変化している「情報番組」についてお話ししたいと思います。

テレビPRを実施する上で重要な「報道番組」と「情報番組」ですが、皆さんはこの2つの違いをどう捉えていますでしょうか?
一般的に「報道番組」はニュースを中心に構成された番組、「情報番組」はグルメ・トレンド・ファッションなど生活に役立つ情報を中心に構成された番組を指します。

ですが、いま『情報番組の報道化』が進み、「情報番組」と「報道番組」の違いはほとんど無くなってきています。

私がテレビディレクターを務めていた数年前、情報番組といえば「〇〇グルメ特集」「行列ができる人気スポット」「街の人のファッションチェック」「家事を楽にするマル秘テクニック」のような企画で溢れていました。
しかし、今ではこのようなコーナー・企画はほとんど姿を消しています。

では情報番組はその代わりに何に力を入れるようになったのか?

それは『ニュース』です。

これまで事件や事故の現場を取材するのは報道の記者ばかりでしたが、今では情報番組のディレクターもニュースの現場を取材、放送時間の多くを割くようになりました。
今や情報番組と報道番組の差はほとんど無くなったと言っても過言ではありません。

このような動きはテレビPRにも大きな影響を与えています。
これまでよく情報番組で取り上げられていた純粋なグルメネタ、お店のオープン情報、
最新トレンド、企業紹介のような企画が取り上げられにくくなっているのです。

実際に番組アプローチを行っていても「ニュース性」「社会的意義」「話題性」などを求められる機会が非常に多くなっています。

ですが、これらの要素は簡単に伴うものではありません。

そこで重要なのが「他とは違う独自性」「今の時代に合った切り口」「季節に合わせたテーマ」です。
ニュース性や話題性に乏しい場合でも上記のような視点があれば番組側も取材を検討しやすくなります。

「情報番組の報道化」によって、今後ますますテレビPRには工夫が求められることになりそうです。