SNS時代、一瞬の不適切な投稿が致命的な「デジタル・クライシス」を招きます。広報にとって「炎上商法」は禁断の手ですが、怖いのは良かれと思った施策が「あえての炎上」と受け取られてしまうリスクです。
本稿では、意図せぬ炎上を回避し、万が一の事態からブランドを守るための具体的な対処法を解説します。
この記事の目次
炎上商法のリスクと消費者の受け取り方
「炎上商法」とは、意図的に世間の反発や議論を巻き起こすことで認知度を急上昇させる手法です。しかし、この手法が企業ブランドにもたらす代償は、得られる認知度をはるかに上回ります。
マーケティングにおいて「認知」は重要ですが、認知には「質」が不可欠です。炎上による認知は「あの問題を起こした会社」というネガティブな記憶と紐付きます。
また、一度ついた「不謹慎」「不誠実」というラベルを剥がすには、数年から十数年の歳月を要します。その間に、最も大切にすべきファンやリピーターが離れていきかねないのです。
現代の消費者はデジタルネイティブであり、情報の裏側を読み解くリテラシーが非常に高いのが特徴です。
「これ炎上狙いだな」
「話題作りのためにわざと過激なこと言ってるな」
こうして透けて見える意図には、消費者に強い嫌悪感を抱かせます。
特に、社会的な倫理観(ジェンダー、人権、環境問題など)を逆手に取った議論の喚起は、企業の品格を疑われる致命傷となるのです。
それって炎上商法になるかも!?失敗する広報活動とは
良きブランディングを心がけている企業や広報は、炎上商法を自ら試みることはありません。しかし、ここで気をつけなくてはいけないのは、広報や企業の意図に反して炎上してしまうことです。
「炎上商法なんて狙っていない」という広報担当者こそ注意が必要です。実は、広報の流行への乗り遅れまいとする姿勢や焦りこそが、結果的に炎上商法の構図を作り出してしまうことがあります。
1. 「逆張り」の履き違え
世の中のトレンドに対して、あえて異なる視点を提供するのは広報のテクニックの一つです。しかし、それが単なる「常識の否定」や「特定の価値観への攻撃」になった瞬間、炎上の火種となります。
NG例: 「まだ〇〇しているの?」「今の時代、△△なんて古い」といった、既存のライフスタイルを否定して自社サービスを際立たせる手法を使う際には厳重な注意が必要となります。
2. ステルスマーケティング
2023年10月からステマ、所謂ステルスマーケティング規制が厳罰化されました。しかし、依然として「広告であることを隠してバズらせたい」という誘惑に駆られるケースが見受けられます。
インフルエンサーに依頼した企画が、あたかも「偶然のバズり」を装っていることが露見した場合、消費者は「騙された」と感じます。この「騙し」の姿勢が、炎上商法の一種とみなされるのです。
3. 公共性の高いトピックへの「便乗」
災害や事件、あるいはデリケートな社会問題に対し、自社製品を無理やり結びつけるマーケティングは極めて危険です。
「世の中が注目しているハッシュタグだから」という安易な理由で投稿し、文脈を無視したPRを行ってしまう、これはセンシティブな話題や社会問題を利益に変えようとしていると映ってしまうのです。
4. 社内ノリの外部流出
「うちの会社はアットホームだから」「面白い社員が多いから」と、社内の身内ネタをSNSで公開する際も注意が必要です。
本人は「面白い広報」のつもりでも、客観的に見れば「コンプライアンス意識の低い企業」であり、それを公開すること自体が「炎上を狙った売名行為」と批判される対象になり得てしまうのです。
デジタル・クライシスが起きた時に広報がすぐさま取る行動とは?
もし、予期せぬ形で批判が殺到し、デジタル・クライシス(SNS上の炎上)が発生してしまった場合、広報担当者の「初動」が、その後の企業の運命を左右します。
1. 事実関係の迅速な把握(問題発生から数時間以内)
広報担当者は「何が」「どこで」「なぜ」燃えているのかを正確に把握しなくてはなりません。そして、批判の矛先は内容か、表現か、それとも企業姿勢かといった原因追及に努める必要があります。
拡散の元はどこか?事実誤認が含まれていないか?そういったポイントを意識して対処を進めていかなくてはいけません。ここで焦って個別に反論を始めるのは火に油を注ぐ行為です。まずは全容を記録するところから始めることが大切です。
2. 「放置」せず「一時対応」を表明する
調査に時間がかかる場合でも、何も発信しないのは「無視」と捉えられます。
「現在、事実関係を確認中です。改めて報告いたします」という「確認している意思」を早急に出すことが、炎上の加速を抑制します。
3. 公式謝罪文の作成と公開
謝罪文には、以下の要素が必須です。まずは非を認めること、「不快な思いをさせた」という結果だけでなく、「配慮が欠けていた」という原因に対する謝罪も必要となってきます。
そして経緯説明も必須となってきます。なぜその発信に至ったのか、言い訳と捉えられない詳細説明を消費者は求めているため、経緯説明に関しての誠実な姿勢が必要です。
そして、最後に具体的な再発防止策として、今後気をつけるではなく、「外部専門家によるチェック体制の導入」や「全社員への研修実施」など、具体的かつ実行可能な策を提示することが求められます。
広報・PRが受け取り手視点に立って考えるべきこと
炎上を防ぐ唯一の方法は、「情報の受け手」の視点に立って考えることです。
広報担当者が常に自問自答すべきことは、主に4つあります。
第1に、その表現は自社の論理ではなく、生活者の感情に照らして違和感がないかという視点です。
第2に、社会的背景や価値観の変化を踏まえたうえで、誰かを無意識に排除したり傷つけたりしていないかを想像できているかという点です。
そして、第3に、短期的な話題化や数字を優先するあまり、長期的なブランド価値を損なう判断をしていないかという時間軸の確認です。
そして第4に、万が一批判が起きた場合に説明責任を果たせる内容かどうかという覚悟の問題です。
発信前にこの四点を冷静に問い直す習慣こそが、炎上を未然に防ぐ最大の防御策となります。
意図しない炎上を避けるためにも、上記の注意事項を確認しつつ、広報を行っていくことがブランディング強化へと繋がっていくのです。
【ニックネーム】はる
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