地方出張に出たPRマンの私が「現地のコンビニで必ず買うもの」

広報という仕事に就くと、いや、そうでなかったとしても、地方への出張に行く機会が出てくると思います。もし出張の予定があるなら、ぜひ試してみてほしいことがあります。

私は地方に出張するたび、現地の駅売店やコンビニで必ず買っているものがあります。それはズバリ、その土地の「地方紙」です。地域ブロックの新聞や、その県のローカル紙です。

「地方紙?しかもいまどき、ネットでニュースが読めるのに、わざわざ紙の新聞?」と思った方もいるかもしれません。でも、たった数百円のこの一部に、広報の仕事のヒントがびっくりするほど詰まっているんです。今回は、広報担当が地方紙を読むべき理由を、できるだけわかりやすくお伝えします。

実は全国紙より読まれている、 地方紙のすごい影響力

広報の部署は東京などの大都市にあることが多く、つい「とにかく全国紙に載りたい!」と思ってしまいがちです。でも実は、日本でいちばん発行部数の多い全国紙でも、販売部数で地域ナンバーワンを取れているのは、わずか9つの都府県しかないんです。

一方で、地域によっては、地方紙が県内の世帯の半分以上に読まれている、なんてケースもあります。新聞を読む人の約4割は「世の中の動きを知るため」に読んでいるそうですが、地方紙が支持されるいちばんの理由は、なんといっても「地元の情報に強いこと」です。世界のニュースも気になるけれど、それと同じくらい、自分の暮らしに関わる地元の話題が知りたい、というのが地域の人たちのリアルな感覚みたいです。

だからこそ、地方紙に自社の取り組みが載るというのは、その地域で「ここは信頼できる会社だ」というお墨付きをもらうことに等しい。これは、けっこう大きな意味を持ちます。

スマホじゃダメ! 「紙」で読むからこそ見えてくること

ネットで記事を読むのと、現地で紙の新聞をめくるのとでは、入ってくる情報の質がまるで違います。私の感覚では、紙の新聞には、広報の戦略を考えるうえで効いてくる、2つのいいポイントがあります。

一覧で見渡せる

ネットのニュースは、アルゴリズムのせいで自分が興味ありそうなものばかり流れてきます。しかし紙の新聞は、広げた瞬間に大きな見出しから隅の小さな広告まで、ぜんぶ視界に飛び込んできます。だから、その地域で「いま何が大事だと思われているのか」のバランスが、ぱっと一目でつかむことができます。

広告から空気感がわかる

地方紙の広告欄には、地元の会社の動きがそのまま出ています。どの会社がパワーがあるか、どんな求人を出しているか。ながめているだけで、その地域のビジネスの温度感がなんとなく見えてくることもあります。

全国紙なら「ボツ」のネタが、地方紙だと「一面級」になる

全国紙と地方紙では、何をニュースとして扱うかの基準がまるで違います。全国紙だと社会面の隅に数行載るかどうかの話でも、地方紙の記者さんからすれば「地元のいい話」として、写真つきで大きく扱ってもらえることが結構あります。

出張先で新聞を読んでいると、「この地域では、これくらいの規模の取り組みでも、こんなに大きく扱われるのか」という、メディアの感覚値が肌でわかるようになります。

それから、地方紙には「今、その土地の人が気にしていること」がぎゅっと詰まっています。たとえば、紙面を読みながら「カスハラ」や「人手不足」といった話題が、この地域ではどう深刻になっているのかが見えてきたり。そこに「うちのサービスがこの課題の解決に役立てるんじゃないか」とつなげて提案できれば、ただの企業の宣伝が、地元の問題に答える「価値あるニュース」に変わるのです。

記者さんへのラブレター。「記名記事」から始まる関係づくり

新聞をめくりながら、もうひとつ必ず探してほしいものがあります。それは、記者の名前が入っている「記名記事」です。

記名記事を見つけたら、それは「このテーマに詳しくて、関心を持っている記者さんが、この新聞社にちゃんといる」という証拠です。

よく行われていることとして、メディアの代表アドレスに同じ文面を一斉送信してしまう、なんてことがあります。正直、情報があふれている今、そういったメールはほとんど読まれません。ただ、記名記事を読んだうえで「〇〇記者の記事を拝見しました。弊社のこの取り組みは、〇〇さんが関心を持っていらっしゃるテーマに重なる気がして、ご連絡しました」と書ければ、印象はまるで違います。記者さんの仕事をちゃんと読んでいる、という姿勢が伝わるピッチは、メディアとの関係を作っていくうえで、いちばんの近道ではないでしょうか。

地方発、全国行き。デジタルで広がるきっかけにもなる

最後に。地方紙に載ることは「その地域だけで終わる話」ではありません。むしろ、ネット上で全国に広がる、その最初のきっかけになることが、意外とあります。
地方紙のデジタル版の記事は、地元の人にとって「自分ごと」になりやすいので、SNSで「これ、うちの近所の話!」とシェアされやすい傾向があります。そこからエンゲージメントが伸びていくのです。

さらに、その記事が「これは面白い」と判断されると、共同通信などの通信社経由で、Yahoo!ニュースのような全国の大手ポータルに転載されることもあります。一地方のニュースが、気づけば全国の何千万人に届く話になっている、ということが起こりうるんです。

以上が、私が地方出張でわざわざ「地方紙」を買う理由です。現地のコンビニで買える数百円の新聞には、広報の仕事のヒントが、これでもかというくらい詰まっています。次の出張のときはぜひ、地元の新聞を一部、手に取ってみてください。自分の会社の魅力をうまく伝えるための、とっかかりが見つかるかもしれません。

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株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】らめにき
【これまで担当した業界】コンサルタント・健康・教育・DX・企業PR
【趣味】音楽鑑賞・野球観戦・バンド・ライブハウス・数学・ラーメン・カラオケ
【プチ自慢】「イントロドン」で半分以上0.5秒以内に正答できること

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