「ネットミーム」という言葉をご存知でしょうか?
ネットミームとは、TikTokやX(旧Twitter)等のSNSで拡散されているネタ性や共感性の高い画像・動画・言葉などのテンプレート化されたジョークや表現のことを指します。
誰もが真似しやすいことから、「自分もやってみたい」と思わせるような空気感があり、多くのユーザーによってアレンジされながら広がっていくのが特徴です。
そして、そんなネットミームが最近では主にTiktokを通じて、企業の広報の一環として採用されています。本記事では、そのTiktok広報戦略について迫ります。
この記事の目次
なぜTikTok×ネットミームが広報として優秀なのか
TikTokとネットミームが企業広報に効果的とされる理由のひとつは、CPA(Cost Per Acquisition)効率が良いことからです。
CPAとは、ユーザーに商品購入や資料請求、アプリのダウンロードなどの「特定の行動」を起こしてもらうためにかかるコストを示す指標です。
TikTokでは、フォローしていないアカウントの投稿でも、流行の音源やハッシュタグを使えば「おすすめ」に表示されやすいという特性があります。特に、ネットミームのように誰でも参加しやすい形式のコンテンツは、このアルゴリズムと相性が良く、拡散力が高まります。
つまり企業は、Tiktokとミームを上手く活用することで、広報活動であっても広告色を抑えながら、自然な形で多くのユーザーにリーチできるのです。
企業によるTiktok広報の成功事例
ここで企業によるいくつかのTiktok広報の成功事例をご紹介します。
語学学習アプリ「Duolingo」が使用したネットミーム
・エジプトミーム
語学学習アプリ「Duolingo」は、TikTok上で流行した“エジプトミーム”を活用しました。
これは、エジプト風の音楽とエフェクトに合わせて踊るという、若者を中心に人気を集めたトレンドです。Duolingoのマスコット「Duo」がこのミームに合わせて踊る動画は、約237万回再生され、45.2万件の「いいね」を獲得しました(2025年6月時点)。
CRAFTBOSSクーポン200万人キャンペーンを通して「サントリー」が使用したネットミーム
・まいたけダンス
サントリーは、「CRAFT BOSSクーポン200万人キャンペーン」において、TikTokで話題となった「まいたけダンス」を取り入れました。
このダンスは、ホロライブ所属のVTuber・儒烏風亭らでんさんが考案したもので、2024年8月に一大ブームとなりました。サントリーはキャンペーン動画に本人を起用し、ミームの音楽に合わせたプロモーションを展開しました。結果として、TikTok上の動画は668.4万回再生を記録しています(2025年6月時点)。
Pokémon Dayを記念して作成された「株式会社ポケモン」のポケモンダンス
・ポケモンダンス
株式会社ポケモンは、Pokémon Dayを記念して「ポケモンダンス」を制作しました。
これは既存のミームを活用したのではなく、自社で“ミーム化されること”を見越して設計されたダンス事例です。ポケモンに登場するキャラクターたちが踊るこのダンスは、Z世代を中心に広まり、TikTok上では3,609.8万回再生を記録しました(2025年6月時点)。
TikTok上で広報をする上でのポイント
1. ステークホルダー理解とトンマナ設計
TikTokは拡散力の高いSNSであるため、投稿が短時間で多くの人に届く可能性があります。そのため、ステークホルダー(視聴者、クライアント、社内関係者など)の価値観や期待を踏まえた、適切なトーン&マナーの設計が求められます。
ターゲット層を明確にし、不適切な印象を与えないよう、クライシスマネジメントを意識した広報活動が重要です。
2. トレンド対応と管理体制のスピード感
TikTokのトレンドは非常に短命で、数日単位で消費・陳腐化します。そのためスピーディーな投稿が求められますが、確認プロセスやブランドチェックが形骸化するとリスクにつながります。
スピードと管理体制のバランスが重要です。
3. 宣伝臭を抑えた“自然さ”の演出
TikTok for Business(2022年)の調査によると、Z世代の多くは広告をスキップする傾向にあり、62.2%のユーザーが「企業発信の情報には裏がありそう」と回答しています。Z世代は“売り込み感”に敏感であり、宣伝色の強いコンテンツはスキップの対象になりがちです。したがって、一般ユーザーの投稿のように自然で親しみやすい表現にすることが、TikTok広報の成功の鍵となります。
今やTikTokは、単なる動画投稿ツールではなく、広報やブランディングに欠かせない戦略的なプラットフォームとなっています。
Tiktok×ネットミームを広報に取り入れることで、より多くのZ世代の共感と支持を得ていけることになるでしょう。
【ニックネーム】はる
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