インバウンド向けPR施策に役立つポイント

みなさん、こんにちは。
もう2019年もあと残り2か月となりました。だいぶ涼しくなってきて、あっという間に一年も終わりそうですね。残りの2019年を有意義に過ごしましょう。

メディアでもここ数年でインバウンドツーリズムが話題になっています。オリンピックやラグビーワールドカップなど様々なスポーツの世界大会の開催地として注目され、日本を訪れる外国人観光客は年々増えており、2018年には3,000万人を超えました。政府は2020までに訪日外国人観光客を4,000万人、2030年までには6,000万人を目標に掲げており、今後もますます訪日外国人観光客は増えていくことが予想されています。

インバウンド施策を通して訪日外国人旅行者が増えることで、地域での消費につながるなど、地域活性化、雇用機会の増大などの効果を期待できます。今回はインバウンド訪日外国人へのプロモーション手法や地域の取り組み事例を紹介します。

■デジタルマーケティングを利用したプロモーション(福島県)

世界中の旅行者はどのように情報収集をしているのでしょうか?

近年ですと、ほとんどの訪日外国人はSNSを利用して日本の情報を集めています。Facebook、Instagram、Twitterを含め、世界的に様々なSNSツールが利用されるようになり、デジタルマーケティングの重要性も増しています。福島県は震災後、海外からの観光客を取り戻すためにデジタルマーケティングを活用しました。

震災直後はインターネットでネガティブな情報が拡散し、プロモーションに反対する市民の声が上がっていましたが、世界中のすべての人が福島にネガティブなイメージをもっているわけではないことに気づき、強力な観光コンテンツを、インターネットやSNSを通じて発信することで外国人を呼び戻す作戦を始めました。

観光客を誘致するための分析をした結果、東京から栃木・茨城・福島を結ぶ広域周遊ルート「ダイヤモンドルート・ジャパン」を立ち上げました。ウェブアンケートなど実施してターゲット国を4か国に選定した後、ターゲット国の趣味嗜好のリサーチや外国人の感覚を取り入れたPR動画を制作し、早いリーチで再生回数延べ1200万回に上りました。
また、「ダイヤモンドルート・ジャパン」プロモーション動画を在スペイン日本大使館が公式Facebookで取り上げてくれたことをきっかけに、欧米でも拡散され26万回再生を記録しました。

■外国人目線を活かしたプロモーション(田辺市熊野)

インバウンドを取り組むためには、外国人目線にこだわったコンテンツが重要です。日本に来る外国人観光客は今何に興味があるのか、どのようなワードやテーマに惹かれるのかを違う目線で考える必要があります。

そこで、一般社団法人田辺市熊野ツーリズムビューローはカナダ出身の設立メンバーのブラッドさんに熊野のプロモーションを任せることにしました。田辺市熊野ツーリズムビューローは2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」としてユネスコ世界遺産に登録された熊野古道のうち、田辺市街から熊野本宮大社を目指す「中辺路(なかへち)」ルートを中心にプロモーションしています。

外国人目線から見た熊野の課題は様々でした。例えば、日本人が書いた英文は外国人に分かりにくいことや民宿や旅館で英語でのコミュニケーションが問題となっておりました。そこで、ネイティブが書き下ろしたパンフレットの作成や、英語が話せなくても意思疎通できるような指差し確認ツールの作成、ベジタリアンやハラル対応の分類分けなど、外国人と受け入れ側がストレスなくコミュニケーションができるようなツールを作り、ワークショップも開催しました。

外国人の受け入れ態勢が整ったからこそ、情報発信も効率的にできた結果、海外で最大のシェアをもつといわれる旅行ガイドブック「ロンリープラネット」に掲載され、続いて「ロンリープラネット ベスト・イン・トラベル 2018」では「世界の訪れるべき地域ベスト5」に紀伊半島がランクインし、誘客は伸び続けています。

■海外からの留学生を絡めたプロモーション(大分県)

訪日外国人が年々増えているとともに、日本に来る外国人留学生も毎年増え続けています。大分県別府市はそんな留学生に協力していただき、外国人目線でインバウンド対策を実現しています。

大分県にある立命館アジア太平洋大学(APU)の約半分はアジアからの留学生です。その約15%がイスラム教徒である「ムスリム」であるため、APUは大分県と協力して県産品でもある「醤油」のハラル化に取り組んでいます。

ムスリムはアルコールが禁止されているため、アルコールを使用しない醤油を開発するプロジェクトなどを始め、ムスリムの学生も商品開発に関わりました。留学生の半分以上が日本で就職している中、このような取り組みを実施することで日本での生活がしやすくなり、最終的には移住者の増加にもつながります。

企業は外国人を採用することで、外国人目線でのインバウンド対策がさらに可能になり、観光客の呼び込みが期待できます。

まとめ

いかがでしょうか?
これからまだまだ増え続ける訪日外国人に向けて様々な施策が考えられます。弊社では様々な業態の企業様と蜜なコミュニケーションを取り、PR施策を提案・実施しております。詳しく聞きたい方は是非お問い合わせください。

「令和」を活用せよ!ホットな時流に合わせた企画・PR事例

2019年5月14日
【参考事例】インバウンドの課題を浮き彫りにし、解決策を提示
https://www.cd-j.net/work/hotel/