テレビPRにおいてアプローチする機会が多い報道番組はどのようにネタ決めを行っているのか。2回目となる今回は、特集コーナーを担当する現役ディレクターにネタ決めのシステムや情報を提供する際のポイントを伺ってみました。
この記事の目次
報道番組のネタ決め方法は?(特集編)
担当番組と業務
A.夕方の報道番組で特集班のディレクターを務めています。業界歴19年の42歳でチーム内での立ち位置はベテランに近いと思います。業務的には、3週間に1回のペースで自分の企画を制作しています。
番組はどれくらいの人数で制作しているのか
A.特集コーナーにはデスクと呼ばれる責任者が2人、ディレクターが16人、ADが7人の計25人のスタッフがいます。放送は月曜から金曜の週5回、15分くらいのコーナーになります。それぞれの役割ですが、僕たちディレクターはネタを探し、どこにどんな取材をするか構成を考え、実際に取材し、原稿を書き、VTRを編集するというほとんどの部分を担っています。基本的に1回の放送につき一人のディレクターが担当する形で、16人で回しています。ADはディレクターのサポート役で、デスクはネタが面白くなるようディレクターに助言したり、ナレーションやテロップに間違いが無いかチェックする役割があります。
企画はどのような流れで決めていくのか?
A.基本的に週に1回行われる企画会議で決めています。毎回ディレクターが2~3個ずつ企画案を持ち寄り、全員でアイディアを出しながら話を広げてネタになりそうか議論しています。最終的な採用・不採用はデスクが判断しています。私の場合は企画案を3つ出して1つ採用になるくらいの感覚ですが、経験の浅い若手ディレクターはいつもネタがなかなか決まらず苦労していますね。
どのようなネタが採用されやすいか
A.簡単に言うと面白いネタ、専門的に言うと視聴率が獲れそうなネタは通りやすいですね。ニュースと違って特集は視聴率が求められる部分があるんです。あとは映像的にインパクトがあるネタ、視聴者が興味を持ちやすいネタであることも重要です。
視聴率が獲れるネタとは
A.わかりやすくいうと、①グルメネタ、②トラブルネタ、③密着取材ネタ等は特集コーナーの定番ですね。どれも視聴者の気持ちを動かすようなネタです。グルメネタであれば「美味しそう!」「食べたい!」という気持ちになりますし、そういった感情移入しやすいものは視聴率が高い傾向があります。
プレスリリースはどれくらいネタ決めに活用されているのか
A.ニュースと比べると活用頻度は少ないかもしれないですね。届いたプレスリリースもチェックしていますが、15分の放送尺を埋めるのは想像以上に大変で、ネタになりそうなものはあまり無いのが現状かなと思います。例えば日本一を決める大会の密着や新しくできる商業施設のオープンまでの密着、今までに無いようなインパクトがある飲食店などのネタであれば取り上げやすいと思います。
プレスリリースを見てもらうには
A.直接持ってきてもらえれば確実かと思います。特集班はニュース班と違って交代制なので、割と空いている時間もあります。訪問が難しい場合は、FAXやメールで送ってもらった後に確認の電話を入れるのも良いと思います。ネタになりそうな情報であればこちらも助かります!
以上、報道番組の特集コーナーのネタ決めと情報提供方法について話を伺いました。以前のニュースコーナーと比較すると、ネタが採用される可能性はニュース>特集、アポイントの取りやすさはニュース<特集になるようです。提供する情報に合わせて最適なコーナーへアプローチするよう心掛けましょう。