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100億の利益創出も夢じゃない!? 東京駅リニューアルに学ぶ、「過去を美化する心理」の活用 

少し前の話になりますが、
リニューアルオープンした東京駅に行きました。
夜になると、開業時の姿に復元された
赤レンガの駅舎がライトアップされ、
まるで明治初期の時代を思い出させるような風景が見受けられました。
(私は生きていないので、過去の資料から見た明治時代です)
マスメディアの報道によると、
「古き良き時代に戻れる場所」との中高年からの支持を集めて、
近隣施設(丸ビル・松屋など)は大変盛況ということです。
また、著名なアナリストの分析によると、
駅舎内でホテルを運営する、JR東日本グループにおいては、
東京駅のリニューアルによって、営業利益ベースで
「100億円」近い効果があるとのことです。
このように、古き良き時代や過去の思い出を想起させ、
その関連(復刻版など)商品・サービスを売り込むという手法は、
「ノスタルジック(過去を懐かしむ)・マーケティング」
というらしいですね。
では、古き良き時代や過去の思い出を想起させることで、
なぜ人々は、購買意欲を掻き立てられてしまうのでしょうか。
この要因について、ある実験結果が興味深いです。
それは、「人間は過去の思い出や体験を美化する傾向がある」ということです。


心理学者のテレンス・ミッシェル氏は
ある体験(下記)をする予定の人たちに対して、
体験の「前・最中・後」の3つの時点における、
快感度や不快度などを、自己評価するように依頼。
その評価を点数化するという実験をしました。
ちなみに、体験とは下記となります。
・2週間のヨーロッパ旅行
・家族と過ごす感謝祭の週末
・カリフォルニアを3週間かけて自転車で回る旅
その実験結果でわかったことは、
体験している「最中」よりも、体験の「後」の方が、
評価が高かった人が、大半を占めていたということです。
体験の「後」の方が評価が高かった人の
感想を紹介しているのですが、その感想が興味深いです。
「思い出の中では・・・不快な記憶は消え、いい部分だけが残ります。
多分・・・・実際(に体験した)以上に増幅されて」(※)
※書籍「なぜ、それを買わずにはいられないのか」(文藝春秋)P181で
紹介されている、テレンス氏の調査内容を引用
この実験から言えることは、重ねて申し上げると
「人間は過去の思い出や体験を美化する傾向にある」
ということです。
前出の「東京駅リニューアル」の話も、
このような人間心理をうまく活用した例だと言えそうです。
そういえば、過去の良き思い出を想起させるような
商品や施設は、沢山目につきますね。
・ロッテのチョコ菓子「ビックリマン伝説」シリーズ
⇒過去の(今も)大ヒットお菓子。当時子供で今、大人になった人から熱烈な支持
・恵比寿横丁
⇒恵比寿の地に過去にあった「ショッピングセンター」を再現
「(古き良き)あの時の時間がよみがえる。」とのコンセプトで大人気
などなど。
過去の古き良き(美化されがちな)体験や思い出に基づいた、
企画を練れば、大ヒットが生まれるかもしれません。
次はどの企業・人が、古き良き「過去」を
思い出させてくれるのでしょうか。非常に楽しみです。