新しい生活様式が定着する一方で、広報・PR業界も大きな変革を迫られています。
記者・編集者のテレワークが増え、Web会議ツールを使った取材やオンライン記者会見も一般的になりました。当然、PRマガジンもオンラインイベントの開催要望をいただくことが多くなり、試行錯誤が続いております。
先日、PRマガジン主催のオンラインセミナーがスタートしました。お申込は100人を突破し、当日もたくさんの方にご参加をいただきました。
そこで今回は、オンラインイベント開催の経験をもとに、20のチェックリストを作成しましたので、ぜひご活用ください。(個人的な見解も含まれております)
広報ノウハウはみんなで共有しましょう!
▼PRマガジン主催オンラインセミナーのレポート記事一覧
https://blog.cd-j.net/category/seminar-report/
この記事の目次
オンラインイベントの準備
①目的
何事も始まりには動機があります。認知度を上げたいのか?見込客を増やしたいのか?既存顧客との関係性を強化したいのか?
主催者によって『なぜ』はそれぞれですが、始まりがブレると全体の方向性が傾きます。
<目的の例>
・企業/商品/サービスの認知度向上
・新規/見込顧客の増加
・既存顧客との関係性構築
・社内/社外とのノウハウ共有 など
②ターゲット
目的とリンクする部分もありますが、ターゲット設定もしっかりと固めましょう。
どんな人に参加してもらいたいのか?この問いが登壇者の選定やテーマの設定につながってきます。
<ターゲットの例>
・新規顧客
・見込顧客
・既存顧客
・同業種
・社内 など
③スケジュール
イベントの開催までには時間がかかるものです。経験値の少ないオンラインセミナーならば尚更。企画立案・登壇者の選定・内容の検討・集客…。するべきことを上げればキリがありません。
PRマガジン初めてのオンラインセミナーには企画から開催まで2か月がかかりました。みなさまも余裕を持ったスケジュール設定をオススメします。
④登壇者(ゲスト)
登壇者は必ずしも自社の司会者・講演者だけとは限りません。
PRマガジンでは、「さまざまな業界の広報の方をゲストにお招きし、PR・広報担当者向けに成功の秘訣をお届けする」という目的・ターゲットのもと、ゲストスピーカーの候補をリストアップしました。
⑤テーマ
テーマは大きく集客に影響します。時流や業界のトレンドなどに合わせて設定しましょう。テーマはイベントタイトルにも直結します。
⑥目標
テーマとターゲットがしっかり定まっていると、自ずと答えが出るはずです。また、数値目標は開催後の振り返りに活用できます。
<目標の例>
・参加者数
・アポ獲得数
・セミナー経由の成約数
・参加者満足度 など
オンラインイベントの告知
⑦集客方法
広告・SNS・口コミなど、様々な方法が考えられます。参考までにPRマガジンは下記手段を用いました。その中でも特にメルマガ・SNS投稿は効果がありました。
<集客方法の例>
・メルマガ
・SNS投稿(企業/個人)
・SNS広告
・自社サイトのバナー、LP
・イベント告知サイト(Peatix、こくちーず、Event Forceなど)
・メールの署名
・口コミ など
⑧制作物
告知するにもコンテンツがないと始まりません。主に考えられるコンテンツは下記のようなものでしょうか。
<制作物の例>
・メルマガ文面(イベントの趣旨/開催概要/登壇者のプロフィールなど)
・LP(申込フォーム含む)
・バナー画像 など
⑨参加者管理
オンラインイベントの場合は、事前に参加者に配信URLをお知らせする必要があります。そのため、しっかりと申し込みの管理を行い、開催直前にリマインドを送りましょう。配信URLをオープンにする方法もありますが、参加者の管理が難しくなります。
☆裏技☆
Zoomをご利用の方は「レポート機能」を使うことで、簡単に当日の参加者を把握することができますよ!
オンラインイベントの運営
⑩運営形式
オンラインでのイベントといえば、スピーカーが視聴者に“一対多”で講演するセミナー方式がイメージしやすいですが、その他にも複数の形式があります。
<運営形式の例>
・生配信
・録画配信
・セミナー
・対談
・パネルディスカッション など
⑪配信プラットフォーム
企業で多いのはやはりZoomですが、Zoomだけでも「ミーティング(参加者も発言可能)」なのか「ウェビナー(参加者は視聴のみ)」なのかで、イベント内容(イメージ)は大きく違います。
その他にも動画配信プラットフォームは様々あり、接続可能人数やアカウント登録の必要性などが選定のポイントになりそうです。
<配信プラットフォームの例>
・Zoom(ミーティング/ウェビナー)
・YouTube(Live)
・Twitter
・Skype
・Google ハングアウト
⑫進行台本
イベントにハプニングはつきものですが、オンラインイベントでは特に司会・登壇者のセリフが止まってしまうと放送事故になりかねません。そのため、より具体的な進行台本を用意することが大事です。
各パートでの登壇者とスタッフの動きも追記しておくと、本番がよりイメージしやすくなります。
⑬配信用資料
オンラインのイベントでは、現場の雰囲気や参加者のリアクションが伝わらない分、視聴者を飽きさせない工夫が必要です。スピーカーがただ話すだけの映像を視聴させられるのは苦痛でしかありません。
写真などを活用した視覚的に訴えかける資料があると良いでしょう。また、トークテーマを画面に表示したり、注意事項を画面共有したりするのもいいですね。
<配信用資料の例>
・視覚的に訴えかけるプレゼン資料
・登壇者が話す内容(テーマ/質問内容など)
・注意事項をまとめたスライド
・PR動画
・音楽 など
☆裏技☆
Zoomでは、「画面共有」と同じ仕組みで音楽を共有することもできますよ!
⑭役割分担
イベント運営は一人ではできません。登壇者のほかにも、サポートスタッフを複数名配置しましょう。PRマガジン主催のセミナーでは、下記のような役割分担をしていました。
<オンラインイベントでの役割(兼務も含む)>
・ファシリテーター
・進行管理
・タイムキーパー
・カンペ出し
・スライド資料の画面共有
・参加者の管理
・当日質問の集計、精査
・配信映像/音声のチェック(別室待機)
・お問い合わせ対応(ログイントラブル/チャット対応など)
・レポート作成
・カメラマン など
⑮会場
より見やすい、聞きやすい、話しやすい会場づくりが大事です。それ以外にも通信環境や、感染症対策も必要ですね。
⑯備品
PRマガジンが、オンラインイベントを開催するにあたり、使用した備品を紹介します。
<備品の例>
・PC(映像、音声の確認、お問い合わせ対応など)
・スマホ(撮影用/スタッフ間でのやり取りなど)
・マイク(拡声ではなく、集音するために使用)
・ミキサー(複数が登壇する場合、マイクで拾った音声を一つにまとめる)
・オーディオインターフェイス(ミキサーと配信デバイスをつなぐ)
・照明(映像が暗くなりやすい)
・紙とマジックペン(カンペ用)
・時計(タイムキーパー用/登壇者用)
・イヤホン(視聴者側での聞こえ方を別室でモニタリングしていました。)
・アクリル板(感染症対策)
⑰リハーサル
配信プラットフォームにより、その機能は様々です。できること/できないことがあるので、しっかりと動作確認を行いましょう。
また、オンラインイベントは音が命なので、音声チェックは欠かせません。本番を想定したシミュレーションを何度も何度も行いましょう。毎回、改善点が見つかります。
<リハーサルで確認すべきこと>
・配信プラットフォームの動作
・画面映り
・音声
・進行の流れ/セリフ
・スタッフの役割
オンラインイベントのフォロー
⑱アンケート
事後にアンケートを行うことで、運営者が気づけなかった点が見つかります。また、次回へのヒントもいただくことができます。
<質問例>
・印象に残った点
・今後聞いてみたいテーマ
・お客様が抱える課題
・イベントへの要望
・満足度
・申込経路
・参加者の連絡先
⑲レポート記事
参加できなかった方や、やむなく途中参加・途中離脱された方のためにレポート記事を作成し、自社サイトなどにアップしましょう。重要なポイントを聞き逃した方に重宝されます。
⑳振り返り
課題の洗い出し・対策・実行することで、イベントの質もどんどん向上していきます。数値目標などをもとに必ず振り返りを行いましょう。
以上、20のチェックリストをまとめてみました。今後、オンラインイベントを企画・実施されるみなさまにとって、少しでも役に立てば幸いです。
【これまで担当した業界】 専門学校、健康アプリ、メガバンク、美容クリニック
【趣味】 草野球(2番セカンド)
【特技】 プレスリリースの校正 (プレスリリース配信サービス出身)
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