当コラムは、2021年4月23日に開催した銚子電気鉄道株式会社、常務取締役・柏木氏との対談レポートです。
玉木:
皆さんこんばんは、本日はPRマガジン主催、オンラインセミナーにご参加いただき誠にありがとうございます。PRマガジンでは、毎月様々な業界の広報の方、あるいはメディアの方をお招きし、お話をお聞きしています。
今回は、現在メディアやSNSで大変話題になっておられる、銚子電気鉄道 常務取締役 柏木亮さんに、「運行スケジュールより緻密、計算つくされたPR戦略とは”線路の石の販売や数々のパロディー企画、その狙いを徹底解明」というテーマでお話をお聞きできればと思っております。柏木さん宜しくお願いいたします。
柏木さん:
よろしくお願いします。
この記事の目次
電鉄と町を守るため“乗って楽しい日本一のエンタメ鉄道”を目指す!
玉木:
まずは、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。
柏木さん:
柏木亮と申します。
銚子電気鉄道の常務取締役をさせていただいております。
沖縄ツーリストという旅行会社の社員ですが、現在は銚子電鉄の仕事がほとんどとなっております。
玉木:
そうなんですね!
では、銚子電鉄のご紹介をお願いします。
柏木さん:
銚子電気鉄道は、関東の最東端で食品の製造販売業をさせていただいている会社です。「絶対にあきらめない!地域と共に存続を目指す銚子電鉄の挑戦」というテーマで活動を行っております。
それでは、どんな鉄道会社なのか簡単にご紹介させていただきます。
開業は、1923年7月5日です。今年で開業98年となる非常に古い鉄道会社となっております。銚子遊覧鉄道からスタートし、銚子鉄道、銚子電気鉄道と変わってきています。
所在地は千葉県銚子市にございます。銚子市内だけを運行しておりまして、全長6.4㎞、駅数は10駅という非常に短いローカル線です。現在、弊社には1編成2両の電車が3つしかありません。その上、スピードもあまり出せないため、時速40㎞程度の速度で走行しています。その速度で全長6.4㎞を走行すると、所要時間は約21分~22分となります。
運賃は始発の銚子から終点の外川まで片道350円という運賃形態となっています。例えば東急田園都市線の中央林間駅から渋谷駅までは30㎞以上ありまして、その区間の運賃は片道約340円です。走行距離は銚子電鉄の約5倍にも関わらず値段があまりかわらないんですね。(笑)
鉄道の利用者層は、乗客全体の約70%は観光客のお客様です。
残りの30%が地元のお客様となり、観光で利用いただくことが多い鉄道となっています。
地方都市の銚子市の実態についても少しお話しさせていただきます。
現在、銚子市は毎月人口が約100人ずつ減少しています。一昨年から人口が6万人をきり、財政破綻都市に近づきつつある非常に難しい状況です。
市内の人口数も減り、銚子電鉄を利用される人数も減ってきています。
全長6.4㎞の銚子電鉄の有効沿線人口、つまり、銚子電鉄に乗っていただける地元の方の人口は2万人強となっています。
続いて、沿線の風景写真を1枚紹介させていただきます。
これは、「本銚子駅」から「笠上黒生駅」の間にある「緑のトンネル」と我々が勝手に名付け呼んでいる沿線の風景です。某アニメーションに登場する森のようにもみえませんか。(笑)
ウクライナの観光名所「恋のトンネル」に似ているとも言われ、地元の方をはじめ、観光客にも親しまれている景色です。ちょうど今の季節からこのような緑が茂る美しい風景になります。
この風景写真から、皆さんに伝えたいことは、沿線地図を見て、お気づきかもしれませんが、実は銚子電鉄は海側を走っておりません。どちらかと言えば内陸側を走っています。
観光で訪れる方の中には、“銚子電鉄に乗っていれば海沿いの景色が楽しめるかも”と期待されている方もいるかもしれません。しかし、全長6.4㎞の中で唯一、海が見られるポイントは、利根川と海が合流しているポイントのみで、所要時間21分中、わずか3秒程度です。それ以外は全て内陸を走る鉄道となっております。
では、なぜ内陸を走るのか。それは、海沿いは風が強く、また、潮風による塩害で鉄道設備が傷むことが考えられたからです。よって、内陸へ線路を敷きました。
続いて、我々のミッションについてお話させてください。
私たちは地元の方に乗っていただくことは勿論ですが、「この街に『銚電』があってよかった、『銚電』ありがとう」と言ってもらえるよう社員一同邁進しています。
それには、鉄道や街を存続させる活動が必要です。地域住民の方だけでなく、観光客の方に銚子へお越しいただき鉄道を利用いただくことが重要となります。
そのために、“乗って楽しい日本一のエンタメ鉄道”を作り、多くの観光客を銚子へ呼び込むといった取り組みをしています。その他に、ネットショップで地域の産品を販売し、新たな地域商社として地域経済のハブの役割を担う存在になるべく、社員一同で進めさせていただいています。
鍵となるエンタメ鉄道ですが、残念ながら昨年は運行出来なかったのですが、「銚子怪談」という企画でお化け屋敷電車をやらせていただいています。走るお化け屋敷で、一度乗ったら約50分は降りることができない電車です。こちらは好評で、毎年夏の恒例企画として、これまで5回ほど行っております。
それから、電車の中をバルーンで飾る「バルーン電車」という企画を銚子商業さんとのコラボレーションで行わせていただいております。更に、先月から「岩下の新生姜」でおなじみの岩下食品さんとのコラボレーション企画で「ピンクニュージンジャー号」というバルーン電車を走らせております。
その他にもプロレス電車を走らせるなど、移動手段としてだけではなく、乗って楽しむことを目的とし、利用して欲しいと考えています。そして、銚子全体が遊園地やテーマパークのような存在になり、お客様に来ていただけるよう活動をしています。
あとは、各駅に名前をつけるネーミングライツの取り組みも行っています。
スライド写真の駅名は「笠上黒生(かさがみくろはえ)駅」なのですが、ネーミングライツにて「髪毛黒生(かみのけくろはえ)」という駅名になりました。こちらはシャンプーメーカーさんがつけた駅名です。このような面白い駅名をつけてもらい銚子市に注目いただくきっかけ作りもしています。
実は6年前、「犬吠駅」のネーミングライツに沖縄ツーリストとして参加させていただき、これをきっかけに、ネーミングライツのパートナーとして連携を図り活動をしています。それ以来、私自身も多彩な形で活動に関わらせていただいています。
長くなりましたが、銚子電鉄の紹介となります。
変電所の工事費用2億円捻出のために映画制作!?踏み切った意外な理由とは?
玉木:
ありがとうございました。
それでは、ここから具体的な広報に関することをお聞きしていきたいと思います。
先ず初めに、御社の取り組みのひとつとして、最近ひときわ目を引いたのが、映画「電車を止めるな」だと思います。メディアやSNSにとりあげられ大変、話題になったと思いまが、当初、柏木さんは反対のお立場にあったとお聞きしています。
実現までの経緯や現時点での反響などありましたら教えてください。
柏木さん:
皆さん、弊社で制作した映画「電車を止めるな」をご存じでしょうか?ご存じない方もいらっしゃるかと思い、2分間にまとめたプロモーションムービーを準備しました。お話させていただく前にご覧いただきたいと思います。
柏木さん:
この映画を作るきっかけは、銚子電鉄の代表である竹本と、ネットショップで販売しているお菓子の「まずい棒」の企画も担当してくださった寺井さんと私で、変電所の更新工事の費用を捻出するにはどうしたらよいかについて雑談をしていたときに出た案です。
変電所とは電車を動かす電気を配電するために必要な施設です。
その更新工事を行う費用が約2億円もかかることがわかりました。当然、2億円の費用を払う資金がうちの会社にはありません。すると、寺井さんが竹本に「映画、作ってみませんか?」と映画製作の提案をされました。
参考にさせていただいた某映画の制作費用から考えても、弊社でも対応できそうだとなり、映画で一発逆転できるのでは!?と。勢いだけの発想で、本気で映画制作するとは考えていなかったはずです。ところが、竹本が付き合いのある新聞記者さんに冗談交じりに映画制作の話をしたところ、翌日に記事として新聞に載ってしまい、映画制作が避けられない事態となったことが制作に至った事実です。(笑)
ですので、映画制作に反対というか、弊社には制作費用やノウハウが全くありませんでしたので、「本当につくりあげられるか?」「完成までに、どのくらいの期間がかかるのか?」と様々な不安が頭をよぎりました。それに、一刻も早く工事費を用意しないとならない時期に映画制作は現実的ではない、と感じ、その想いは竹本にも話しました。
ところが、竹本は「記事として出てしまったから、もはや作るしかないね~」と言い、制作へ踏み切ることになったというのが正直なところです。
玉木:
なるほど~それで、反響はどうでしたか!?
柏木さん:
そうですね…。コロナの影響もあり、上映できる映画館も少ないという状況でも様々な場所で上映していただき、多くの方に見ていただいています。でも、まだまだ、足りない状況です。
実際に観ていただいている人数は8,000人程度です。もっと多くの方に観ていただきたいので、そのためのアプローチを行なっています。
例えば、他のローカル鉄道さんでも上映していただいています。観てくださった方は、お気づきかもしれませんが、この映画ではローカル鉄道が実際に置かれている現状や打開すべき内容を多く盛り込ませていただいています。
この映画は、ローカル鉄道に関する問題提起という意味合いも持たせているんです。
玉木:
よく実現できましたね!
映画を作るとなると、かなりハードルが高いように思われます。
制作期間はどのくらいかかりましたか?
柏木さん:
制作に時間もかけられませんので、映画の原作と台本の作成は同時進行でした。脚本や台本も準備しましたが、最後は竹本が全て内容を書き直し、竹本がほぼ書いた原作完全無視という映画となりました。
撮影自体は2ケ月で撮り終えました。しかし、納得いかないと再撮を繰り返し、編集やその他の作業も含めると約1年でしょうか。昨年の夏に公開できるようになりました。
玉木:
企画を考えてから上映が実現するまでですか!?
柏木さん:
そうですね、それぐらいかかっています。
玉木:
それでも、相当早いですね~!
柏木さん:
とにかく、我が社が潰れる前に作らなければならないわけですからね。
通常、変電所の耐用年数は20年と言われています。ところが、弊社は騙しだまし40年使っており、さすがに騙しきれない危機的状況なわけです。
アイディアを出すときは「面白さ」を重視し、「できない」とは言わない。これが「銚電イズム」
玉木:
ちなみに、御社は鉄道会社でありながら映画制作の他にも、お菓子の「まずい棒」、文房具の「赤字が消える暗記セット」など、非常に多様と申しますか、なかなか普通の会社では真似ができない取り組みをされていらっしゃいます。どのように具体化していらっしゃるのでしょうか。商品化するまでのアイディア出し、スケジュール感や、販売体制はどのようにされているのでしょうか。
柏木さん:
メディアで紹介されている弊社の様子をご覧いただいている皆さんからすると、アイディアは竹本が全て出しているように感じられるでしょうね。でも、竹本だけでなく、皆で考えています。ただ、アイディアを出し合う企画会議はしません。
玉木:
えっ!そうなんですか!?
柏木さん:
ご存じかも知れませんが、弊社は本社が小さいんです。よって、当然会議室はありません。テーブルはありますが4人までしか座れないため、ある程度の人数が集まる打合せは、使用していない電車の中で行います。資料を準備するといったことはせず、各々が雑談するような感覚でアイディアを出して行く…そんなやり方をしています。
話をする時は、「こんな事をやったら面白いだろうね~」というアイディアを基準に実現できるよう考えます。時には、可能か不可能かという問題の他、費用に関する問題も現れます。経費が掛かりすぎて実現できないこともあるでしょう。しかし、一旦は費用のことは考えず、やったら面白いことを優先し話し合います。
すると、互いにフォローし合えることも見え、一気に現実味が出てくるものです。また、普段の会話でも「出来ない」とは言わないことを心掛けています。否定するのではなく、実現するには、どうするべきかを考えた方が良いからです。外部から来た私には特に感じられることですが、このようなポジティブな考えが根付く社内には「銚電イズム」があると感じています。
この「銚電イズム」は社員数が少ないからこそ形成されたものだと感じています。銚子電鉄は従業員が60人程度で、その内、社員は20数名です。電車を動かしている業務に携わる従業員を除くと、本当に限られた人数しかいないんです。
なので、「サボりたい」とか「休みたい」と言っている場合ではなく、誰か一人でも欠ければ電車を動かすことができないのです。だから、他部署の問題だとしても自分ごととして、積極的に問題解決に関わり、「できない」というようなマイナスな発想は持たなくなったのではないかと感じています。
また、銚子電鉄は、副業の歴史が長く、昭和51年に流行った国民的歌謡曲「およげ!たいやきくん」からヒントを得た、たい焼きからはじまり現在のぬれ煎餅へと繋がっていきます。
当時、鉄道会社の副業は非常に珍しいことでした。なぜ、副業をはじめたのかというと、電車を走らせ続けなければならないからです。そのためには何でも取り入れ、実行していくことが必要でした。副業を通し、様々な取り組みを実現してきた従業員は、物事の捉え方も次第に柔軟になり、その思考が継承され定着したことでユーモアに溢れた従業員が増えたのではないかと思います。
ちなみに、当社はアイディアが出てからのスケジュール感は凄く早いです。基本、従業員数が少ないこと、「やれない」という思考はしない方針のため、1カ月や2カ月先になるような予定は組みません。余計なことは考えず、やると決めたら直ぐ行動に移します。
そのため、竹本の意思決定も早く、行動に移すスピードも速いです。とは言え、映画や食品関係の商品はさすがに2週間では出来ません。そういったものは、準備の時間をかけます。しかし、鉄道グッズのような商品は、企画が出てから2週間くらいで商品化するようなイメージで活動しています。
玉木:
ちなみに、先ほど雑談からアイディアを出し合い企画を作るとありましたが、企画を作るのは柏木さんをはじめ、他に広報担当・企画担当の方がいらっしゃるのでしょうか
柏木さん:
います。私以外にも正式な広報はおります。ただ、企画立案者は社員もパートの方も含めた、全ての従業員です。竹本や私が皆とする、「こんなのあったらいいな」とか、「巷ではこんなことが流行っている」いうちょっとした会話から生まれることがほとんどです。みんながアイディアマンなんですね。
玉木:
なるほど~では、全員で集まり企画会議を定期的に開催するのではなく。それぞれで雑談をして進めている感じでしょうか。
柏木さん:
そうですね。全員で集まる定期会議はしないですね。集まれないといった方が正しいですね。従業員の人数が少ないので、皆、持ち場を離れられないんですよ。
玉木:
なるほど!そういうことですね~
柏木さん:
そこが他社と大きく異なる点かもしれませんね。月に1回、鉄道業務の会議をしていますが、それですら全員は集まれないのです。運転士は3人、線路を直す人たちは5人しかいないので、皆集めようとすると、電車が止まってしまいますよね。(笑)
だから、社員数の多い会社さんのような会議はしません。雑談中にアイディアが出て、企画が立ち、ゆくはマーケティングの話にまで至るのだと思います。
玉木:
企画担当や広報担当の方は何人いらっしゃるのでしょうか。企画専属の方もいらっしゃるのですか。
柏木さん:
はい。広報は1人おります。企画専属の従業員はいないです。企画は全従業員です。
ただ、基本的には竹本が突然、何かを言い始め始動することが多いですね。一方、ネットショップで販売する商品の中には、従業員が企画して、勝手に作ったと結果報告してきた事例もあります。まさに「お先真っ暗セット」は事後報告してきたパターンです。勝手に発注して製品化しても批判されるどころか、「ほーう!これ凄いね」みたいに感心してしまうという。(笑)
“最初に取材に来てくれたメディアに手厚く対応すること”で報道の連鎖が生まれる
玉木:
このようなユニークな施策や商品を出されておりますが、その際の広報活動はどのように展開されているのでしょうか。
柏木さん:
そうですね。広報活動と聞かれると非常に難しいですね。
先ず皆さんには、我々と同じことをしても、必ず成功するとは限らないということをご理解いただければと思います。なぜなら、弊社と皆さんの会社では、土台となる企業イメージが違うからです。置かれている立場、土俵が違うので参考程度にしてください。
私ども鉄道会社は公共交通機関です。基本は電車を遅らせず、運休せずに走らせることが使命です。このような会社がおこなえる広報活動は、普通は縛りが多いと理解しておいてください。だから、副業をすること自体、難しいことです。
ところが、弊社は鉄道の修理費を生み出すため、昔から「ぬれ煎餅」の販売という副業を行なっています。つまり、皆さんからは、潰れそうな赤字のローカル鉄道と思われ、“いつ、潰れてもおかしくないので助けてください、お願いします”というイメージが強くあると思われます。ここが、他社にはない、弊社の土台となる企業イメージなのです。
このような、切羽詰まったイメージを全面に打ち出す普通じゃない会社の広報活動は「普通じゃないことをやる」ことです。ということは、普通に宣伝してもダメだということなのです。
つまり、“潰れそうなローカル鉄道会社は、皆さんの力添えが必要です”というイメージをベースに、切り口を考え広報活動を展開することだと思っています。その上で、皆さんの心に刺さる言葉や文章、その見せ方を工夫することが重要だと感じています。
玉木:
ちなみに、メディアに情報提供をされる時や、取材を受けられる時に意識されていることは何かありますか。
柏木さん:
今、お話した弊社の企業イメージを意識した上で、2つ心がけていることがあります。
一つは、新聞社やテレビ局をはじめ、メディアにはそれぞれの考え方があり、各社の特性があると思います。その特性は大事にしています。
二つ目は、これまでのお付き合いを大事にし、関係性に配慮をした上で行っていますが、興味を持っていただき、一番はじめに連絡をいただいた会社に対して手厚く対応するやり方をしています。そこをしっかり行うことで、他社さんも興味を示され連絡をくださいます。つまり、メディアがメディアを呼ぶやり方ですね。このやり方を徹底しています。
玉木:
柏木さんがおっしゃる「手厚く」というのは、新聞・雑誌・テレビに限らず、という考え方でよろしいでしょうか
柏木さん:
そうですね。興味をもっていただいて、発信したネタに対して一番はじめにアプローチしていただいた会社には、会社の大小関わらす、手厚く対応させていただきます。と、メディアの方にもハッキリ伝えさせていただいております。
玉木:
ちなみに、「手厚く」とは具体的にどんなことでしょうか
柏木さん:
初めにこちらから出している情報は少ないわけです。だから、余計なことも教えてあげますよ、ということですかね。(笑)
玉木:
より詳しく情報提供をする、ということでしょうか。
柏木さん:
そうです。やはり、メディアの皆さんからすれば、新しいネタが欲しいですよね。だけど、プレスリリースに書かれている情報は均一で、どのメディアの方も知っている話です。そうなると、特に欲しいのは銚子電鉄が仕掛けている裏側の話だったりするわけです。だから、そのあたりの話をお伝えすると、喜ばれて紹介してくださいますね。
玉木:
ちなみに、メディアの方とのお付き合いは何か特別なことをされていますか。例えばセミナーや食事会といった取り組みをしていらっしゃるとか。
柏木さん:
勉強会はしていませんが、以前は食事会のような席は設けていました。しかし、今は行っていません。
ちなみに、余談になりますが…。長い付き合いのメディアの方には、プレスリリースを配信する前に、具体的な話はしませんが、「こんな事をするかも」や「こんなこと企んでいるかもよ」程度の話を軽く予告することはあります。また、面白いことに、こちらが何も言わず静かにしていると、メディアの方から「何か、隠しているでしょう?」と、気になって連絡して来られることもあります。
このような関係性を構築できるように、日々お付き合いを重ねています。
玉木:
なるほど~、ありがとうございます。では、年間どのくらいメディアに取り上げられていらっしゃいますか。
柏木さん:
どのくらいかぁ…皆さんが目に触れているテレビやラジオ、新聞という部分で考えると。何十回ではすまないくらい多く取り上げていただいております。(笑)
運行スケジュールより緻密!?計算されつくされたPR戦略とは(後半)に続く