“防犯カメラ屋さん”から“映像データの活用で社会問題を解決する企業”へとイメージを転換―「セーフィー」広報・鈴木章子さん

今回は、あらゆる映像データと解析アプリケーションにより社会問題の解決を目指す、セーフィー株式会社の鈴木章子さんに、広報・PRパーソンならではのリアルな企業広報のお話を伺った。
(インタビュー:編集長)

記者発表会が迫っているのに広報経験者がいない!?入社2か月で営業サポートと兼務で広報へ

鈴木さん「大学を卒業してから、保険会社の営業や、インテリアデザインの学校で事務などを行っていました。」

鈴木さん「大学を卒業してから、保険会社の営業や、インテリアデザインの学校で事務などを行っていました。」

編集長:今日は、お話聞くのをとっても楽しみにしていました。

鈴木さん:ありがとうございます。 私は営業や営業事務など、色々なことをやっての今(広報)で、業務としてはマーケティングや営業に近しい広報かもしれません。広報一筋という方に比べ、どのくらいお話できるか不安ですが、できる限りお話しさせていただきます!

編集長:そうなんですね!改めて、これまでのキャリアについてお聞かせいただけますか。

鈴木さん:大学を卒業してから、保険会社の営業や、インテリアデザインの学校で事務などを行っていました。広報のキャリアを歩み始めたきっかけは前職です。飲食店や美容系のお店のポイントカードシステムを扱う、販売代理店だったのですが、当時の社長が、店舗を回っていくうちに、新規の集客で困っているお客様が多いことから、お店の空いてる時間に割引でサービスがお試し体験ができるサイトを自社で立ち上げました。当時は他にないサービスだったので、メディアにも注目されて取材が入るようになりました。その対応やプレスリリースの発信も行った方が良いということになり、私がサイトの編集責任者をしながら、広報を始めることになりました。約10年在籍していたのですが、広報は兼務で7〜8年担当していました。その後、セーフィーに入社しました。

編集長:セーフィーには、広報として入社されたのですよね?

鈴木さん:実はちがうんです!当時、セーフィーはまだ10人くらいの会社で、私はカスタマーサポート、営業サポートの枠で入りました。ただ、入社後2ヶ月くらいの時に記者会見をやるという話になっていたのですが、広報担当がいなかったので、経験があった私と当時のCMOで対応したことからそのまま広報になりました。その話がなかったら、今も広報ではなかったかもしれません。

編集長:記者会見を境に専任広報に?

鈴木さん:最初は、営業サポートと兼務でした。入社から2年半くらいのタイミングで専任になりました。

編集長:前職でも兼務で広報をされていたということでしたが、セーフィーに入社されてから、広報のスキルアップをはかるために、外部の方からもレクチャーを受けて、広報PRのノウハウを吸収されていったそうですね。

鈴木さん:そうです。以前から、自社だけで広報PRを行うというより、外部のナレッジやリソースを使わせていただきながら、広報業務を運営してきており、現在もPR会社さんにサポートしてもらいながら進めています。

世界観を統一するのも広報の重要な仕事

鈴木さん「弊社ではコンテンツ編成会議を開催しており、事例の内容や見せ方、打ち出し方が社内でブレないよう話し合っています。」

鈴木さん「弊社ではコンテンツ編成会議を開催しており、事例の内容や見せ方、打ち出し方が社内でブレないよう話し合っています。」

編集長:現在、社内の広報体制はどうなっているのでしょうか。

鈴木さん:マーケティング部の中に広報チームがあり、2021年2月まではひとり体制だったのですが、2021年3月と今年2月に1名ずつ増え、現在は3人体制です。

編集長:PR会社とセーフィー広報チームの役割分担はどうされているのでしょうか。

鈴木さん:セーフィー広報としては、自社のブランディングやコンテンツなど発信内容の統一、 あとは“空気を作っていく”ためにどうしたらよいかの戦略を描くことに注力しています。今でいうと、映像データを活用して、現場のDXの加速に力を注いでいるので、例えば、複数店舗をお持ちの店舗現場や、建設現場などのDXを、世の中のトレンドに乗せていきたいと考えています。2021年12月には調査リリースも出しましたが、戦略的なPRを進めることが主なミッションになっています。

編集長:メディアアプローチはPR会社に協力をお願いしつつ、戦略は広報チームでということでしょうか。

鈴木さん:戦略も外部のナレッジを入れつつですが、それを社内外にどう展開していくかのとりまとめや、広報以外の部署の発信にもきちんと戦略が反映されているかは注視しています。

編集長:具体的にはどういうことでしょうか。

鈴木さん:例えば営業資料にも我々が実現したいことがきちんと反映されているかです。なぜここまで力を注ぐかというと、我々の事業は「防犯カメラを売っている会社」に見られがちだからです。でも、我々は、カメラを売りたいのではなく、何らかのデバイスから取得した映像データを活用し、AIなどの解析技術を組み合わせて、社会課題を解決していくことをミッションにしています。そういった我々の世界観を伝えなくてはいけないので、営業資料をはじめ、社外に発信する弊社の情報には目を通し、文言やページの追加や変更を提案しています。

編集長:営業の方も協力的ですか。

鈴木さん:はい、皆すごく広報の意見に耳を傾けてくれます。あと、弊社では月2回、「コンテンツ編成会議」を開催しており、営業やデザイン、人事、マーケティングのメンバーなどが集まり、事例の内容や見せ方、打ち出し方が社内でブレないよう話し合っています。

編集長:「コンテンツ編成会議」は何名くらいが参加されているのですか。

鈴木さん:10人くらいです。

編集長:どういったことをお話されているのでしょうか。

鈴木さん:例えば広報からだと、プレスリリースの内容や発信のタイミング、マーケティングからだと、展示会やメルマガのタイミング、営業は弊社のサービスがお客さまにどう使われているかを共有しています。広報としては、各部署の情報を吸い上げる場にもなっています。

編集長:すごくいいですね!

鈴木さん:代表の佐渡島はマーケティング畑を歩んできていることもあり、見せ方や打ち出し方に強いこだわりを持っています。今から3年半くらい前に、営業の資料や、メディアに出す文言が統一されてない時がありまして、その時に部署を超えて横串を通せるようにして、会社から発信する情報を統一しようということになり、私が立ち上げさせていただきました。

編集長:こういうところから広報ネタが見つかることもあるわけですよね、現場でそういう動きがあるんだとか。

鈴木さん:仰る通りで、当時は、参加者も「なぜこの会議が必要なのか」という気持ちもあったと思うのですが、今は、逆に営業やマーケティングから広報に対して提案や要望をいただく機会も増えました。

新たなキーワード「現場DX」を生み出し、コロナ禍での課題解決へ

“現場DX”とは、セーフィーが掲げるビジネスコンセプトを表すワードである。

“現場DX”とは、セーフィーが掲げるビジネスコンセプトを表すワードである。

編集長:ブランドイメージの統一や認知向上、戦略PRを進める上で、コンテンツ編成会議以外にどういうことに着手されてるんですか。

鈴木さん:さきほども少し触れましたが、PR会社と一緒に調査を行い、リリースを出しました。

【クラウドカメラ「セーフィー」が現場DXに関する実態調査を実施】サービス業・輸送業・建設業などの現場仕事を有する管理職1,000人が回答!コロナ禍でもリモート化できなかった、管理職の「現場依存業務」
https://article.safie.link/blog/4418/

「現場DXに関する実態調査」で、“現場DX”とは、弊社が掲げるビジネスコンセプトを表すワードです。店舗をお持ちの現場や建設現場など、コロナ禍でもリモートワークできない職種は少なくありません。そのリモートワークが進まない現場で、ウェアラブルタイプなどのクラウド録画カメラを利用しDX化できる業種を知ってもらい、活用していただきたいと、こういった調査リリースを出しました。

あとは、映像データの活用という点では、複数のAI企業と生産ラインの不具合を出した時に検知するシステムや混雑状況の可視化などに取り組んでおり、映像データをどう活用しているのか、何に使いどう役に立つのかを発信することで、カメラ屋さんのイメージを払拭し、弊社が目指すべきところを発信しています。

こういった施策を通し“現場DX”の空気を作りつつ、次の新製品の発売に繋げていくといったことを、戦略的に考えています。

編集長:なるほど。調査に加え、カメラをどう活用してもらえるのかというシーンを想像してもらえるような情報発信は、すごく大事ですね。そういう意味では、事例を対外的に発信していくことにも力を入れているということですよね。

鈴木さん:事例に関しては、広報チームが立ち上がる前から社内で取り組んでまして、現場の声を発信していくというのは、大切にしています。

上場セレモニーの挨拶に込めた「広報の狙い」

鈴木さん「防犯カメラ屋さんが上場ではなく、映像データを活用して“現場DX”をする会社であるが上場という認知をしてもらえるようマーケティングと連携しながら進めました。」

鈴木さん「防犯カメラ屋さんが上場ではなく、映像データを活用して“現場DX”をする会社であるが上場という認知をしてもらえるようマーケティングと連携しながら進めました。」

編集長:取材も多く入ってきていると思いますが、対応するにあたり、広報として工夫されてることはありますか。

鈴木さん:防犯カメラというと、一昔前の白黒やカクカクした映像をイメージされているメディアの方も多いのですが、今はHD画質でなめらかに、かつ、リアルタイムで見ることができるので、実際に画を見ていただくというところは大切にしています。

オフィスに来ていただくと、社員の実家の牧場などで起動させているカメラの映像を実際にご覧いただけるので、イメージと違いましたと言っていただくことも多いです。ウェアラブルタイプのカメラで、実際にその場で動きながら撮ってる画も見ていただけるので、メディアさんに対しても、まずは、こんな風に見ることができるんだと体感していただくところに重きをおいています。

編集長:最近は、どういう取材のオファーをいただくことが多いですか。

鈴木さん:上場関連や起業からの歩みといった、代表の想いやなぜこのサービスを始めたのかという取材が多いです。その他には、上場時に、親引けというコーナーストーン投資という手法をとったのですが、それが日本では初めての多額の例であったため、CFOへの取材も増えています。

編集長: 今お話があったように、2021年9月29日のマザーズ上場は広報として大きかったと思います。どういったミッションを掲げ、どういった取り組みをされたのでしょうか。

鈴木さん:セーフィーとしてCMを打つなど大きな広告活動もしていなかったので、セーフィーのことを知っている方の方が少ないという前提で、上場セレモニーの世の中に向けた初めましての挨拶の時に、どこまで自分たちのビジョンを伝えられるかが重要だと思っていました。「防犯カメラ屋さんが上場」ではなく、映像データを活用して“現場DX”をする会社であるが上場という認知をしてもらえるようマーケティングと連携しながら進めました。マーケティングの中に、ブランディングを担当するチームがあるので、IPOの際は、代表のスピーチの草案作成や記者発表など、一緒に取り組むことが多かったです。

編集長:詳細は、鈴木さんがnoteにも書かれているので、気になる方はそちらを見ていただいてもいいかもですね。

[セーフィー広報/PRブログ]上場日に向けた準備と当日の裏側をご紹介!
https://note.com/safie_/n/nf6ecfc56e15b

ちなみに、私は セーフィーさんのことを防犯カメラ屋さんと思っていないので、ブランディングは成功されているのではないでしょうか。未だに「防犯カメラ屋さんでしょ」って、言われることありますか?(笑)

鈴木さん:最近でもメディアの方から、「ホームページを見ると、防犯カメラの色が濃いと思いましたが、そんなことまで構想されてるんですね」と言われることがあります。メディアの方でもそう思われるので、きっと一般の方からすると、まだ防犯カメラ屋さんと思われているのではないかと考えています。

編集長:そこの解決は広報としてのミッションですね。

鈴木さん:はい。感度の高い方は防犯カメラとデータ活用がすぐ結びつくと思うのですが、そもそもクラウドに映像が上がるというのがどういうことか、ピンと来ない方もいらっしゃいます。リテラシーによって受け止め方が違うのではないかと感じてます。

編集長:なるほど…。広報として一番苦労しているところも、そういう方たちの理解をいかに進めていくかというところなのでしょうか。

鈴木さん:そうですね。実際に、企業さまでの活用事例を具体的にお話できることが増えれば、映像データの活用とかAIといった難しい話ではなく、“セーフィーだったら、こんなことができるんだ!”と、直感的に理解していただき、自分ゴト化していただきやすいのではないかと思っています。

採用広報にも注力~中途では毎月約10人が入社

鈴木さん「以前に比べると、応募してくださる方の人数は増えていると感じます。」中途採用は毎月10名くらい入社されるそう!

鈴木さん「以前に比べると、応募してくださる方の人数は増えていると感じます。」中途採用は毎月10名くらい入社されるそう!

編集長:最近注力している広報テーマはありますか。

鈴木さん:会社やサービスに関する認知拡大も注力していますが、今は採用広報にも注力しています。

編集長:採用広報では、どういったことをされているのでしょうか。

鈴木さん:少し前までは、エンジニアのブログや、採用イベントにも関わっていました。現在は、人事の人数も増えたので、それらは広報ではなく人事で対応していますが、採用に関連するイベントなどは編成会議に挙げてもらい、広報からは追加で入れてもらいたい要素を伝えたり、内容に応じプレスリリースを出す決定をしたりしています。

編集長:採用サイトに上がっていた企業紹介スライドは、すごく見やすくて、志望度が高まる気がしました!

鈴木さん:ありがとうございます!あのスライドも編成会議で何回も話し合って、どのコンテンツを入れるか決めました。

編集長:採用に力を入れてると聞いた時、「やっぱり!」と思ったんです。採用ページはすごくわかりやすいし、成長性も感じられ、かつ入社したら楽しそうで、人が集まりそうだなって思いました。
実際、採用応募数は伸びていますか。

鈴木さん:Forbes JAPANの掲載や上場もあり、以前に比べると、応募してくださる方の人数は増えていると感じます。中途採用だと毎月10名くらい入社されてくる状況です。

編集長:急速に増えてますね!?

鈴木さん:すごいですよね(笑)。

編集長:それだけ毎月多くの方が入ってくると、広報としては、新しく入ってきた人と既存社員のリレーションを構築する取り組みも必要になってきそうですね。

鈴木さん:そろそろ、そのフェーズかもしれません。今は人事がインナーブランディングを担ってくれています。

企業や自治体との連携リリースは、IR視点で大きな意味合いが

鈴木さん「IRは広報とは別で経営管理本部にあり、プレスリリースを出す際は必ずIRを通しています。」

鈴木さん「IRは広報とは別で経営管理本部にあり、プレスリリースを出す際は必ずIRを通しています。」

編集長:昨年と今月で1名ずつ広報が入社され、広報チームが大きくなっていますよね。広報チームへの期待が大きくなっていることの表れなのかなと思ったのですが、広報のマンパワーを増やしている背景をお聞かせいただけますか。

鈴木さん:まずは、ひとりふたりでは対応しきれないくらい案件があるということです。あとは、昨年12月から弊社の営業体制がビジネスユニット制という、対飲食・小売などの店舗、建設、新サービス・インフラ設備系へのサービスに対応する組織というように、3つわかれました。今後、広報もその組織ごとに担当をつけていく可能性があります。そういった背景もあり増員しています。

編集長:案件がすごく多いということですが、広報が対応する案件として、どういったものが多いのでしょうか。

鈴木さん:他社連携やAPI連携が増えています。その都度プレスリリースを出していますが、その他にマーケティングが取材した事例をもとにメディアさんにアプローチし、取材につながれば各方面の調整を行っています。

編集長:連携のリリースは、メディアに取り上げてもらうというよりは、企業としての進捗を発信するために、IR的なところも意識して対応されているのでしょうか。

鈴木さん:仰る通りです。IRに対する影響も大きいので、これまでは積極的に拾っていなかったものでも積極的にリリースを出すようになりました。
IRは広報とは別で経営管理本部にあり、専任がひとりいるのですが、プレスリリースを出す際は必ずIRを通しています。その他にも、例えば決算発表の資料は広報にも事前に共有してもらい、決算発表後に代表インタビューなどがあれば、その内容を広報の資料に反映させるということもしています。

KPIは活動量!戦略PRによる空気づくりに挑む

鈴木さん「現在のKPIはリリースの発信何本と「現場DX」を推進する事例やコンテンツなどをニュースレターのような形で何本発信できたかです。」

鈴木さん「現在のKPIはリリースの発信何本と「現場DX」を推進する事例やコンテンツなどをニュースレターのような形で何本発信できたかです。」

編集長:御社の広報ミッションは、空気作りやブランディングと、なかなか数値ではかるのが難しそうですが、どういったKPIを掲げていらっしゃるのでしょうか。

鈴木さん:現在のKPIはリリースの発信何本と、「現場DX」を推進する事例やコンテンツなどをニュースレターのような形で何本発信できたかです。あとは参考程度に広告換算額も出しています。

編集長:現状は、活動量に重きを置かれたKPIなんですね。
空気がつくれたかを測るというのは、結構難しいですよね。

鈴木さん:難しいですね…。マーケティングでも空気づくりに取り組んでいるので、広報だけの成果と捉えることもできないですし、もっと言うと、空気がつくれたかも数字で測ることは難しく、“体感”だと思っています。でも、そういう空気になった世の中を見てみたいという気持ちがあります。

編集長:鈴木さんたちが挑んでいる空気づくり、今後どうなるか楽しみにしています!

PRマガジン編集部の「編集後記」

編集後記:編集長

―あれよあれよという間に認知が上昇したセーフィー

ZOOM取材中の様子

ZOOM取材中の様子

PRマガジンの取材候補リストには、多くの企業広報さんの名前がリストアップされている。

リストアップしてからすぐに取材を打診させていただく方もいれば、少し寝かせる方もいる。寝かせる理由は様々。セーフィーの鈴木さんもその一人。

理由は、私がセーフィーさんの壮大なビジョンを当時は理解できていなかったから。

でも1年くらいの間に、色々な方経由でセーフィーさんの情報が入ってきて、「すごく面白い会社!」という認識に変わった。その頃には、もう上場というタイミングだった。社員が10名くらいの時に入社した鈴木さんは、認知が低い状態から現在のセーフィーに至るまでを、広報という裏方で支え続けた人。

個人的な感覚からしても、特にこの一年くらいで、取材中におっしゃっていた「防犯カメラ屋さんというイメージからの脱却」にだいぶ成功されたのではないだろうか。

―周囲を巻き込みチームで戦う広報を展開

インタビューを通し、「私が」という主張をほとんどされなかった鈴木さん。広報活動に関しても、PR会社や社内のマーケティングやIRと連携して進めていることを強調されていた。確かに、広報はひとりでは戦えない。周囲を巻き込む力が大事だ。鈴木さんはその力をお持ちなのだろう。それを象徴するのが「コンテンツ編成会議」だ。

組織は大きくなればなるほど、社内から情報を吸い上げるのが難しくなる。吸い上げられないと情報発信の機会を失うだけではなく、対外的に発信するメッセージの統一もできなくなってくる可能性がある。

そういった意味でも、鈴木さんが始められたような部署で横串を刺し、情報共有する場がまだない企業の広報は検討してみてはいかがだろうか。

今回のPRパーソン紹介

鈴木 章子(すずき・のりこ)

保険営業やインテリアスクールの事務などを経験した後に入社した販促システムの販売代理を行う企業が立ち上げた店舗の予約サイトにメディアから多くの取材が入ったことをきっかけに、広報としての業務を行うように。2017年、営業サポートとしてセーフィー株式会社に入社。直後に企画されていた記者発表会の対応に広報経験者として参加したことをきっかけに、その後2年半ほど、兼務で広報を担当。現在は、専任広報としてブランディングや「空気づくり」に注力。

セーフィー株式会社(https://safie.co.jp/

2014年10月設立。「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げ、いつでも・どこにいてもカメラの映像を確認できる映像プラットフォームを提供。あらゆる映像データと解析アプリケーションにより、社会問題の解決を目指す。