「テレビに出たい」のその先へ。見逃し配信時代に勝つPR・広報の仕掛け

「テレビ離れ」が叫ばれるようになって久しいものの、今もなお「自社の商品をテレビで紹介してほしい」「テレビに出演したい」と考える企業や経営者は少なくありません。

テレビは依然として多くの人に情報を届けられるメディアですが、その視聴スタイルは大きく変化しています。近年は民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」の普及により、リアルタイムだけでなく、好きな時間に番組を視聴する人も増えています。

この変化は、企業のPR活動にも新たな可能性をもたらしています。

今回は、元テレビディレクターの視点から、見逃し配信時代におけるテレビPRの価値と、露出効果を最大限に生かすための広報戦略について解説します。

リアルタイムから見逃し配信へ!TVerの急成長で変わるテレビの影響力

かつてテレビ番組は、決められた時間に視聴するか、録画して後から見るものでした。しかし現在は、インターネットを通じて、好きな時間に好きな場所で視聴できる時代になっています。

その変化を象徴しているのが、TVerの急成長です。

株式会社TVerが2026年9月に発表したデータによると、同年8月のコネクテッドTV(インターネットに接続されたテレビ端末)における月間動画再生数は2.3億回に達し、過去最高を更新しました。特に20~34歳の再生数は前年同月比238%と、大幅に増加しています。

また、2025年12月にはTVer全体の月間動画再生数が6.5億回を突破。月間ユーザー数も過去最高となる4,460万ユニークブラウザを記録しました。

こうした数字から見えてくるのは、テレビコンテンツの視聴方法が多様化しているということです。

以前は、見たい番組が放送される時間に自宅にいなければ、録画する必要がありました。しかし現在は、通勤時間にスマートフォンで視聴したり、休日に自宅のテレビでまとめて楽しんだりすることもできます。

つまり、テレビ番組は必ずしも「放送された瞬間だけに視聴されるもの」ではなくなっているのです。

企業の広報活動においても、番組の視聴率や放送時間帯だけでなく、見逃し配信による新たな視聴機会にも目を向ける必要があるでしょう。

テレビ露出の価値が変わる?放送とネット配信が生み出す新たなPR効果

テレビPRの大きな強みは、映像と音声を使って情報を分かりやすく伝えられることです。例えば、新しい技術の仕組みを文章で説明するよりも、実際に使われている様子を映像で見せた方が、視聴者に伝わりやすい場合があります。

さらに現在は、こうしたテレビの強みに、ネット配信という新たな価値が加わっています。

例えば、企業の商品が情報番組で紹介された場合、リアルタイムで視聴した人だけでなく、見逃し配信を通じて後から知る人もいるでしょう。

また、テレビ局のニュースサイトに関連記事が掲載されたり、番組の公式SNSで紹介されたりすれば、テレビを普段あまり見ない人にも情報が届く可能性があります。

つまり、テレビ露出が放送だけで完結せず、ネット上で新たな情報接触の機会を生み出すこともあるのです。

ただし、すべてのテレビ番組がTVerで配信されるわけではありません。特にニュースや情報番組は、権利上の事情などによって配信対象や内容が限定される場合があります。

それでも、テレビ露出を一度きりの情報発信ではなく、ネットを含めたPR活動の起点として捉えることは、これからの企業広報において重要になってくるでしょう。

「放送されたら終わり」にしない!テレビ露出を最大限に生かす仕掛け

テレビの取材を受け、無事に放送されたことで満足してしまう。企業の広報活動では、こうしたケースも少なくありません。

しかし、テレビ露出を一過性のものにしないためには、放送前後を見据えた準備が必要です。

まず重要なのが、視聴者の受け皿を整えておくことです。

テレビで商品が紹介されれば、興味を持った視聴者が企業名や商品名を検索する可能性があります。その際、公式サイトに詳しい情報がなかったり、問い合わせ先が分かりにくかったりすれば、せっかくの関心を次の行動につなげられません。

取材が決まった段階で、商品紹介ページや問い合わせ窓口などを確認しておくことが大切です。

次に考えたいのが、放送後の情報発信です。

例えば、番組で紹介されたことを公式サイトやSNSで知らせたり、放送では紹介しきれなかった開発の背景や担当者の思いを発信したりする方法があります。

テレビでは放送時間の制約から、取材したすべての情報を紹介できるわけではありません。実際の番組制作でも、数時間の取材に対して、放送で使われるのは数分、場合によっては数十秒ということもあります。

だからこそ、テレビで伝えきれなかった情報を、企業自身が補足することには意味があります。

また、見逃し配信がある場合は、公式の配信ページを案内することも考えられます。ただし、番組映像や画像の二次利用には著作権などが関係するため、使用する際は権利者への確認が必要です。

テレビへの露出を単発の成果で終わらせず、次の情報発信や営業活動につなげる仕組みを整えておくことが重要です。

視聴率だけでは測れない!テレビPRの成果をどう評価すべきか?

テレビPRの成果を評価する際、視聴率や番組の知名度を重視する企業は少なくありません。

確かに、多くの視聴者がいる番組で紹介されることは、認知度を高めるうえで大きなメリットがあります。しかし、視聴率が高い番組に出演したからといって、必ずしも商品が売れたり、問い合わせが増えたりするわけではありません。

例えば、一般消費者向けの商品であれば、放送後の商品名の検索数やECサイトへのアクセス数が参考になります。一方、BtoB企業の場合は、取引先との商談で話題になったり、採用活動で企業を知ってもらうきっかけになったりすることも考えられます。

つまり、テレビPRの成果は企業の目的によって異なるのです。

認知度向上が目的なら検索数やサイトへのアクセス数、販売促進なら売上や問い合わせ件数など、事前に評価指標を設定しておくとよいでしょう。

ただし、数字の増減がすべてテレビ露出によるものとは限りません。同時期の広告やキャンペーンなどの影響も考慮する必要があります。

また、テレビ局という第三者の視点で企業の取り組みが紹介されることは、企業の認知度や信頼性を高めるきっかけにもなります。

テレビを取り巻く環境は変化していますが、企業や人の取り組みを映像で分かりやすく伝え、多くの人に届けるというテレビの役割は今も変わりません。

重要なのは、「テレビに出ること」を最終目標にするのではなく、その先にどのような成果を生み出したいのかを考えることです。

テレビに出たことで何を伝えられたのか。そして、その情報を受け取った人にどのような変化が生まれたのか。

そこまでを見据えた広報戦略こそが、見逃し配信時代に求められるPR・広報の仕掛けといえるでしょう。

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株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】 ナイトウォーカー
【これまで担当した業界】 食品・飲料・医療・美容・自治体関連・出版社
【趣味】 夜の散歩、温泉めぐり
<個人的おすすめ温泉BEST3>
1、宝川温泉(群馬) 川沿いの絶景露天、紅葉や雪の時期が最高です
2、ほったらかし温泉(山梨) 眼下に甲府盆地が広がり富士山も見えます
3、西の河原温泉(群馬) 山に囲まれた日本有数の巨大露天風呂です
【プチ自慢】
テレビディレクター時代に、レオナルド・ディカプリオやミラ・ジョヴォヴィッチなどハリウッドスターのインタビュー取材をしたこと

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