この記事の目次
- 社員インタビューは重要なコンテンツ。インタビューする広報がおかしがちな失敗とは?
- 採用広報に活用するブログは「継続」が何より重要。社員を巻き込む仕組みづくりとは
- 広報・採用戦略の違いによる「採用導線」
- 一目で理念や社風が伝わるInstagramから採用サイトへ誘導(NEXTAGE GROUP 鶴岡さん)
- コーポレートサイトを最上級のコミュニケーションツールと位置付けた情報発信設計に(エイチーム 安藤さん)
- Wantedlyは「採用メディア」と位置づけ、認知アップを図る(GIG 尾崎さん)
- 採用に貢献する各種広報施策とは
- 口コミサイトと認知度調査で、自社を客観的に分析(エイチーム 安藤さん)
- 毎日SNSでエゴサーチ!地道な活動でファンを増やす(GIG 尾崎さん)
- 情報発信から逆算し、学生とのイベントには企画から参加(NEXTAGE GROUP 鶴岡さん)
社員インタビューは重要なコンテンツ。インタビューする広報がおかしがちな失敗とは?
若林:
先ほど安藤さんのお話の中で社員インタビューを積極的に獲得されて、時にはご自身で寄稿もされているとのことでしたが、インタビュー記事の影響力はどうですか?
安藤さん:
影響力は多方面でありますね。先ずはインタビューを受けた社員自身が「嬉しい」と感じていることです。本人のモチベーションへの影響は勿論のこと、その社員が所属している部署や組織においてもモチベーションとなっています。こういった、インターナルな部分でも成果はあると思っています。
有名なビジネスメディアでの社員インタビュー獲得は難しいのですが、専門メディアでは比較的取り上げていただけ、業界でのプレゼンスの向上に繋がっていると思います。また、採用候補者が見そうなメディアに載せていただけることになるので採用コミュニケーションの点でもメリットはあると思っています。
そんなブログを書く時に私が意識し心がけていることがあります。それは、「等身大の会社の様子を発信する」ということです。つまり、あまりにも背伸びした内容や逆に謙遜しすぎるような内容にしてしまうと「何が言いたいんだっけ?」と要点が曖昧になり伝えたい情報が正しい温度感で伝えられなくなります。
ですので、社員のインタビューを出す時には、良いことも悪いことも、大変だったことも、嬉しかったことも、本人の言葉できちんと書くようにしています。
一般的に、広報でレビューする時や原稿を書く時は、かしこまった内容やリスクになりそうなエピソードは削りがちになりますが、一見ネガティブに見える要素であってもストーリーとしては凄く大切な要素のため、あえて使うようにしています。
ブログを書く時もメディアへ寄稿する時も、このような「生々しい情報」を発信することによって、真実を伝えられていると考えています。
若林:
「生々しさ」ですか。それが入社後のミスマッチ防止に繋がっているのですね。
安藤さん:
実はこれも、私の失敗体験がきっかけで、このように考えるようなりました。コラムを書き出した当初は、社員インタビューを通して読者へ「経営理念をしっかり伝えなくちゃ!」と熱くなり、インタビューの際には「なぜ?エイチームに入社したのですか?」とか「どのような所に惹かれたのでしょうか?」というような質問をし、会社が答えて欲しい内容を言わせていた節がありました。でも、自分が書いた記事を1年間分全て読み返した時に、社員が皆、同じような話をしていることに気がつきました。それは、記事として面白くないし、本人達の本音をきちんと引き出せていなかった結果と痛感し反省しました。
それ以来、インタビューする時は、誘導しないようにするとか、誘導しそうなヒントすら与えないように心がけています。過去の痛い体験談や辛かった時の話をしてもらうことで本音を引き出す。そのようなことを意識し聞き役に徹しています。
若林;
それ、よくわかります。入社した動機や、やりがいを読者に伝えたいのでインタビュアーは、つい聞いてしまいますよね~。(笑)
安藤さん:
そうなんです!聞きたくなっちゃうんです!
例えば、弊社だと経営理念に「幸せ」という言葉が入っているので、「周りの人たちを幸せにすることが僕のやりがいなんです!」と話してくれる社員が結構いるのですが、「幸せ」の定義ってすごく抽象的で難しく、曖昧になりがちだと思うのです。
そこで、「では、なぜ?そう思えるようになったの?」と、経験談などを深掘りして話を聞いて行くと、実は幼少期の話や学生時代のエピソードが出て来て言葉に説得力やリアルさが増していきます。
そこで気づかされたのは、「周りの人を幸せにしたい」という一時的な情報をさらに深く質問することで出て来る先の情報を聞き取るようにします。そうすると、本心が浮き彫りになります。インタビュー記事ではそちらを採用しています。
深層心理といいますか、本音を探るような感じで、正にインタビューは戦いです!(笑)
若林:
いやぁ~とても面白いですね!
私の考えるインタビューとは、既定の質問があり、それに対してあらかじめ準備して来ていただいた内容を伺い、疑問に思ったことやもう少し聞きたいことがあれば深掘りして聞いて行くというスタイルですが、それだけではダメなんですね。
「なんで?」とか「経験談は?」と聞いて、より本音を聞き出すこと、それが社員インタビューのポイントなのですね。
安藤さん:
私、結構しつこく聞きますよ~(笑)
「あなたにとって幸せってなんですか?」とか「どういった状態が幸せと感じられるのですか?」という質問をガンガン投げかけます。もう、哲学タイムみたいになりますね。
若林:
確かに!「なんで?」「なんで?」って・・・(笑)
でも、そこがひとつのポイントになるのですね。凄く勉強になりました。
採用広報に活用するブログは「継続」が何より重要。社員を巻き込む仕組みづくりとは
若林:
先ほど、尾崎さんは「GIGブログ」のお話をされていましたが、ブログをWantedlyへ転載していくことにより、Wantedly内での記事が増えていますよね。結果、2020年12月はWantedlyのトレンドランキング1位になられ、2020年の総合賞ベスト100を獲得されていますが、ブログを書く際に意識されていることはあるのでしょうか。
尾崎さん:
採用広報のコンテンツを作る時に大事なことは継続性だと考えています。ですので、継続できる仕組み化を重視しています。
弊社であれば、「GIGブログ」では毎月このテーマで何本書く、Wantedlyは毎月ストーリーを何本更新し、毎週求人を何本アップする、というように数値目標を掲げることでコンスタントに運用し続けています。
若林:
先ほどお話されていた、ブログを書いてくれた社員へ記事制作費をお支払いする制度も継続する仕組みのひとつでしょうか。
尾崎さん:
そうです。どのようにしたら継続的に記事を書いてもらえるか、誰にどのようにアプローチしていくのかを毎月広報チームで話し合い運用しています。
弊社は、情報発信が得意なメンバーも多いのですが、記事となると限られたメンバーからしか上がって来ないということもあり、いかに書いてもらうかは注力している部分です。
若林:
それ以外に継続の仕組みでいうとどのような取り組みをされていますか。
尾崎さん:
Wantedlyは応援数が要になってくるので、社員それぞれのSNSからも情報を発信してもらい応援を呼び掛けてもらっています。
実は弊社には活動費を補助する部活制度があり、そのひとつにSNS部があります。そのメンバーに求人の拡散やインタビュー記事の拡散をしてもらい、徐々にじわじわ認知を広げてもらう活動を定期的に行っているところです。
広報・採用戦略の違いによる「採用導線」
若林:
事前に、皆さんの会社の採用導線を拝見し、面白いと感じたことがあります。
GIGさんであればWantedlyが主要な採用コンテンツで、NEXTAGE GROUPさんはLINEからも応募を受け付けている。また、ATEAMさんは他のサービスを使わず自社のホームページからの直接応募のみですよね。
鶴岡さんと安藤さんは自社サイトへの導線構築が重要となってきますが、採用広報として工夫されている点がありましたらお聞かせください。
一目で理念や社風が伝わるInstagramから採用サイトへ誘導(NEXTAGE GROUP 鶴岡さん)
鶴岡さん:
弊社の場合、学生さんにとってLINEが使いやすいサービスということで取り入れています。ただ、弊社を知ってもらえないと募集へ誘導できないので、情報をしっかり発信していくことが採用広報としては重要になってきます。
例えば、最近Instagramに力を入れはじめているのでInstagramから積極的に情報発信しています。また、webマーケティングチームと協力してホームページのブログを活用した情報発信もしています。
若林:
NEXTAGE GROUPさんだと、まずはホームページで発信しているコンテンツを見てもらい理解を深めた上で使いやすいLINEへ誘導ということですね。
鶴岡さん:
そうです。しかし、「使いやすい=誰でも良い」というわけではありません。弊社に心から共感してくれる人に入って来て欲しい、そう強く考えています。
そのため、ホームページやInstagramで発信する情報は、一目見れば弊社の理念や社風が必ず理解できるような情報の発信を心がけています。
例えば、ホームページやInstagramで紹介されている先輩社員のコメントを見た学生さんが、先輩方の想いに共感し、自分もその先輩たちと共に働きたいと思ってもらえるようメッセージを届けられるよう内容を意識し制作しています。
若林:
御社では社員研修とか内定式とか働き方とか、とても多くのリリースを出されていますよね。人事と連携してイベントから制度の話まで幅広く細かな取り組みを、どんどん発信していらっしゃるイメージですが、当然メディアへもリリースを流しているのですよね。
鶴岡さん:
はい、そうです。
本当に細かな話題でも発信しています。例えば「今度イベントします」といった、わざわざリリースを打たないような情報でもSNS上では発信するようにしているため、どこかでは情報を得られる仕組みを作っています。
例えば、弊社には、チャペルで行う入社式や、「親孝行手当」という福利厚生などオリジナル制度がいくつもあります。
そういった制度の発信や制度を活用した社員の声といった細々とした情報も発信しています。実は、このような情報発信が採用にも大きな影響を与えており、意識的に発信するようにしています。
若林:
今のお話からすると、メディアに載ることが大きな目的というよりは、トピックスを履歴としてサイトに残しておく目的の方が大きいのでしょうか。
鶴岡さん:
勿論メディアに取り上げていただきたいですが、取り上げていただくにも沢山の情報があった方が良いと思います。例えば、Aの話題では情報のバリューは弱いがAとBを合わせたらニュースになるといったこともありますので、web上でしっかり情報を発信して溜めて行くことを凄く大事にしています。実際に過去発信した内容を見て興味を持ち、新しい情報を含めて取材をしたいと依頼を受けたことが何件かあります。
コーポレートサイトを最上級のコミュニケーションツールと位置付けた情報発信設計に(エイチーム 安藤さん)
若林:
安藤さんはいかがですか。
WantedlyやLINEのようなツールは使わず、自社サイトからの採用に特化されており、ホームページに対する強い想いを感じるのですが。
安藤さん:
2016年から2017年頃、私が人事を担当していた時は、Wantedlyを活用していた時期もありましたが、紆余曲折あり、おっしゃる通りコミュニケーションに関してはコーポレートサイトを最上級のコミュニケーションツールと位置づけをして発信しております。
これは当時の個人的な私の悩みだったのですが・・・
コミュニケーションを「内容」と「相手」に合わせて掲載するツールを分けた方が良いのか?それとも、集約させた方が良いのか?ということをずっと悩んでいました。
その頃、弊社のサイトは、社長ブログや会社の取り組み、文化を発信する「コーポレートブログ」と採用候補者へ向けた「採用ブログ」というようにステークホルダーごとに内容を分けていませんでした。その状況でWantedlyとコーポレートサイトが別々で存在してしまうと、これらのメディアは誰に対して何を伝えたいのか?と、ソリューションがぼやけてしまうように感じました。
そこで、外部のプラットホームは一旦使わずに自社のサイトに全て集約させようと考え、2018年ぐらいから集約作業を加速させました。
ただ、これは現時点の話で、会社の状況次第で変わってくるとは思います。
Wantedlyは「採用メディア」と位置づけ、認知アップを図る(GIG 尾崎さん)
若林:
GIGさんは企業のホームページももちろんありますが、採用はWantedlyを中心に行われているかと思います。どういったお考えからなのでしょうか。
尾崎さん:
自社サイトから応募が来るのが一番良いとは思っています。
ただ、弊社としてはWantedlyに採用メディアとしての役割持たせコーポレートサイトとは別に採用メディアと位置づけ、求人とストーリーをどんどんアップして認知を広げています。
若林:
ブログやインタビューはWantedlyにもホームページにも、どちらにも同じものを掲載されているのですよね。
尾崎さん:
そうなんです。最後の「応募はコチラ」という部分は少し変えていますが、Wantedlyから入ると自社サイトへ飛ぶような仕組みはユーザビリティがよくないと思っており、Wantedly内で完結できるよう、どちらにも同じブログをアップしています。
採用に貢献する各種広報施策とは
若林:
今までにお聞きしたこと以外で採用に貢献するためにされている施策があればお聞かせいただきたいのですが、いかがでしょうか。
口コミサイトと認知度調査で、自社を客観的に分析(エイチーム 安藤さん)
安藤さん:
私からは2点あります。
1点目は趣味的な活動に近いのですが、求職者の方や元社員の方が所属していた企業について意見を投稿したり閲覧できる口コミサイトを眺めるのが大好きでして・・・(笑)5社ぐらいのサイトを定期的にウォッチしています。
それらの口コミサイトで元社員の方や面接を受けた学生さん、もしくは求職者の方がエイチームについてどのような印象を持っているのか、投稿を見ながら客観的に分析しています。
例えば、我々が発信したい企業ブランドイメージと皆さんが感じたブランドイメージがマッチしているのか、マッチしていないなら何が理由なのか。
また、採用面でも面接時に人事担当者の対応がよろしくなかったと書き込みがあれば、何が理由なのかを分析する材料にします。応募者からの投稿で、話をしっかり聞いてくれた、くれなかったなどポジティブだけでなくネガティブな意見も含めて情報収集し、必要があれば人事にフィードバックしています。そして、このフィードバックを基に企業として伝えたいことや採用体系を適正化するためのコミュニケーション設計に活かしてもらっています。
2点目は年に2回、企業認知度調査を行っているとうことです。
質問項目を30ほど用意し、企業やサービスを知っているかの認知度や企業のイメージなどを調査しています。
その中に採用に関する項目もあります。弊社では求職者に抱いてもらいたい働き方のイメージが7つあり、この調査を通して採用候補者となり得る方に弊社が伝えたい働き方のイメージを持ってもらえているかを調べています。
具体的には、給料が高い、働きやすい、ワークバランスがとれる、エンジニアが多数活躍している、技術力が高そうといったような働き方のイメージを持ってもらえているか聞いています。その上で、弊社で働きたいと思った方には、なぜ働きたいのか、逆に働きたくない方は、なぜ働きたくないのか、そのようなコメントもいただいています。
そして、毎回レポートにまとめて人事にフィードバックをしています。
若林:
調査内容はかなり人事よりの比重が重い印象ですが、なぜ人事部ではなく、広報がされているのですか。
安藤さん:
もともと、企業認知度調査は10年以上前から行っておりました。私が人事と採用広報の兼務になった時に認知度調査へ目をつけまして、採用項目も入れて欲しいと伝え2017年から採用項目も含まれる調査を行っています。その後、私は広報へ異動になりましたが調査項目は採用コミュニケーションでも、とても役立つものだったので継続して行いフィードバックを続けています。
若林:
なるほど、そういう経緯だったのですね。
「口コミサイト」ウォッチングはまさに人事領域の仕事に思いますが・・・これは趣味なんでしたっけ?(笑)
安藤さん:
もうライフワークですね。(笑)
私自身、人事を経験したので分かるのですが、やはり、人事の活動はとにかく手元作業が多すぎて忙しいんです。面接官のアレンジや採用候補者とのちょっとしたやり取りと、とにかくタスクに追われ長期的な戦略を考えたり、抽象的な課題に対して取り組む時間が取れないという現実があります。ですので、人事の方が、それらに着手することが今は現実的に難しいだろうと思い、また私自身そうした活動が好きなため、継続してコーポレートPRで行っています。
一方で、企業のブランドを作って行く中で、採用コミュニケーションの声を拾いフィードバックしていく活動は絶対に必要なため、広報として取り組んだ方がいいと考え個人的に長らく続けているところです。
若林:
人事って、そんなに忙しいんですね!その上で、「なるほど~」と思ったのは、認知度調査はもちろん、口コミウォッチングも広報が行った方が良いということです。会社と社会を繋ぐ役割を担っている広報が担当すれば情報収集がフラットであり、自社のブランディングと紐づけて会社にどう活かしていけばいいか提案もできる。だから、人事だけで行うのではなく広報が一緒になり行うことでより、良い循環が生まれると思いました。
安藤さん:
欲を言えば、やりたいことは、まだまだいっぱいあります。それこそ、採用活動でいえば応募者全員に弊社のブランドイメージを調査し、結果を採用活動やブランドにフィードバックして行きたいと考えています。しかし、それを行なうと採用の担当者へ更なる負担がかかるので、なかなか提案出来ない状況です。ならば出来るところから、と考え「口コミ」と「認知度調査」から拾ってきているというのが現実です。
若林:
それを行なったら、もっと凄い採用広報が展開できそうですね。
安藤さん:
具体的な解決案が宝のように眠っているので欲しいですよね。また、採用候補者の企業認知の経路がどこなのかも知りたいです(笑)
尾崎さん:
安藤さんのように採用に理解のある広報担当者がいてくれたらメチャクチャ嬉しいですね。
若林:
確かに人事を経験されて広報になられているので、どちらのことも分かりますよね。
安藤さん:
メリット、デメリットあります。
それなりに人事の知識も経験もあるので採用の担当者が発信する情報に対してシビアに見てしまうこともあり「ここの表現、大丈夫?」とか「ここ間違っているよ」など口出しをしてしまうこともありますね。(笑)
若林:
なるほど!それはそれで、心強くもありますよね。(笑)
毎日SNSでエゴサーチ!地道な活動でファンを増やす(GIG 尾崎さん)
若林:
ちなみに、尾崎さんや鶴岡さんは自社の口コミを見たりしますか。
尾崎さん:
私はSNSでめちゃくちゃエゴサ―チしています。「GIG」だとあまりヒットしないので、サービスの「Workship」で毎日調べています。また、SNSで求人をシェアしてくださっている方がいた場合、リツイートやフォローするように心がけ、じわじわアプローチ数を増やす取り組みを個人的な活動として行っています。
若林:
確かに、尾崎さんはご自身のTwitterをかなり活用されていますよね。
尾崎さん:
はい、Twitterは頑張って運用するようにしています。
採用候補者は弊社のどこに興味を持たれて応募してくださるのか、未だにジャッジすることが難しいので、そのような地道な活動を大事にして行きたいと思っています。私もSNSは趣味というか好きなので、気がつけばずっと見ています。(笑)
若林:
ただでさえ人事と広報の兼務は忙しく大変なのに、そういったことを始め出したら
てんてこまいですね。(笑)
情報発信から逆算し、学生とのイベントには企画から参加(NEXTAGE GROUP 鶴岡さん)
若林:
鶴岡さんはどうですか。SNSの活用やエゴサやその他、採用に貢献するために取り組まれていることはありますか。
鶴岡さん:
弊社もエゴサ―チはします。
後は内定後の辞退を防ぐために内定者と、どれだけ会うかは考えて活動を行っています。
若林:
「どれだけ会うか」というのは対面でですか?
鶴岡さん:
そうですね。合同説明会からはじまり、企業説明会、面接を経て内定から入社までの間に何回学生さんと会うかというところは採用担当者の中でもよく話題になります。現状としては最低でも8回以上会うことを決めているので、内定後にキャンプをしたり、入社前の合宿をしたり、ランチ会やモーニング会といった、ちょっとしたイベントをしながら学生さんと会う機会を大切にしています。
また、会えない時は社内報をご本人だけでなく、親御さんにも送付し、弊社の想いを理解していただく活動をしています。
若林:
そのキャンプや合宿などで8回以上会うという活動に、あえて広報の鶴岡さんが入っているのはどんな意味があるのですか。
鶴岡さん:
広報としてイベントがあれば、その情報発信はしていきたいので、学生さんとコミュニケーションを図るイベントは企画会議から参加させてもらい広報視点で企画へのアドバイスもさせてもらっています。
若林:
確かに鶴岡さんの会社は細かな情報でもどんどん発信して行くスタイルなので企画段階から広報も入り、イベントにも参加し自ら取材して記事化して発信していくという一気通貫スタイルは良いですね。
鶴岡さん:
先ほど、安藤さんもお話されていましたが採用担当者は本当に忙しいです。そのため物理的に情報共有もなかなか難しい状況があり課題でもあります。そこで、採用担当者の隣に私のデスクをお引越しさせていただきました。
日々、採用メンバーが何気なくしている雑談にも入るようにし、例えば採用担当者達が「こういうこと、やりたいよね~」と話していれば、すかさず加わり「いいね~!じゃぁ、こんな感じで企画を立てれば広報からの情報発信も良い感じになるかも!」というように一緒に交じって進めて行くようにしています。
また、月に1回、先々のイベントについて情報共有をしてもらう時間を作り、人事と広報の足並みを揃えるようにしています。そういった機会を設けないと、人事メンバーは行動力があるのでおいていかれてしまいます。そのため、広報からもしっかり歩み寄り情報を下ろしてもらえるように席を移し、気軽に情報をもらえるような関係性を作っています。
若林:
やはり、広報の方達って、皆さん凄い行動力がありますよね。(笑)席まで移すのはなかなか凄いなぁ~と。でも、確かに情報は待っていても来ないので自らで取りにいかないといけないですよね。
ちなみに、社内報のお話がありましたがNEXTAGE GROUPさんは社内報と別に「N
ちゃんねる」という動画も作成されているかと思うのですが、それも広報が制作されているのでしょうか。
鶴岡さん:
そうです。私がキャスター役で出演しており、社内のイベントがあれば、その様子を紹介する動画を配信しています。その際に、色々な社員にも登場してもらっています。社員も動画に出演することでモチベーションが上がり、自分達が関わる活動への理解も深まるので、様々な人を積極的に招き、巻き込んで動画の配信をしています。
若林:
その動画制作の一連の業務は鶴岡さんが全てご自身で行われているのでしょうか。例えば、絵コンテやシナリオ、ゲストのブッキング、動画編集、配信など。
鶴岡さん:
編集だけはwebチームにお願いしています。ただ、編集作業以外の部分は全て私が担当しています。
若林:
どのくらいの頻度で行っているのでしょうか?
鶴岡さん:
動画「Nちゃんねる」は隔月で配信しています。
奇数月が社内報、偶数月が動画「Nちゃんねる」としています。
若林:
そうなんですね~!やはり、文字情報だけでなく動画もあったほうがいいと感じられて始められたのですか。
鶴岡さん:
はい。勿論、8ページで構成されている社内報の発行を楽しみにしてくださっている方も沢山いらっしゃいます。しかし、社内には活字が苦手な人もいらっしゃるので、文字だけでは表現できないところにフォーカスし、しっかり情報を発信していくことに重きを置き動画の配信を始めました。
若林:
動画も学生さんや親御さんへ送付されているのですか。
鶴岡さん:
動画は社内向けですが、内容によっては採用メンバーを通じて学生さんに見ていただく場合もあります。親御さんには紙の社内報のみお送りしています。