【元新聞記者が教える】取材時にメディアを理解していないのがバレる3つのこと

こんにちは。
新聞社や出版社に情報や企画を持ち込み、取材を獲得して掲載されるまでの過程で、記者に対して言ってはいけないこと、してはいけないことがいくつかあるのをご存知ですか? 意外と知られていない記者の心理や、メディアから嫌われないためのポイントを3つ、元新聞記者の立場からお教えしたいと思います。

取材時にメディアを理解していないのがバレる3つのこと

①×「(ライバル紙・誌の)〇〇の記者が来てくれます」と取材依頼

記者時代、焦りなのか無意識なのか「(他紙の)〇〇新聞も来てくれますよ」と取材依頼されることが何度かありました。もしかしたら他社を引き合いに出せば効果があり、来てくれるのではと勘違いしているのかもしれません。

しかしこれは全くの逆効果です。特に全国紙やNHKの記者には共通して、まちの話題や企業の隠れた面白い取り組みなど、他の記者が見つけられないような情報を独自に掘り起こして書きたい、というモチベーションが大前提にあります。広報がメディアに自社を紹介し、そこに知られざるストーリーや意外な事実があると思ってもらえたなら、あえて他社に紹介している事実を言わない方が得策です。

メディアの専門用語ですが、他紙にはすべて載っている情報なのに自社だけ取材ができていなくて載っていない状況を「特オチ」と言い、記者には特ダネへのプレッシャーと同時に「特オチ」への危機感があるのも事実です。ただ記者にとって「他紙が書くなら書かなくては」と思うようなネタは、企業の不祥事などよほど大きなニュースのときだけ。広報が必死に情報提供しなくては取り上げてもらえないようなネタは「特オチ」の対象にはなりませんので、冒頭のようなアプローチは失礼かつメディアを理解していないことがバレてしまうので気をつけましょう。

②×原稿の事前チェックで表現まで修正依頼

無事取材に来てもらい、記者が原稿を書いたあとも注意すべきポイントがあります。一般紙の場合、原則として取材相手に原稿を事前に見せることはありません。これは業界内の暗黙の了解ですが、検閲や他社への漏れを防ぐためでもあります。まれに善意でこっそり原稿を見せてくれることはありますが、広報が確認すべきはあくまで事実関係。記者は取材内容をもとに読者に一番伝わりやすい言葉を選んで文章を組み立て、行数(字数ではなく)や全体を通した表現のバランスなどを整えた“完全原稿”で見せてくれています。ですので原稿を直にいじって文章を変えてしまい、行数もオーバーしてしまえば原稿全体を編集し直さなければいけなくなってしまいます。

固有名詞や年齢、肩書きなどの「名数確認」をして、万が一誤りがあれば早めに指摘することで修正可能です。それ以外はメールや口頭で理由を説明しながら「できればこう変更してほしい」と伝えたうえで、最終的な判断は記者が行います。専門紙や雑誌の場合は事前に原稿を見せてくれることが多く、文章を直接直しても良いと言われる場合もあります。
見出しについては修正依頼をひかえることをお勧めします。見出しは紙面の中で最も重要で、記事をできるだけ多くの人に読んでもらうためプロの目で練りに練っています。また一般紙の寄稿以外の記事は、書いた記者ではなく編集部門の整理部が見出しを考えることがほとんどなので、後日記者に「見出しが気に入らなかった」と言うのはお門違いと思われそうですね。

③×「いつになったら記事が載るのか」と記者を責める

〇日ごろ掲載予定です、と聞いていても、記事がなかなか載らないことがあります。「〇社が〇日に~を発表した」といったストレートニュースであればその日の夕刊か翌日朝刊に載りますが、いつ載せてもネタの鮮度が落ちない(腐らない)記事であれば後回しになり、最悪の場合はお蔵入りになってしまいます。

では誰が掲載を後回しにし、お蔵入りにするのでしょうか?
 
記者が書いた原稿を出すのは直属のデスクであり、このデスクが内容を確認、修正したあと整理部に記事が出稿されます。整理部は紙面ごとに、何をトップに置きどのような記事を入れるかその日のメニューを見て決めているので、他に大きなニュースが飛び込んでくれば記事が外されて翌日以降にまわされることがあります。
また企業や人物を紹介する持ち回りのコーナーであれば、いつ自分の担当日がまわってくるのかはっきり分からないこともあります。

このように記者がすぐに原稿を書き、早めに自分の記事を使ってほしいと編集部門に伝えていても、実際はいつ載るのか本人もわからないことがあるのは意外と知られていません。内情を把握している広報担当者であれば「いったいいつになったら記事を載せてくれるんですか!」と記者を責めることはしません。

記者にとって失礼な言葉や行いを知っておくメリットは、記者個人とのトラブルを避けられるということだけではありません。メディアの構造や事情をわかっていると好印象ですし、次の取材にもつながりやすくなります。逆にあれもこれもと主張してメディアに悪い印象を与えてしまえば、それ以降は取材候補から外されてしまうかもしれません。

世の中の評判や認知度を上げるための広報で、逆に評判を下げるような行いをしないよう気を付けたいですね。記者との付き合い方についてさらに詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

【ニックネーム】週末ボーカリスト
【これまで担当した業界】人材研修・教育、人材コンサルティング、金融、省庁の外郭団体など
【趣味】ボーカル活動(ゴスペラーズを輩出した大学アカペラサークル出身。オリジナルのポップスやジャズのバンドでライブ経験あり)、国内外の島巡り、ミニシアター系映画鑑賞、フルマラソン(2回完走)
【プチ自慢】2007年に滋賀県彦根市で行われた「世界一長いコンサート(連続184時間)」にアカペラで参加し、ギネス記録達成!
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