ひとり広報さんのお悩みNO1!社内を味方につける方法

ひとり広報さんのお悩みNO1!社内を味方につける方法

広報活動はメディアに掲載されることだけではない


 先日、広報担当者の交流会に参加する機会がありました。女性限定の交流会で、みなさん初対面にもかかわらずさすが広報ウーマンのコミュニケーション力。すぐに打ち解け盛り上がり、自身の仕事の悩みや懸案事項などの情報交換になりました。

そこでたくさんいらしたのが、「ひとり広報」だという方々。さらに、総務や秘書などの他の業務との兼務されている方や社内初の広報部員という方も多く、「どのように広報活動をするべきか」に悩んでいる方が多く参加されていました。

会社からの命題は、「どれだけ記事に載るか」という企業が多く、記者へのアプローチ方法、どのようなプレスリリースを書くべきかなどが話題となりました。
しかし、それ以前に理解しておかなければならないのは、社内をよく知り、社内を味方につけていないとよいリリースが作成できないということです。またどれだけ多くの記者にツテがあっても、発信する情報が面白くなければ記者の目にはとまりません。つまり、多くのメディアに掲載されるには、社内を味方につける必要があるのです。

広報担当者の最初の役割は、広報に対する社内の意識を変えることだと言えるでしょう。商品やサービスに係るすべての人が実は広報担当者であり、最終的には社員全員が広報担当者という気持ちを持ってもらうようにすることにあるのです。
今回は私の経験もふまえつつ、社内を広報の味方に付ける方法を4つのステップで紹介していきます。

STEP1 社内(事業部)の悩みを知る


 転職していきなり広報担当になってしまった、ずっと管理部門の業務に従事していて広報担当になったなどといような立場では、各事業部が提供している商品やサービスがどのようなものなのか、それを売ったり広めたりするためにどのような悩みを抱えているかを把握できてないこともありがちです。
まずは社内でのコミュニケーションを積極的にとって、多くの人の人の声を直接聞いていきましょう。

一般的に広報担当者はトップとの距離が近く、トップの要望を具現化するために業務を行うことが多いのではないでしょうか。それも重要な任務の一つですが、商品に一番近い社員の意見や悩みを把握することも重要です。

まずの広報の側から「みなさんの仕事に興味があります!」ということを積極的にアピールしましょう。社内の動きに目を配り、情報収集していきます。

たとえば、各部門に同期に話を聞きに行くという個人的なところからスタートしてもいいと思います。さらには各部門のキーパーソンに定期的にヒヤリングの時間を設けてもらう、もしくは部門の定例会にオブサーバーとして参加するなど組織として「しくみ」ができるとぐっと仕事がしやすくなります。

自分たちに合ったコミュニケーションの方法を作り上げていきましょう。

STEP2 社内広報の充実


さて、各部門の商品やサービス、悩みを把握したら、次のステップは社内広報を充実させていきましょう。昨今、「社内報」を復活させた企業も増えているようです。社内広報の手段として、予算やマンパワーの関係もあり難しい場合もあるでしょうが「社内報」はとてもおすすめです。

しかし、社内報にみなが協力的かというとそう簡単にはいきません。事業部のミッションは売り上げをあげること。また自身の業績評価につがながる業務を行うことです。しかし、私の経験からも社内報の取材など売り上げや自身の業績評価に目に見えてつながらない業務への協力はとても敬遠されることが多く、「忙しい時間をなぜ割かなければいけないのか」とよく言われたものです。

しかし回数を重ねる毎に、直接売り上げにつながらなくてもその存在を理解してもらえるようになります。他部署の商品やサービスに理解が深まる、掲載された社員のモチベーションが高まるなど組織力を強化するのに大きな効果を発揮するツールだということが実感できるからです。

私自身も紙の社内報を立ち上げから担当し、そしてついに「自身が掲載された記事を田舎の両親と祖父母にも見せたいから複数冊もらいたい」と言われるようにまでなりました。
社内が味方になりつつあるということを実感できるようになります。

時間や人手が不足する場合は、まずは手軽に社内SNSやグループウェアなどでスタートするのもよいと思います。また記事を作成するのも時には事業部の方に寄稿してもらっても良いでしょう。

さらに言えば社内報は、広報という仕事を社内にPRするチャンスでもあります。
そう、社内報もコミュニケーションのひとつなのです。社内報を通じて広報が社内とつながっていけるように充実させていきましょう。

STEP3 PRするべきものは商品だけではない


ひとり広報さんの多くは、自社の商品をどれだけメディアに掲載してもらえるかを考えがちだということは前述しました。

それもちろん重要ですが、そのためにも社内を味方につける必要があります。
社内に「広報のしごと」を理解してもらい、そして、広報に協力することを前向きに捉えてもらえるような体制をつくらなければいけません。

こちらも私の経験になりますが、社内報でもよろこばれたように、誰でも自分の仕事を評価されることはうれしいもの。全国紙やキー局などの媒体はハードルが高いですが、比較的掲載されやすい業界紙に「がんばっている社員」を紹介してもらえるように働きかけました。

例えば新規事業の担当になった若手社員を新規事業の紹介とともに人にスポットをあてて記事化してもらう内容の資料を作成し、記者に「営業」に行きました。そう、実は広報担当者も営業マンではないかというのが私の考えです。

結果、ひとりの社員の記事がある業界紙に掲載されたのをきっかけにして、A部が載ったのならB部もお願いしたいという声があがるようになり、広報→事業部へお願いして取材をさせてもらうという図式が逆に事業部→広報に依頼がくるようになりました。

STEP4 社外PRへ、成功体験が重要


社内を味方につけることにより、広報の社内地位も向上していきます。社内を味方にいよいよここからプレスリリースを作成し、商品を社外PRするというステップになります。

STEP3で紹介した「社員」を業界紙に掲載するのとは違い、会社としてリリースを発行するには、部門や社内の承認をとる調整も必要となります。そのため各部門の担当者には、かなりの時間を割いてもらうことになります。私も幾度となく「どのような媒体に掲載されるのか?」「費用対効果は?」と社内で質問を受けました。実際のところ、プレスリリースを出しても広告出稿ではないため絶対に掲載される約束はない、打ち合わせを重ね時間をかけたにも関わらず掲載ゼロの可能性もあるわけです。

しかし、リリースしなければ誰にも知られない、掲載のチャンスもありません。そのことを丁寧に説明していきます。これまでのステップで社内を味方につけているからこそできるコミュニケーションです。

 そして努力が報われて掲載されたら社内に発信しましょう。成功体験を社内PRすることも重要な仕事。そこで社内はますます味方になり、情報も集まってくる好循環が生まれます。
 
広報というのはメディアの方、記者の方ばかりを向いてはできない仕事です。自社のことを隅々まで知ってこそ、外に発信できるのです。広報初心者の方、ひとり広報の方はぜひ社内で丁寧にコミュニケーションを重ねてみてください。それが広報担当者としての基礎力を養ってくれるはずです。

ABOUTこの記事をかいた人

企業の広報担当者やテレビ制作会社など、メディアやPRに関わる仕事をしている方々がライターとして参加しています。