(BtoC向け)新製品リリースのタイミングで実施する『新製品発表会』 開催する際のポイントを教えます!

今年の夏は猛暑が続き、東南アジア圏並みの灼熱な日もありました。
季節は秋に変わり、10月に入り秋の気配もいよいよ濃くなってきました。
秋と言えば、「食欲の秋」「読書の秋」「芸術の秋」、そして『PRの秋』。

この時期、私が担当する化粧品メーカーでは、冬の限定コフレや冬の新製品など、様々なアイテムの『新製品発表会』を開催する予定です。
コロナ禍はオンラインによるプレス発表会だった企業も徐々にリアル開催に移行しています。

みなさん、新商品やブランドの発表など、新しい製品をリリースする際に実施する「新商品発表会」をご存知でしょうか。自社の商品やサービスをより多くの消費者へ届けるためには、まずは情報をメディアから発信する『新商品発表会』が効果的です。
PR担当者として発表会開催することになった際、準備や運営面でわからないことも沢山あると思います。

それでは、新商品発表会を実施する際にはどのような準備が必要なのでしょうか。
本記事では、準備するものや新商品発表会を実施する際に注意しておきたいポイントなどについてご紹介します。

新製品発表会とは? どんなことをするの?

「新商品発表会」はその名の通り、新しい商品をお披露目するイベントのことを言います。一口に新商品発表会と言っても、企業によって内容はさまざまです。

例えば、メディア関係者や専門インフルエンサーを集めたプレス発表会形式が挙げられます。
あらゆる新商品発表会には「明確なメッセージ」を立てることから始まります。
開発ストーリー、新商品のコンセプトなど、世の中へ伝えたいメッセージを明確にしたうえで構成を考えていくことが必要です。

「どんな目的で」「誰に」「何を」伝えるべきなのかを明確にし、企画を考えましょう。

そのために、会場選定や内容を検討し、場合によってはノベルティを用意したり、著名人をキャスティングしたりすることも必要になります。その日限りのイベントとしてだけでなく、メッセージを参加者へとダイレクトに伝え、最終的に消費者に届けることをイメージして準備を進めることが大切です。

新製品発表会を行うメリットとは?

新商品発表会を行うことで得る効果は、プレスリリース上では伝えきれないメッセージを含めてダイレクトに伝えつつ、参加者と直接コミュニケーションを図ることです。

新商品発表会のコンテンツにはさまざまな役割があります。

代表者や担当者によるプレゼンテーションは、テキスト上では伝わりきらない(紹介したいサービスの)メッセージを伝えることができます。また、質疑応答を行うと、参加者からのフィードバックをダイレクトに受け取ることができ、双方向に意見をやりとりすることも可能です。

メディア関係者とも直接接点を持てるため、今後の関係性を構築するきっかけとなる貴重な機会となります。その機会を最大限に活かすために、各社さまざまな工夫をして実施しています。

新製品発表会の準備フローについて

ではその準備についてご紹介いたします。

1.進捗管理・スケジュール表の作成

まず、発表会を開催することが決まったら、当日までに必要になる準備業務をまとめた「進捗管理シート」を作成します。タスクの内容や、タスクのステータスなど、準備物の締め切り、それぞれの業務の担当者など、そのスケジュール表を見れば全体が把握できるようにしておくと便利です。

2.コンテンツ(進行内容・イベントのテーマ)の企画

発表会を通じて伝える内容、メディア露出の目標などの情報を整理しつつ、発表会の目標を達成するために、どのようなコンテンツを提供するのが良いのか考えていきます。

3.日時・会場の決定

発表会には、1社でも多くのメディアに参加してもらい、より多くのメディア露出に繋げることがミッションです。そのため、発表会の日時としては、メディア関係者が比較的動きやすいとされる「平日」がおすすめです。しかし、インフルエンサーなど一般に近い存在の方に参加いただく場合は、参加しやすい土曜日や祝日などで日程調整をすることもあります。

会場は、メディアの立場で選定します。特に、「メディア関係者が足を運びやすい立地」「モニターや音響など必要な設備が整っている」「発表する内容のイメージと合ったレイアウト」などが重要になります。

4.当日のタイムスケジュール

発表会では、定められた時間内に新商品やサービスの内容を的確に伝え、発信しなければなりません。しっかりと進行の段取りを決め、当日のタイムスケジュールを組みましょう。
また、メディア関係者は忙しいスケジュールのなかに参加していることも多いので、当日の進行では遅れが出ないように心がけます。

5.会場のディスプレイ、備品や土産物の手配

会場のディスプレイやマイク、プロジェクター、Wi-Fiなどの設備や備品の確認・手配も必要です。必要な備品の個数などを担当者間でダブルチェックしながら用意し、トラブルが起こった時の予備も準備しておきましょう。

報道用資料やノベルティ、土産物などは、当日足りなくなることがないように、予想される来場者数よりも多めに手配することを心がけましょう。

6.「メディア向け発表会」案内状の作成

メディア関係者に送付する案内状には、参加の有無を確認するため情報を記載しましょう。
最近は集客を一括で管理できるGoggleドライブのツールを活用し、参加者の情報など即時に確認し、リスト化できるようになりました。そのようなツールを活用するとより便利です。

当日会場に来る人数を把握するため、メディアの人数、当日連絡がつく番号など記入する欄も設けるとよいでしょう。また、申し込みの締め切りを過ぎた場合の連絡先を添えておくと、当日都合がついたメディアが飛び入りで参加しやすくなります。

7.参加予定のメディアリストの作成

案内状を送付し、「参加予定」と返信が来たメディアをリストアップしておきます。
このとき、参加者の予定の人数、緊急連絡先などを控えておくと、会場の人数や動線、必要な備品などを再考できるため便利です。

8.プレゼンテーション資料の作成

本番で使用するプレゼンテーション資料の作成は、伝えたいメッセージやイメージにずれが生じないよう、プレゼンを行う担当者や登壇者と、商品などを一緒になって事前の確認が必要です。

9.進行台本の作成

スムーズに進行するためには、進行台本が重要です。
発表会の流れに沿って、オープニング挨拶からプログラム進行、クロージングの挨拶まで、すべてのプログラムの台本を作成します。
スライドと台本の内容が一致し、イベント全体の流れがつかめるものになっていると、当日何らかのトラブルが発生した際も、プログラムを前倒しするなどの対応がしやすくなります。

可能であれば前営業日までに、進行役を含む関係者全員でタイムスケジュールの確認、台本の読み合わせをしておきましょう。

注意すべきポイントは?

最後に、発表会でPR担当者として注意しておきたいポイントをご紹介します。

1.スケジュールの徹底管理・アクシデント対策

機材トラブルの発生などで、進行がスケジュール通りにいかない場合も考えられます。
タイトなタイムスケジュールを組んでいて後半が慌ただしいと、メディア関係者にとって満足度が低い発表会になりかねません。そのため、タイムスケジュールは、余裕を持って作成するようにしましょう。
全体が把握できるように、イベント前は念入りの確認が必須です。

2.会場のディスプレイ拘る(撮影スポットを作る)

イベントを1回開催するには莫大な費用がかかります。
前章でもご紹介したように、我々PR担当のミッションはできるだけ多くのメディア露出を獲得することです。昨今、発表会中にリアルタイムで配信するメディアもいたり、インスタ等で当日その場で配信するメディアも増えています。
そのため会場のディスプレイ・演出はその後の露出の肝になります。

終了後にはメディア撮影や個別に対応できるよう、段取りと対応者を明確にしておきましょう。発表会が終わったからといって、すぐに会場の撤収準備に入らないように気をつけましょう。

3.メディアの当日参加や急遽欠席などの日程変更について

参加申込制の発表会であっても、当日事前連絡のなかったメディアが飛び入りで参加することも考えられます。また当日、急遽欠席のメディアもいます。
そのため、どのメディアが実際に参加していたのかを把握できるように、当日は受付で名刺を回収しましょう。名刺を持っていない来場者には、芳名帳に所属先と氏名、連絡先などを記載してもらいます。座席は予備席を作っておくことも重要なポイントです。

化粧品メーカーの新製品発表会(事例紹介)

専門家を起用した新製品発表会(スキンケアブランド)

課題

2019年に立ち上がったばかりの新しいブランドで一般やメディアの知名度が低い。
通販ブランド(ほぼ無名)のため、これまでメディアでの露出が無い。新製品を女性誌や美容誌などの編集ページに掲載することでブランドの認知度を高めたい。

施策

メーカーのターゲット層にリーチするイベントを開催し、女性メディアや公式のSNSでイベント情報や商品を紹介してもらう機会を増やすことで、ブランドの認知度を高め、売上向上や顧客(ファン)の獲得を目指す。

実施内容

メディア向け新製品発表会を開催いたしました。
当日のプログラムは社長挨拶や新製品の説明および製品レクチャー、女性メディアが関心の高い専門家を起用した美容対談を実施。
また、会場には、タッチ&トライの場やブランドの世界観に拘ったフォトスポットを設け、SNSでの拡散を狙った、「インフルエンサー施策」も行いました。

特に工夫した点

● 体験型イベントの設計にした。
(自分の肌に合わせた製品をその場でノベルティとしてお渡しした。)
● 新製品(キャンドル)のプレゼン時に合わせて、会場内に香りの演出をしたことで、製品の魅力を伝えることができた。
● できるだけ多くのメディアに参加いただくため、2部制にした。
(会場のキャパシティーを加味し、できるだけ多くのメディアを受け入れた。)
● ラグジュアリーな空間を演出するために、メディア同士が密にならないレイアウトにした。
● 好感の持てるブランドイメージに仕上げるため、ラグジュアリーな会場で開催した。

成果

当日は、美容雑誌・女性誌を中心とした70名にイベントに参加いただき、ビジネス系メディアをはじめ、その他メディアなど、20媒体の掲載以上の掲載に成功し、多くのメディア露出を通し、企業の認知向上に繋げることができました。
また、参加メディアやインフルエンサーのSNSでリアルライブ配信やフィード投稿をしていただいたことで、自社のオンラインサイトに集客し、売上にも貢献することができました。

まとめ

本内容はいかがだったでしょうか。
本記事では、新製品発表会を開催するにあたって、PR担当者が準備すべきことや注意点について紹介しました。

新製品発表会の準備は、簡単なものではありませんが、その分メディアを通じて、問い合わせが増えたり、製品の売上に繋がったりと大きな反響を得られる可能性があります。新製品発表会を行う際には、念入りに事前準備を行い、メディアが伝えたくなるような情報を提供できるように努めましょう。

新製品や新サービスでイベントをご検討の企業様は気軽にお問合せ下さい。

株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】リーママ
【担当した業界や経歴など】お転婆娘1歳児のママ。子育て奮闘中。育児ストレス解消法はNETFLIXを視聴すること。最近のお薦め作品は「ワーキングママ」「赤ちゃんを科学する」など。アパレル・ファッション関連、店舗・テナントリーシングの職種を経て広報業界へ。CD社ではこれまでの経験と人脈を活かし、主にサロン・クリニック・化粧品などの女性系案件を担当。最近ではママ目線の発想や知見から育児・教育関連のPRも担当することに。