企業広報×フリーランス広報×PR会社、座談会 ~広報PRに対する考え方や働き方の違いとは?

「広報PR座談会」前編はこちら

この記事の目次

企業広報×フリーランス広報×PR会社、SNSの活用について

自己開示するからこそ共感が生まれ、興味を持ってもらえる(企業広報:永友さん)

株式会社3Backsの広報、永友さん

株式会社3Backsの広報、永友さん

若林
実は私、永友さんのTwitterを拝見して、とても驚いたんです。
成田さんも、そうですが、ご自身のプライベートに関することも、いっぱい書き込みされていますよね。その方が、私たち見ている側は、とても親近感が湧き、どんどん引き寄せられるのですが、プライベートを出されることに抵抗感はなかったのでしょうか。御社の取り組みに興味を示され、Twitterを見に来られる転職希望の方や就職で悩まれている方に親近感を持ってもらうため、Twitter用にキャラクターを設定されているのか?それとも、「きこりん」は、素の永友さんなのでしょうか?
お聞きして良いものか悩みましたが、聞きたい欲望が勝ってしまいました。お話いただけるようであれば教えていただけますでしょうか。 (笑)

永友さん
そんなにプライベート出していましたか?無意識で出しているのかな(笑)
でも本来の自分からかけ離れたブランディングは、全くしていないですね。自分の頭の中に思い浮かべたことを、そのままツイートしています。

我々が提供しているサービス自体が、キャリアで悩んだり、人生で悩んでいる若者をサポートするものなので、その方たちの背中を押せる存在である、ということは、全社統一で意識しています。

そのような考えのもと、ツイートする話題は、その方たちのアクションに繋がるような話も多く取り入れるようにしています。
また、Twitterで取り上げる失敗談は、私自身が経験したリアルな体験談を採用しています。失敗談をツイートすることにより、見てくださった方が「この人も、今はこんな感じだけど、色々な失敗をしているんだ。自分だけじゃない、まだまだ、行けそうだ!」そう感じ取っていただき、プロフィールに貼ってあるリンクを踏んで会社のサイトへ飛び、我々の取り組みを見ることで、次のアクションに繋がればいいなと考えています。

恐らく、一方通行のSNSでは見てくださる方の心には刺さらず、全くウケないかと。だから、自分の内面を出すような、自己開示をすることにより、共感性が生まれ、「この人って面白い」というような興味を持ってもらえると考え、あえて素を出している部分もあります。でも、それ以上の過剰なキャラクターを作り込んだりはしていません。

若林
永友さんの戦略に、まんまとハマり、とても興味を持ちながら拝見しておりました(笑)

永友さん
ありがとうございます。(笑)

若林
Twitterの運用をはじめたのは、採用広報の一環として2019年10月からですか。

永友さん
そうです。入社して直ぐです。
もともと、「株式会社3Backs」のアカウントがあったのですが、あまり運用されていなく、「これからはSNSの時代なので、運用を是非お願いします」と、代表の三浦から話がありまして、そのまま、アカウントを渡された形になっております。

若林
そうでしたか!では、公式アカウントを譲り受けた形なのですね。

永友さん
はい、そうですね。
最初の1週間から2週間は、何を呟いても反応がなくて、これは一方的な情報発信ではウケない、メディアリレーションと一緒なんだ、ということに気がつきました。そこから、今の「きこりん@リバラボの採用広報」に切り替えました。

若林
そのような流れがあったんですね。
実績としては、どうですか?毎月、何件ぐらい「きこりん」アカウントからDMで相談や面接をしたいという連絡が入ったりするのでしょうか。

永友さん
今現在、流入自体にはバラツキがありますが、月に200~300件くらいの流入があります。そこからDMをいただいたりするのは5~6名程度です。また、DMという形ではなく、私のページを踏んでコンバージョンしたというのが10名以下くらいですかね。

若林
コンバージョンもちゃんと計測されて、効果測定できるようにしているのですね。とても勉強になります!

Twitter経由でHP訪問者が増加~今後はSNSを活用した採用広報も(企業広報:成田さん)

ガレージファクトリー合同会社、成田七瀬さん

ガレージファクトリー合同会社の広報、成田七瀬さん

若林
ちなみに、SNSと言えば、成田さんの存在も忘れてはいけませんよね。
Twitterから得られた反応や会社のブランディングに繋がったと実感できるエピソードはありますか。

成田さん
私のTwitterを経由して、会社への取材依頼をいただいたり、「ガレージファクトリーってどういう会社だろ?」と、興味を持っていただき、ホームページを訪れてくださる方が増えています。
なので、Twitter経由でホームページへ誘導できる導線を強化したいという思いがあります。

若林
まさに、私もその導線を踏ませていただいております。(笑)
Twitter運用で、半年から1年先の目標などは、お持ちですか?例えば、Twitterを活用して、こんなことを実現してみたいなど。

成田さん
そうですね。今後は人事も担当する予定なので、Twitterを活用した採用広報にチャレンジしてみたいです。それから、今後、弊社のサービスをリリースするタイミングでは、Twitterと連携し、より多くの方に周知できるよう活動していきたいですね。
そのためにもTwitterのフォロワー数の増加を目指します。

インフルエンサーやアンバサダーを起用したPR案件の相談が増加(PR会社:岡部さん)

若林
岡部さん、最近クライアントからPR会社にSNSの活用やご相談は増えていらっしゃるのでしょうか。

岡部さん
増えております。私の周りではインフルエンサーやアンバサダーを起用したPR施策が増えてきております。

若林
やはりそうなんですね。
それに対してPR会社は、どのような解決策や施策を提案されているのでしょうか。

岡部さん
私は美容関連のクライアントが多いため、美容家を起用したインフルエンサー施策を行なったり、オンラインのイベントを開催し、取材誘致を行っております。

若林
最近、オンライン記者発表会も増えていますよね。そういったイベントの企画や運用も行っていらっしゃるんですね。

コロナにより、クラウドファンディング立ち上げの相談が増加(フリーランス:ichさん)

若林
先ほど、ichさんからクラウドファンディング立ち上げのサポートについてのお話がありましたが、チャレンジしてみたいという会社は増えているということでしょうか。

ichさん
はい、多いですね。会社もですが、団体や地方企業が多いですね。スタートアップやベンチャー企業、合同会社、株式会社にしたばかりの方が、新規サービスを展開したい時にお手伝いをしています。
先日も、コワーキング施設を作るため、クラウドファンディングを行ないたいが、知見がないので力になって欲しいと、ご相談いただき、お手伝いしました。

若林
よくあるご相談というのは「立ち上げたいが、どのように進めたらいいのでしょうか?」なのか、それとも、「立ち上げたけれど、上手くいかなくて、どうしたら良いのでしょうか?」のどちらなのでしょうか。

ichさん
「立ち上げたいけど、どうしたらいいだろう?」という、ご相談が多いです。

若林
そういったご相談には、どのように対応されているのでしょうか?
例えば、「こういう所で、クラウドファンディングを展開したらいかがですか」とか「この商品やサービスだったら、こういう文章で紹介し、こういう特典などを用意したらどうでしょうか」という、企画から文章作成まで全部行われるのでしょうか。

ichさん
全部に携わることが多いです。
時には、画像作成も行うこともあります。クラウドファンディングのページを作って、自走できるトータルでお手伝いする形が多いと思います。

若林
私が知らないだけかもしれませんが、フリーランス広報の方でクラウドファンディングの立ち上げをサポートされている方は、そんなにいないのでは?と思うのですが、いかがでしょうか。

ichさん
あまりいないと思います。私が知っている限りでは、1人くらいしかいないですね。

若林
ichさんのポートフォリオの対応業務に「ライティング」、「広報アドバイス」、「クラウドファンディングの立ち上げ」と記載されており、メインのお仕事の3本柱の1本に掲げていらっしゃるのはニーズがあるからこそなんだろうと思っておりました。増えてきたのはいつ頃からでしょうか。

ichさん
2020年の冬くらいから、結構お声がけいただくようになりました。
恐らくですが、コロナの影響もあり、事業が足止めをしている間に対応策を考えられ、新しいサービスを展開する手法として、クラウドファンディングを視野に入れられたのではないでしょうか。
秋冬に構想し、春までには事業をスタートさせたいとの考えから、そのタイミングでご相談数が増えたのだろうと思っております。

若林
確かに、そうかもしれませんね。よくよく考えると、クラウドファンディングは、ブランディングや広報PRが無関係とは言えないのでは!?と思い始めています。
多くの方の協力を仰ぐためには、キャッチなコピーや文章を使い、事業計画や自社の取り組みについての想いを説明することが必要です。より深く理解してもらい、賛同を得てファンになっていただくことが不可欠で、それが、ゆくゆくはブランディングへ繋がるのではないでしょうか。

広報PRを展開する中での最近の気づきや課題について

創業前からPRを始める意識が高い企業も(フリーランス:佐賀さん)

フリーランスの広報、佐賀晶子さん。

フリーランスの広報、佐賀晶子さん。

若林
佐賀さん、最近の課題や気づき、何かございますか?

佐賀さん
広報に求められるものの質が少し変わってきた感じがしています。イメージとしては、今までは、資金調達した後に広報についても取り組みたい、といったベンチャー企業からのご相談が多かったのですが、創業前やアーリーステージのスタートアップで、PRを味方につけてビジネスを加速させたいという方からのご相談が増えてきました。
また、SDGsやサステナビリティといった文脈で、どのようにPR展開して行けばいいか?という相談が中堅~大企業を中心に増えている印象があります。

若林
そうなのですか?!成田さんの会社もそうですが、創業直後とか、創業前からPRを強化したり、固めて行きたいという会社が増えてきていることは、とても良いことですよね。

佐賀さん
はい、とてもびっくりしています。
よほど世界初のサービスとか他社が真似できない技術などがあれば別ですが、サービスや商材の機能的な部分だけで差別化がしづらくなっていると思うので、情緒的な部分を伝えていくことで、自社の立ち位置をよりよくしていきたいと考えてのことではないかと思います。そのために有効な手段として、広報活動を思い出していただけたのは、とても嬉しいことだなって思いました。

若林
ちなみに、佐賀さんにご相談される方は、何経由で、相談に来られるのでしょうか?Twitterとかですか?

佐賀さん
全くの新規のご相談は、基本受けられていません。この仕事はとても労働集約的というか、そんなにたくさんの案件を同時に抱えられないため、直接の知り合いか、知り合い経由でご紹介いただいた案件のみお受けしております。

若林
ichさんは、noteのポートフォリオに、かなり具体的な料金体系を書かれていますし、noteやTwitterDMからも結構依頼がくるのですよね。

ichさん
そうですね、多いです。広報って、何をするのか分かっていな方も多いので、細かく書かせていただいています。

若林
その都度説明をしなくても、資料を見ていただければ大概のことは分かようにしておき、その内容で問題なければご依頼ください、という意図があるんですよね。

ichさん
そうです。ただ、現実的には、あの資料をベースに、活動項目を組み合わせた見積もりを訊ねてこられますね。(笑)
ご相談を希望される方は、先ず面談をし、その後に見積もりも出して、そこからスタートという方が多いですね。

会えない分、コミュニケーションの取り方を工夫(企業広報:永友さん)

若林
永友さんは、いかがですか?最近の課題や気づきは、ありますでしょうか?

永友さん
コロナ禍で社内のオフラインイベントが開催できないため、社員全員の情報や状況をキャッチアップできる場が、ガクッと減ってしまいました。広報としては、かなり痛いところで、課題に感じているところです。
社員間のコミュニケーションが減った代わりに、オンラインで総会を行なったり、社員インタビューを増やし、色々な部署の方にフォーカスし、お話を聞くということを、以前よりも力を入れて行っております。

若林
プレスリリース作成やメディアリレーションの実務も大事ですが、企業広報は、いかに社内から情報を吸い上げるかが、とても大事なミッションだと思います。コロナ禍においては、コミュニケーションの取り方にも工夫が必要ですよね。
同じく、企業広報の成田さんはどうでしょうか?

成田さん
広報に携わり思ったことは、活動の実態が見えづらいため、成果が分かりにくいことです。前職は営業職で、契約を取り、ノルマを達成することがゴールでした。でも、広報は、そこが見えづらく、わかりづらいなと。
日々、Twitterを更新し、noteを書いて発信する時に「これで良いのかな?」と、不安を感じていました。でも、最近は「今の課題は何か」を社内で相談しながら進めているため、少しずつですが、不安は解消しつつあります。

若林
御社の場合は、ビジネスもそうですが、広報課活動もはじめたばかり、というところもありますからね。

成田さん
はい。なので「これで大丈夫ですよね、合っていますか?」とか「これをこうしたら、こうなりますが大丈夫ですか?」と、事あるごとに確認しています。
また、私がフルリモートで、社内の人と会う機会も少ないため、チャットワークを活用しながら、上手くコミュニケーションを図るようにしています。

リモートでも雑談を意識的にすることで、アイディアのヒントをもらう(PR会社:尹さん)

PR会社コミュニケーションデザイン、尹さん

PR会社コミュニケーションデザイン、尹さん

若林
尹さんは、PR会社的にはどうでしょうか?

尹さん
やはり、雑談の重要性は非常に強く感じております。弊社もテレワークを推奨しており、在宅勤務が増えております。そのため、企画書の作成で煮詰まった時、在宅で一人だと困る時があります。なので、出社したタイミングやメンバーとzoomミーティングをした際には、積極的に雑談をするようにしています。
例えば、最近、美容案件の担当をするようになり、美容に対しての感度を高める必要性を感じていました。そこで、女性社員との雑談中に、商品の成分や表現方法、類似商品について聞いてみたりします。その他、最近流行っているグルメやトレンド、若い人の間で流行っていることについても意見を交わし、参考にしています。
この何気ない会話から良いアイディアがひらめくことが、結構あるんですよね。
この経験から思うことは、一人で広報PRを担当するというのは、なかなか大変だということです。広報PR一人の力も非常に重要なのですが、クライアントや社内の上司や後輩、メディアといった、周りの協力があってこそ、できることも広がると気がつきました。

若林
確かに、そうかもしれませんね。
私も、朝から夕方までずっと引きこもって原稿を書いていると、誰とも話をしていないことに気がつき、PRマガジンのスタッフに電話をかけたりします。特に何か言ってくれるわけではないのですが(笑)、話をすることで、考えが整理できることは多々あると思います。やはりリモートになり、周りの社員や広報仲間と話せる機会は減っているとは思います。でも、皆さんのように、オンラインや出社したタイミングで、話せる人を見つけて話すことは重要で、そこから生まれるヒントは、たくさんあるのだと思いました。

コロナによる広報PRの考え方や活動の仕方、働き方に変化があったか

コロナがなければ、広報は始めていなかった(フリーランス:ichさん)

若林
ichさんは、いかがでしょうか。

ichさん
それで言うと、昨年のコロナがなかったら広報をはじめていません。それまでは、観光地系の取材ライターをしておりました。しかし、コロナの影響でイベントがなくなり、次第に観光メディアからの取材依頼も来なくなり、このままライターを続けていてもダメかもしれないと思いました。そこで、今までの知見を活かして出来る職業とは何だろう?と考え、広報に行き着きました。この変化は非常に大きな出来事だと思っています。

オンライン対応の増加に伴い、今まで以上に密なコミュニケーションを意識(PR会社:岡部さん)

若林
岡部さんはどうですか?

岡部さん
私は、女性系メディアをキャラバンさせていただくことが多いのですが、コロナの影響により、編集部の方々が在宅に切り替わり、オンラインでの対応が増えております。オンライン上のやり取りで、互いにストレスをためないよう、自分自身のPC機材の性能をあげ、オンライン環境を整えたり、キャラバン後のフォローをはじめ、密な連絡を心がけて、相手にストレスを感じさせないよう気を付けております。
また、働き方については、今担当しているクライアントの業務上、私自身は出社も多く、あまり変化はないのですが、会社もテレワークを推奨しているため、今後は業務改善をして在宅勤務も対応できるよう努めて行きたいと考えております。

若林
先ほどのお話にもありましたが、SNSやインフルエンサーを活用したオンラインベントも展開されているということで、オンライン記者発表会の参加者に、事前に製品を発送したり、イベントの撮影準備は、なかなか在宅ではできないですもんね。

価値観に変化~「一人勝ちマインド」では長続きしない(フリーランス:佐賀さん)

若林
佐賀さんは、どうですか?

佐賀さん
イベントや飲み会ができなくなったことで、メディアの方や広報仲間との偶発的な出会いが本当に無くなってしまったので、その場をどのように作り出すかということに、とても気持ちが向いた気がします。

既存のメディアの方や広報仲間とは、メッセンジャーを利用し、コミュニケーションがとれます。ただ、新規開拓となると難しいので、そういった時に、お互い紹介し合う精神が芽生えたのは、コロナがきっかっけだったと思います。

若林
コロナ禍で、広報PRのオンラインコミュニティーも増えたのではないでしょうか。
そして、そのような場所に企業広報の方やフリーランスの方も積極的に参加されて、横の繋がりを増やしていく方が、多くなった印象を持っています。

佐賀さん
はい、本当に、おっしゃる通りだと思います。
それに付随するかもしれないのですが、コロナになってから広報PRの成果の一つのである「露出ゴール」という考えが、違和感として大きくなったように感じています。以前は、とにかく露出すればいい、自社さえ目立てばいい、みたいなアプローチやマインドが、私を含めてあったと思います。

しかし、今は、自分一人だけ上手くいけばいいという価値観だと長続きしないように感じています。広報仲間は、露出という点で競合相手であっても、広報としては仲間です。ですので、必要な時には、互いに相談にのったり、壁打ち役になったりして、“助け合う、持ちつ持たれつの関係性”です。
その助け合い精神が芽生えたのもこの時期で、一瞬の露出というものだけではない、長期的な関係構築といったものが、凄く大事になって来たと思いますね。

メディアもSNSでの情報収集が当たり前に~広報もSNSでの発信を一層強化(企業広報:永友さん)

若林
永友さんは、どうですか?

永友さん
やはり、コミュニケーションをとる場がオンラインになってきているので、以前に比べ、メディアの方も情報収集はSNSやオンラインで探されている方が、かなり多くなったと思っています。
メディアの方の中には、コロナを機にTwitterを始めた方もいらっしゃいます。
Twitterは毎分毎秒、トレンドが移り変わり、メディアの方は、そういったトレンドの変化には敏感で、よく見ていらっしゃると思っています。私も、広報としてSNSでの発信は、より一層注力して行っております。

若林
本当に最近は企業広報がTwitterを運用するというケースが増えていますよね。担当者ご自身のプライベートをツイートしつつ、会社が何かリリースしたり、新たな動きがあった時には、瞬時にTwitterを活用し、知ってもらう取り組みをされています。
そのためのTwitterから会社のホームページ等へ誘導する仕組みもよく研究され、皆さん、積極的に取り組まれていると思っております。

広報PR担当として大事にしていること、これからチャレンジしたいこと

広報PR担当として大事にしていることや、これからチャレンジしたいことは何か?

広報PR担当として大事にしていることや、これからチャレンジしたいことは何か?

若林
最後の質問は、皆さんから伺いたいと思います。

広報PRで代表の思い描くビジョン達成に向けサポート(企業広報:成田さん)

成田さん
まだ広報歴は浅いのですが、大事にしていることは、ただ知名度を上げるだけではなく、弊社を好きになってもらえるような広報PRを意識して活動することです。
広報PRは、やりたいことがある人の夢をサポートできる仕事だと思っています。なので、弊社の代表が、思いを込めて立ち上げた会社のビジョン達成に向かって支えて行くのが、私の役目だと思っています。
そのためにも、会社の名前を知ってもらうだけではなく、クライアントや周りの方と、もう一歩踏み込んだ関係性を構築していきたいと思っております。

会社の名前は勿論ですが、会社の熱量であったり、私の熱量もどんどん広めていき、理想としては「成田さんだから仕事をお願いしたい」と、言ってもらえるようになりたいです。

若林
成田さんみたいな広報がいる会社の社長は幸せですね。

売上を作れる広報を目指す(企業広報:永友さん)

永友さん
私がチャレンジしたいことは、“売り上げを作れる広報”を目指すことです。
今まで培ってきたSNSの経験や広報PRのスキルを活かして、他の会社で困っている方がいらっしゃれば、ブランディングや広報PR施策でお手伝いしたいと思っています。
例えば、他の会社が広報PR施策で迷われていたり、わからないことがあった場合、弊社のノウハウを活かしながらコンサルティングをするイメージです。
つまり、自分たちが行っている広報PR業務を進化させ、会社の売り上げに貢献するというイメージです。

また、大切にしていることは、コロナ禍で、社員間の会話も減っており情報収集が難い分、“常に話しかけやすい存在でいる”ことです。
弊社のオフィスはマンションのような建物の構造となっており、その建物の地下と地上2階、3階を借りております。例えば、上層階から下へ降りて移動する時は、各階に立ち寄り、社員の様子を見ては「最近はどう?」と話しかけ、積極的に会話する機会を持っています。このように、コミュニケーションを取ることで、情報収集は勿論のこと、社員の心情や現場の状況を把握することは、会社や社員をサポートするために必要なことだと思っております。なので、そういった点は、これからも大事にしていきたいと考えております。

PRの基本であるコミュニケーションを大事に(PR会社:岡部さん)

岡部さん
私が大事にしていることは、PRの基本であるコミュニケーションです。担当しております企業の製品やサービスは、競合他社が多く、その中から選んでいただくためにも、適切な対応によるメディアとのリレーションが問われると思っております。どんなに、素晴らしい製品やサービスを紹介しても、良好なコミュニケーションが取れていなく、良い関係が築けていない場合、露出の可否も左右されてしまいます。
ですので、今後も相手に合わせた適切なコミュニケーションを図り、クライアントとの関係構築やメディアアプローチを行っていきたいと思います。

そして、これからチャレンジしたいことは、今後、益々デジタル化が進むと思いますので、企業や顧客のニーズに合わせた広報におけるデジタル面のサポートです。また、メディアだけに留まらず、消費者や生活者にダイレクトに訴求できるようなイベントのプロデュースなども行っていきたいと思います。

仕事で関わるすべてのヒト・モノ・コトに愛情を持って接する(PR会社:尹さん)

尹さん
先ずPR会社の担当として、私が常に大事にしているのは「愛情」ですね。
それは、クライアントへの愛であり、自社や同僚への愛であり、周囲のPR担当の方への愛であり、メディアの方への愛であり、全てに愛情を持ち、接していくことを意識しています。
例えば、商材ひとつにおいても、先ずは興味を持つこと、次に、どのように魅力的に見せて行くのかを、愛を持って考えます。メディアへのアプローチ方法を工夫していくには、商材へ興味や愛情を持ち接しなければ、アイディアは湧いて来ないと思っているからです。

若林
うーん、カッコイイ!!(笑)

尹さん
カッコつけて、すみませ~ん(笑)

尹さん
更に、PR会社に勤めておりますと、行う作業が単調になってしまうことがあります。
クライアントとの付き合いが長くなれば、経験が増える分、成果も見えづらい状況が増えます。すると、ある時、工夫できなくなり成長できない自分に気がついたりします。
しかし、PRに対する興味や愛情が強いと、行き詰った時でも諦めず粘ることができ、光明を見出せると思っております。

広く視野を広げ、最新のトレンドや他者の様子に目を向けると、新たな気づきがあり、まだ試していない手法に出会わせてくれ、チャンスを与えてくれます。特に、広報PRのお仕事に関しては、そのような成長は強く表れるのではないでしょうか。だから、愛情や広報PRに対する熱量を大事にしたいと思っております。

そして、個人的にチャレンジして行きたいことは、先ず、PR人口を増やして行きたいです。まだまだ、PRとはプロモーションだと考えている方が多く、パブリックリレーションズという概念自体を知らない方も多いです。
現在、社内では新人の教育担当をしておりますが、自分自身も力をつけて、PR人口を増やし、PR本来の意義を広め、ゆくゆくは、業界が盛り上がっていけるような貢献をして行きたいと考えております。

広報の価値を伝え、携わる人たちが働きやすくなるよう貢献したい(フリーランス:佐賀さん)

佐賀さん
尹さんの話を「凄いなぁ~」、「共感するなぁ~」と、思いながら聞いておりました。
私が大事にしていることは、やはり「仲間」ですね。特に広報仲間を大事にするということを、コロナになってから強く意識するようになりました。ご依頼くださった企業の方やメディアの方は勿論のこと、「仲間を大事にする」ということを、改めて認識しているところです。

それから、これからチャレンジしたいことは、実は、尹さんと近いのですが、広報の価値を伝え、携わる人たちが働きやすくなるような貢献をしたいと思っています。

私は広報を20年近く続けて来ており、その間、広報、IR、CSR、クライシスと、様々な広報を経験させていただきました。そして、その度に聞こえて来るのは、広報の仕事が知られていなからこそ、広報の人達が苦労している、という声です。
そういったお話を聞くと、昔の自分と重なり、何とかできないかと思うのです。
私は、広報という仕事が大好きです。広報に携わる人たちが、もっと働きやすくなり、この仕事を天職だと思える人が、もっと増えることを願っています。だからこそ、広報を理解していないようなオーダーが増えないように、広報に対する期待値をきちんとすり合わせて、広報の真価を伝える活動をして行きたいと思っています。

ただ、私は自分が前に出るのは得意ではありません。
大企業の時から、“広報たるもの黒子であれ”と教え込まれてきており、その是非はさておくとして、そういうマインドが体に染み付いてしまっています。
でも、大切な広報仲間のためにも、広報の価値を伝えるところは、貢献して行きたいと思っております。
あと、地方はまだまだPRというコンセプトが、東京ほど根付いていません。でも、埋もれている良いサービスも沢山あります。せっかく、2拠点生活をしているので、地元にも、是非貢献して行きたいと思っています。

フリーランス広報を目指す方たちの指針となりたい(フリーランス:ichさん)

ichさん
私は、ライター時代から“自分の能力や秀でたものは、困っている人達のために使う”ということを大切に、仕事をしてきました。
広報を取り入れた活動を展開したいが、知見が無いため困っている。そういう方々のサポートをするにあたり、「自分の力で、困っている方の何をサポートできるのか」と、しっかり分析し、自分の特質を最大限活かせる関わり方を考え、対応することを大切にしています。

今後は、フリーランスで広報を目指す方たちの指針作りをして行きたいです。
フリーランス広報というのは、まだまだ少ない状況だと思っています。私自身、前例が少ない中、フリーランス広報を始めてみて、手探りで進めることが多く、ステップアップが非常に難しいと感じる部分がありました。
でも、数年後には、その指針となるというか、ステップが踏めていると思っています。
その経験を活かして、フリーランス広報を始める人たちの参考になるような、ロードマップを描いて行きたいと考えています。
更に、働き方の可能性も探求していきたいです。私も含め、フルリモート広報の方もいらっしゃいますが、“広報は対面で、社長の近くにて行うもの”と思っている方も多いのではないでしょうか。
でも、私としては、リモートで、できる可能性を探して行きたいと考えています。
それは、これからの働き方にも繋がってくるところであり、リモートが増えれば、地域に捕らわれず、もっといろんな場所で、広報を広めていけるのではないかと思っています。これらを、今後の目標として活動をして行きたいと考えております。

若林
皆さん、今日はお忙しい中、長時間にわたり、お話を聞かせていただき、ありがとうございました!今後も皆さんのTwitterを拝見しながら、応援させていただきたいと思っております!!

参加者プロフィール(順不同)

・企業広報

ガレージファクトリー合同会社の広報、成田七瀬(なりたななせ)さん

ガレージファクトリー合同会社、成田七瀬(なりたななせ)さん

ガレージファクトリー合同会社(https://garage-factory.co.jp/
成田七瀬さん

2020年5月に創業した、デジタルマーケティングやコンテンツ制作、アーティスト支援を手掛けるガレージファクトリー合同会社の社長、副社長に続く、3人目の社員として2020年10月に入社。ブランディングは短期間でできるものではないから、という社長の考えのもと、現在は主にTwitter運用で社名の認知向上や会社への興味喚起を図っている。同社が立ち上げた好きなものを紹介する「No BEST(https://no-best.com/)」では、ライターも務めている。

▼Twitter
@nanase_garage(https://twitter.com/nanase_garage

株式会社3Backs(スリーバックス)の広報、永友貴子(ながともきこ)さん

株式会社3Backs(スリーバックス)、永友貴子(ながともきこ)さん

株式会社3Backs (https://3backs.com/
永友貴子さん

新卒で大手英会話学校に入社。2019年10月、学歴社会に一石を投じる人材サービスに大きな共感を覚え、株式会社3Backsに広報として入社。採用広報としてTwitter運用を開始。現在は、企業広報も手掛け、ユニークな社内制度や時流に合わせた切り口で多数のメディアからの取材を獲得。企業の認知向上や採用力向上に貢献。

▼Twitter
@rebirthlab1(https://twitter.com/rebirthlab1

・フリーランス広報

フリーランスの広報、ich(いち)さん

フリーランス広報、ich(いち)さん

 ichさん (https://note.com/radflumpool33/n/n3dc3df07f5bb

アパレル社員を経てフリーランスに。コワーキングスペースの運営やシェアハウス事業の広報・アンバサダー、地方・観光事業のPR、クラウドファンディング立ち上げサポートに加え、コロナをきっかけに、企業広報を開始。現在は、「PRライティング」「広報アドバイス」「クラウドファンディング立ち上げ」をサービスの3本柱に活動を行っている。

▼Twitter
@mw400813(https://twitter.com/mw400813

フリーランスの広報、佐賀晶子(さがあきこ)さん

フリーランス広報、佐賀晶子(さがあきこ)さん

佐賀晶子さん 

新卒で内閣府へ入府。小泉政権時代に広報・国際会議運営等を担当。その後、小松製作所や三菱電機、ベネッセホールディングス、ベンチャー企業で社外広報や事業広報、IR、クライシス広報などに従事。2019年に独立し、「経営に資する広報」を意識した企業広報支援を展開。現在は、企業広報支援の他、コーチングも行っている。

▼Twitter
@saga_pr(https://twitter.com/saga_pr

・PR会社

PR会社コミュニケーションデザインの岡部美紀(おかべみき)さん

PR会社コミュニケーションデザイン、岡部美紀(おかべみき)さん

株式会社コミュニケーションデザイン 
岡部美紀さん

ハワイ関連の事業を行う会社で、アクセサリー事業MD推進部でのマネジメント業務やレストラン事業の立ち上げ、企画・設計・運営・ブランディングをプロデュースする店舗VMD、宣伝・広報部に従事したのち、PR会社コミュニケーションデザインに転職。現在は、化粧品や美容関連、子育て関連のクライアントを主に担当。コンサルティングやメディアリレーションの他、オンラインイベントの企画や運営、インフルエンサーの誘致なども手掛ける。
PR会社コミュニケーションデザイン、尹勇紀(ゆんよんぎ)さん

PR会社コミュニケーションデザイン、尹勇紀(ゆんよんぎ)さん

株式会社コミュニケーションデザイン 
尹勇紀さん

新卒でプレスリリース配信サービスなどを展開するITベンチャーに入社。繁忙期には月200本近いプレスリリースを添削したほか、「プレスリリースの書き方セミナー」や「PRセミナー」なども運営。その後、テレビのリサーチャーを経て、PR会社コミュニケーションデザインに入社。BtoCやBtoB、ベンチャーから大手企業まで、幅広いクライアントを担当。イベントが好きということもあり、担当クライアント以外のイベント業務にもサポートではいり、多くのイベントを成功させている。また、最近は社内のPRコンサルタント育成にも注力している。

▼Twitter
@YunAqua(https://www.cd-j.net/recruit/interview/y/

PRマガジン編集長の「編集後記」

編集後記:編集部 若林

座談会を終えて

座談会の様子

座談会の様子

活躍されている広報PRパーソンは、やっぱり意識が高い!そしてチャレンジ精神もすごい!ということを実感した。企業広報の成田さんと永友さんに関しては、SNSを上手く活用されていることが、最も印象的だった。パーソナリティを感じるアカウントだからこそ、見ている方が共感し、会社もに興味を示すのだと思う。

更に、成田さんは「社長の夢を実現させるため、サポートできるのが広報の役割だ!」という強いモチベーションを、永友さんは、ご自身の経験を基に、転職で悩まれている方たちを救うべく、Twitter経由でもDMを受け付け支援されている。広報PRの枠を超えて、誰かの目標を応援し、問題解決にあたるという熱意を凄く感じた。

PR会社の岡部さんと尹さんに関しては、クライアントからの様々な要望に応えるべく、膨大な量の報道分析を行ったり、同僚と情報をシェアし、クライアントに最適なソリューションを提案している。だから、最新のPR事例のインプットも必要であり、何か聞かれた時には、必ずプロフェッショナルとして答えなければいけない。そういった使命感のもと働かれているということが伝わってきた。そして、“クライアント企業に興味を持ち続け、愛する”といったマインドでいることも、クライアントやPR会社を検討されているかたには心強く感じたのではないだろうか。

フリーランス広報の佐賀さんとichさんは、広報PRだけに軸足を置いてないということも活躍の理由なのだろう。ichさんは、クラウドファンディングやライター業を、佐賀さんは、コーチングを学ばれてビジネスも始められている。フリーランス広報ではなく、“マルチフリーランス”という言葉が、しっくり来るように思った。

このように、いわゆる広報PRだけに活動領域を絞らず、違った分野のお仕事もするからこそ、広報PRの仕事の幅も広がっているのではないかと感じた。