この記事の目次
採用広報の成果と今後の目標
若林:
次に採用広報による成果やこれからチャレンジしたいこと、目標としていることがあれば、お聞かせください。
Wantedlyで認知を高めることができた今、「GIGブログ」が次なる採用の一手に(GIG 尾崎さん)
尾崎さん:
弊社はWantedlyを採用媒体とし、コンスタントな情報を発信してきたことが受け入れられ、Wantedlyのトレンドランキング1位となり、フォロワーランキングでもトップ10入りできたことで認知度を高めることができました。
ですので、引き続きWantedlyを活用しつつ、あらたな「GIGブログ」をどんどん更新していくとともに、採用ピッチ資料の作成も今期は進めていきたいと思っています。
採用の好循環を止めないためにも、情報の鮮度を意識した広報展開を(NEXTAGE GROUP 鶴岡さん)
鶴岡さん:
成果は年々、採用人数が増えて来ていることです。プラスして弊社の想いに共感して入社してくださる方が多くなっているので、発信した情報から、弊社の想いに共感してくれる方が入社してくれるという、採用の仕組みが上手くまわっていることも成果の一つだと感じています。
また、メディアに取り上げられることもあるので、採用として使えるネタやツールも増えており、採用担当者もアピールしやすいのではと思います。
今後は、広報として、情報の鮮度を保ち、どこまで話題を引き出せるかが大事になって来ると感じています。例えば、社内で情報を共有してもらっても、タイミングが少し遅く上手く活用できないこともあるので、熱い情報を冷ますことなく、熱いまま発信できるスピード感をもった活動をしていければと考えています。
採用コラムをきっかけに広報に情報が集まる仕組みが構築。今後は自社の強みを言語化したコミュニケーション設計を(エイチーム 安藤さん)
安藤さん:
先ず、「伝えたい情報を届けたい相手に正しく伝えること」が、出来るようになって来たと思います。それが採用におけるマッチングの精度に繋がり、母集団を減らした中でも、しっかりと目標の採用人数が確保できていることは成果と言えるのではと思っております。
それから、運用について嬉しい側面をご紹介すると、採用コラムをはじめて4年~5年経ちますが、採用コラムで取材依頼されることが社員にとって一つのステータスになってきているということです。
こちらから取材依頼をすると、「取材対象者として選ばれることが入社3年以内の目標でした!」と言っていただけたり、退職者から「僕の唯一の無念が採用コラムに出れなかったことです」と言ってもらったこともありました。こういった反応やコメントをいただけるのは、すごく嬉しいです。
更に、社員が「こんなネタや取り組みがありますよ」と情報をくれたり、「こんな成果事例があるからコラムで取り上げて欲しい」とリクエストをもらう機会が増えています。広報全般に言えることですが、社員からの情報が自動的に入って来ることは、とても重要なことで、こういった社内循環が出来ていることは採用広報にとっては非常に大きな成果だと思っております。
これからチャレンジしたいことは、エイチームというブランドを正しくステークホルダーや採用候補者へ伝えて行くことです。
弊社を紹介する時、「いろんな事業をやっている」とか、「総合IT企業」と表現しておりますが、「色々な事業をやりすぎて何をしている企業なのかが分からない」、「他社と比べた時の違いや強みが何か分からない」といった声をいただく機会が正直多くあります。
そのため、これからはエイチームの他社との「違い」「強み」「特徴」をしっかり言語化をし、採用担当者や面接官の方達が自らの言葉で語れるよう、コミュニケーション設計をしっかり行っていきたいと思っています。
また、弊社は今年ホールディング化しました。ですので、私もエイチームブランドの確立・強化に本腰を入れて取り組み始めています。
若林:
最後に皆さん同士で質問があればいかがでしょうか?「これもうちょっと聞きたかった」とか「この件はどうしていますか?」などありましたら、是非。
安藤さん:
鶴岡さんにお聞きしたいのですが、社内報の制作体制は鶴岡さんお一人なのですしょうか。他に制作メンバーはデザインチーム以外にいらっしゃるのでしょうか?
鶴岡さん:
社内報は1人で制作しています。
安藤さん:
えっ~凄い!!
鶴岡さん:
どの記事を載せるかは企画会議として上司に「こんな記事を載せようと思っています」という報告はするのですが、執筆やデザイン、撮影は私1人で行っています。
安藤さん:
冊子の社内報はページ数も結構あり、コンテンツもモリモリでしたけど、あれを隔月で進めながら更に動画もやるって、相当ヘビーですよね。ちょっとびっくりしました~(笑)
鶴岡さん:
大変なのもありますが、内容の充実を図るために今年から隔月にしても良いですか?とお願いして隔月になりました。
でも、そのかわりに動画が入ってきたので・・・(笑)
もともとは月一で発行していたところを隔月にしてもらった分、ページが2ページ増えて、それでも8ページですかね?(笑)
なので、業務の合間に作業しながら1~2週間かけて完成させています。
安藤さん:
いやぁ~凄いです。
私も社内報を作成しており、月初が発行時期なので月末になると大変な思いで作業しているので本当に凄いと思いました!
鶴岡さん:
正に今、社内報の作成時期なので、ここ1週間ぐらい、ずっと作っています。
安藤さん:
合間にリリースも打って、ブログも運営されてですよね、鬼スケジュールですよね(笑)
鶴岡さん:
広報体制が充実することを期待しています・・・
あっ、皆さんは何人体制なんですか?
安藤さん:
エイチームは2人です。
尾崎さん:
GIGも2人です。
鶴岡さん:
なるほど・・・
若林:
鶴岡さんはひとり広報ですが、でも、そこが強みかもしれませんね!積極的に社内のあらゆるところへ介入していき、あらゆる情報を把握されているからこそ、社内報も一人で制作出来ちゃうのではないですか?一からヒアリングしていかなければならないと時間がとてもかかりますが、全部において把握できているから何とかやれているのかなと!
鶴岡さん:
そうですね、広報になった時に「社内で一番の有名人になる」ことを目標にしていました。だから、本当に色々な人に会いに行きましたね。それこそグループ会社へも足を運び、顔を知ってもらいました。なので、グループ会社の内容も理解した上で、社内報で紹介できているかと思います。
若林:
広報はフットワークが大事ですよね!
長時間に渡り色々お話を聞かせていただき誠にありがとうござました。
本日は非常に勉強になるお話をお聞かせいただき本当に感謝しております。
恐らく、現在コーポレート広報を担当されている方々も今後人事から採用にも好影響な活動を展開してほしいと言われる機会が増えて来ると思います。そうなった時にコーポレート広報しか経験のなかった方が「採用広報とは、どんなことなのだろう?」と、悩まれた時に皆さんのお話は非常に参考になると思います。
改めて本日は本当にありがとうございました。
参加者プロフィール(順不同)
株式会社GIG (https://giginc.co.jp/)
尾崎 莉緒さん
▼Twitter
@oza0604(https://blog.cd-j.net/seminar-report/prmeeting/2/)
株式会社NEXTAGE GROUP (https://www.nex-tage.co.jp/)
鶴岡 美保さん
▼Twitter
@pr_chamasan(https://twitter.com/pr_chamasan)
株式会社エイチーム (https://www.a-tm.co.jp/)
安藤 春香さん
ライフワークでは、2018年に「ワインエキスパート」を取得。定期的に目隠しした状態で試飲しワインの銘柄や産地、品種などを当てる「ブラインドテイスティングの会」を主催するほどのワイン好き。
▼Twitter
@aggressiveushi(https://twitter.com/aggressiveushi)
PRマガジン編集長の「編集後記」
座談会を終えて
企業の広報担当者がTwitterを運用するケースが増えてきている。アカウント名やプロフィールに「広報」や「広報PR」と書かれていると、何となくコーポレートPRやサービス(商品)PRをされている企業広報さんなんだろうなと予想できる。ただ、最近増えていると感じるのが「採用広報」と書いてあるTwitterアカウントだ。
広報担当者が広報業務の一環で採用広報も担っているケースもあれば、人事担当者が採用の一環で担っているケースもある。どちらにしろ、多くの企業が「採用広報」の必要性を強く感じ始めているということだ。
採用広報が欠かせなくなってきているというのは、私自身の実感としてもある。
10年前くらいは、大手の採用媒体に求人広告を出しておけば、それなりに人が集まった。が、現在、それだけでは「欲しい人材」に見つけてもらうことも、注目してもらうことも、面接に来てもらうこともできないようだ。
当然かもしれない。なぜなら、10年前と比べ、SNSが定着し求職者もリアルな企業の情報をキャッチしやすくなったし、企業も求職・転職活動をしていない欲しい人材とリアルにつながれるようになった。また、大手採用媒体以外にWantedlyのようなビジネスSNSやリファラル採用といった新たな採用手法も定着してきている。
このように状況がこれだけ変わっているのだから、企業側もめちゃくちゃ本気で採用に向き合わないと置いていかれてしまう。それに気づいた企業が着手しているのが「採用広報」だ。「欲しい人材に知ってもらい」、「好きになってもらい」、「行動を起こしてもらう」。まさにこれまで広報がメディアやSNS等を通し行ってきた活動を採用というフィールドで展開するものだ。
「自社の採用がなかなか上手くいかない」という方は、『どの採用媒体に予算をいくらかけるか?』という打ち合わせを一旦止め、欲しい人材が自社を知り、好きになってくれるための情報発信やコミュニケーション設計ができているのかをまず考えていただきたい。
どの採用媒体にいくら予算を割くかという枝葉の会話はその後だ。