ワークマン広報 林知幸さんに聞く! 目指すは販促費ゼロ円! 常識を覆す広報戦略とは ~新商品リリースはまさかの0本、取材対応もアンバサダーが!?~

株式会社ワークマン 営業企画部 広報部 林知幸 氏
本記事は、2021年5月26日に実施したオンラインセミナーのレポートです。

玉木:皆様こんにちは。本日はPRマガジン主催のオンラインセミナーにご参加いただきまして誠に有難うございます。私は本日ファシリテーターを務めます、株式会社コミュニケーションデザイン代表の玉木剛と申します。

本日は、株式会社ワークマン営業企画部広報部の林知幸さんをお招きし、「目指すは販促費0円、常識を覆す広報戦略とは~商品リリースはまさかの0本、取材対応はアンバサダーが⁉」という、ビックリするような内容についてお聞きしていきたいと思います。

特に、アンバサダーマーケティングや独創的なイベントの仕掛け方について、伺っていきたいと思っております。
林さん、本日はどうぞよろしくお願います。

林さん:改めまして、株式会社ワークマンの林と申します。
ワークマンの事例が皆さんの少しでもご参考になればと思います。本日はよろしくお願いします。

飛躍的に増えた取材~しかし、目的は露出を増やすことではなく「行動変容」を起こすこと

玉木:早速ですが、林さんの所属部署名が「営業企画部広報部」ということで、営業企画部と広報部を兼務されている方に初めてお会いしました。どういったことをされているのでしょうか。

林さん:実はワークマンに広報部ができたのは去年の4月なので、1年1ヶ月くらいなんです。それまでは、取材対応やメディアアプローチを営業企画部が担っていました。と申しますのも、メディアの活用により企画や売上が相当変わってきますので、これは企画の仕事だろうというところからスタートしたのです。それで営業企画部がずっとそういった役割を担っていたのですが、あまりにも取材の数が多くなり始めまして。メディアから問い合わせが入る際も「広報部の担当の方」と言われますので、それであれば、後ろに広報部をつけよう、といった流れで今の部署名になりました。

玉木:林さんのご経歴についても教えていただけますでしょうか。

林さん:大学卒業後、1996年にワークマンに入社して、ずっとワークマンで働いている生粋のワークマン社員です。

玉木:林さんが広報の仕事を始めたのは、2018年頃からでしょうか。

林さん:そうですね。2018年に、ワークマンプラスというお店をローンチしてるのですが、その時からワークマンが話題になり始めまして、その時からメディア露出も多くなりました。
それまではどちらかというと、リリースも出してないわけではないのですが、建設系の業界紙やワークマンの地元である群馬県の地元紙での露出が非常に多かったです。

玉木:ワークマンさんの現状についても教えてください。

林さん:最近、店舗数でユニクロさん越えとよく言われるので、すごく恐縮しているのですが、国内店舗数は今年の4月末時点で911店舗ございます。お店の種類は、ワークマンとワークマンプラス、ワークマンロードサイド、ワークマン女子があります。内訳は、ワークマンが631店舗、ワークマンプラスはショッピングセンターとロードサイド店を合わせて276店舗、ワークマン女子が4月末時点だと4店舗です。ただ、ワークマン(631店舗)は、だんだんワークマンプラスに改装しておりますので、ワークマンプラスの比重が毎年高くなっております。

また、ホームセンターのカインズや北関東にあるベイシアというスーパーもグループ企業です。

ワークマンの進化

最近、ワークマンがよくテレビに出ているよねと言われるのですが、実際どれくらい出てるかというと、2020年の1月から4月10日でだいたい15番組くらいで、分数にして102分56秒で広告換算で13億5430万です。今年どうだったかというと、同じ期間でみた場合、39番組、分数で303分45秒、広告換算にすると38億2911万という結果でした。

テレビ露出換算

なぜ、これだけ露出できたかというと、一つは、2月末に東京ガールズコレクション(TGC)に初めて出させていただいたということがあります。ワークマンがTGC…と、一昔前だと天地がひっくり返っても縁がないイベントだったと思うのですが。(笑)
あとはワークマン女子が都内初出店したこともあり、これだけの露出につながったのかなと思います。テレビでTGCの特集があると、ワークマンも結構映っていましたので、それを含めると47番組くらいあったと思います。

玉木:広告換算は、年間でみると100億円以上になっていらっしゃるのですね。

林さん:そうですね。去年が年間60億で、その数字を超えるのは大変だと思っていたのですが、営業企画で、東京ガールズコレクションへの初参加や、ワークマン女子を盛り上げるためのインストアプロモーションとして、例えばフォトスポットを作るなどした結果、話題になり、これくらい取り上げてもらえたのかなと思っています。

玉木:想定目標より高い数値で推移してるということですね。

林さん:そうですね。ただ、広報としては、メディアに出るということを最終的な目標にしているわけではありません。例えば、テレビに出たということよりも、その番組を見てくださった方が、結果どういう風に行動変容してくれたのか、というところをKGIにおいております。そのため、露出目標はワークマンには存在しません。

玉木:どちらかというと、どれくらいの人が来店してくれた、あるいは売上につながったかを数字で見ていらっしゃるということですね。だから営業企画部ということですか!?

林さん:そうなんです。この広報と営業企画部のリレーションがすごく上手くできているので、いい形で進んでいるのかなと思います。

ワークマンの一番の肝「アンバサダーマーケティング」~成功のポイントはWin-Winな関係

玉木:ワークマンさんの広報戦略の特徴は3つあるということですが、具体的に教えていただけますでしょうか。

ワークマンの広報戦略の特徴

林さん:一つはアンバサダーマーケティングです。
広報に関係ないように見えるかもしれませんが、ワークマンにとっては一番肝の部分になります。

もう一つは、ユニークなニュースリリースです。メディアに関心を持ってもらわないといけないという部分では、形式ばったニュースリリースではなく、メディアに面白いと思っていただけるようなニュースリリースを書くことを意識しています。

最後がイベントです。ワークマンは、今年CMを出していないのですが、その分の予算をイベントに使うことにより、メディアに取り上げられる機会が多くなっています。

この3本柱で広報の戦略を立てています。

玉木:アンバサダーマーケティングから具体的にお話をお聞きできますか。

林さん:インフルエンサーマーケティングという言葉は、よく本でも書かれていますが、ワークマンの場合は、ワークマンの熱烈なファンであるアンバサダーさんが情報を発信してくれた事によって、消費者にリーチし、特にこちらが広告費を使わなくても製品が売れていくというところを目指してますし、実際そうなってます。

ワークマンのアンバサダーさんは、実はすごくテレビに出ています。それは、信頼性があるからだと思います。アンバサダーさんは、企業からの一方的なコマーシャルや販促ではなく、実際に仕事の現場やキャンプ、釣り等の分野で、実際に商品を使ってくれている一般の方なので、信頼性があるのです。だから、メディアのニーズとも合致し、たくさん取材していただけるのだと思います。

具体的に、どういうことをしているかというと、「ユーザーイノベーション(商品開発の参画)」と、「デジタルコミュニケーション(製品情報の拡散)」です。

まず、「ユーザーイノベーション」ですが、ワークマンは作業服の知見はすごくあるのですが、キャンプギアや釣りのウェアは全く知識がないのです。ただ、基本的に作業服を製造・販売しており、少し工夫したらキャンプや釣りでも使っていただけるので、実際使っている方々の意見を聞いて製品開発するということをしています。
つまり、ユーザーと一緒に製品を開発していくということです。

もう一つは「デジタルコミュニケーション」です。SNSやYouTubeでワークマンについて発信してくれている方にアンバサダーになっていただいています。

このユーザーイノベーションとデジタルコミュニケーションを上手く絡めることで、ワークマンではすごく効果がでています。

先ほどインフルエンサーマーケティングのお話しをさせていただきましたが、インフルエンサーマーケティングは相当なお金がかかります。でも、ワークマンのアンバサダーさんは無償で製品を紹介してくれています。

では、アンバサダーさんにとって、何がメリットなのか。それは、自分たちの提案が製品として形になっていくことです。なかなか経験できることではないですよね。しかもそれを、「この人と一緒に製品開発しました」と、我々が店頭やSNS、オウンドメディアで紹介するのです。これがアンバサダーさん達のフォロワーを増やすバックアップになっています。アンバサダーさんにとってもこういったメリットがあります。

アンバサダー・マーケティング

ちなみに、我々は、最初にアンバサダーさんに最新の製品情報をお渡ししています。
そのため、アンバサダーさんがコンテンツを作って流すと、世に出る初めての情報なので、YouTubeの視聴回数もすごく増えますし、ブログやSNSの視聴数も伸びます。中には10倍くらいになる方もいるくらいです。

こういった意味で、無償というよりWin-Winな関係を築けていると思っております。

玉木:通常投稿とどのような違いがあるのでしょうか。

林さん:例えばアンバサダーさんがしている他の投稿と、ワークマンと一緒に共同開発した製品がでるといった投稿では、ワークマンの製品を扱う方が視聴回数が相当多いという結果がでています。やはり多くならないとダメなんですよね。だから我々もよくチェックしてます。

玉木:ちなみに、製品開発は大体どれくらいの期間で出来上がっていくものなのでしょうか。

林さん:これはワークマンの戦略の話にもなりますが、実はワークマンは、製品開発をする時に、社長や役員の決裁がいらないのです。担当者が「イケる」と思ったら、担当レベルで作れます。ですので、スピーディーに製品が出来上がります。アンバサダー第1号のサリーさんと開発した時は、3カ月で店頭に並ぶくらいのスピードで進みました。

フォロワー数は関係なし!「エゴサーチ」や「UGCチェック」で、理想のアンバサダーを見つける

玉木:現在、何名くらいのアンバサダーさんがいらっしゃるのでしょうか。

林さん:現在、44人くらいのアンバサダーさんに活躍していただいてます。
将来的には50人くらいを考えています。ジャンルも9つくらいありますが、だいたい全部網羅できていると思います。

ワークマンのアンバサダーの現状

「どうやって見つけているのですか?」とよく聞かれますが、企業HP等での募集はしていません。我々が思い描くアンバサダーを、エゴサーチやUGCチェックを通し見つけたら、お声掛けさせてもらっています。
ですので、自薦他薦もいただくのですが、現状は、基本的にお断りしています。

具体的にどういった方にお声がけさせていただいているかというと、「ワークマン愛がすごい方」や新商品が出るとすごく早く買いに来てくださる方や、SNS等でこういう商品あったらいいなといったことをつぶやいていらっしゃる方はよく見ています。あと、ちょっとニッチな使い方をされてるエクストリームユーザーは大歓迎です。
要は本来作った目的とは違う用途、生活や趣味に役に立っていると言ってくださっている方はよくSNSで見ています。

玉木:ちなみに44人中、29名は発信だけなのですね。

林さん:そうです。全員と製品開発というわけにもいかないということと、製品開発は本部に足を運んでいただかなくてはいけませんので、遠方の方は難しいということもあり、発信だけの方もいらっしゃいます。

玉木:アンバサダーの選び方に特徴ありますよね。でも、インフルエンサーの場合フォロワー数で影響力を測ることもできますが、「ワークマンへの愛」は、なかなか数値化できないですよね。

林さん:これはワークマンが作業服を作ってきたという文化があると思います。ワークマンの社員は、作業服を着て仕事をしているわけではありません。それなのに、なぜ作業服を語れたり、作れるのかというと、昔から現場の職人さんの意見を聞くという文化があったからです。

それがキャンプや釣り、バイク等の分野になっているだけで、製品について普段から使っている方の意見を聞くということが、我々の中では当たり前になっています。
その中で、「ワークマンのことが好きなんだけど、もうちょっとこういう風に変わったらな」といった発信をしておられる方を、素敵な方だなとドキドキしながら見てます。(笑)
ですので、影響力はあるに越したことはないのですが、二の次です。

玉木:具体的にどういった情報からアンバサダーさんをみつけているのでしょうか。

林さん:エゴサーチをして見つけるのですが、特に見ているのはブログやYouTubeです。やはり、使っている方の想いの部分をすごく詳しく書けるのがブログやYouTubeだと思っていますので。
いいなと思う方が見つかったら、DMを送りアポイントを取ったり、新店で待ち伏せしたこともあります。(笑)
もちろん、コミュニケーションを取っている間に、ちょっと違うと思う方もいらっしゃいます。一番多いのはお金を求める方です。「一緒に製品開発をして、売れたらいくらかもらえるんですか?」といったお話をされる方はお断りをしております。そういったこともあり、アンバサダーには2~3ヶ月くらいかけて就任していただいています。

玉木:エゴサーチは、林さん含めた広報部の方がされているのか、それとも現場も含めみんなでされているのでしょうか。

林さん:多いのは我々の営業企画広報と製品開発の直接の担当者です。
最終的には、製品に反映させるので、製品開発の担当者が見るのが一番いいとは思っています。

玉木:社名で調べて出てくる人ということで、例えばキャンプなど、キーワードでインフルエンサーを調べて、商品を使ってもらおうといった流れではないのですね。

林さん:タグ検索はよくしています。あとはキャンプなどキーワードでも検索し、ワークマンと掛け合わせ見ていくと、中には「うちの製品をこんな使い方してくれているのか!」という方もいらっしゃり、そういう方にはお話を聞いています。

こういった活動をしている背景には、ワークマンに客層拡大という目標があるからです。作業服ばかりですと、建設技能労働者も減っていきますし、人口も減っていく中で、頭打ちになるのがわかっています。そのため、ワークマンの機能性を生かしたキャンプや釣り、バイクといった分野にもお客様を広げていこうとしているので、こういった活動をしています。

アンバサダーとインフルエンサー、情報拡散における違いとは

玉木:私も含め、熱狂的なファンをアンバサダーにしていくという方法論には、すごく関心を持った方が多いのではないでしょうか。ただ、一方でどうしても、影響力が気になります。いくら良い投稿をしてくださっても、例えばフォロワーが100人だと、なかなか拡散が難しいのではないかと。
熱量と影響力を合わせて考えるというのが選考において重要なポイントなのではないかと思ったのですが、その辺のご意見をお聞きできればと思います。

林さん:ワークマンでは、ただのアンバサダーではなく、「製品開発アンバサダー」と呼んでいます。
先ほどのユーザーイノベーションとデジタルコミュニケーションで、ユーザーイノベーションの部分がどれぐらいを占めているかというと、我々のアンバサダーマーケティングの中ではもうほとんどそっちなんです。
要は製品が良くなっていかないと、どれだけ影響力がある人に頼んでも単発で終わったり、拡散されなかったり、結局エンゲージメント率が上がらないので、まずは製品を良くしていくというところから入っています。

ですので、拡散を考えるのは、その次です。

一緒に製品開発をしてくれるアンバサダーさんを探し、「この方と一緒に製品開発してます」とワークマンとしても推していけば、その方々がだんだん有名になり、最初は数百名のフォロワーでも、ゆくゆくは数千人、1万人になっていくというストーリーを描いています。

玉木:スタートの段階ではさほどフォロワー数や影響力は意識せず、内容重視でアポを取っていらっしゃるということですね。

林さん:はい、ほとんど気にしていないです。
数百名くらいの方は、ワークマンと一緒に仕事ができるということで一生懸命取り組んでくださいます。実際に製品が出来たら、投稿も増え、必然的にフォロワー数も増えていきます。

アンバサダーマーケティングと言い始めて1年半くらいになりますが、本当に最初から倍くらいのフォロワーになった方もたくさんいます。

玉木:平均フォロワー数はどのくらいなのでしょうか。

林さん:平均だと、千何百人とかでしょうか。中には1~2万人というインフルエンサーに近い方もいますし、まだ百何十人という方もいらっしゃいます。

玉木:仮に1000人くらいとした場合、44人だと4万4000人くらいになりますよね。
SNSだけで商品を売ると考えると、御社の規模感的に足りないのではないかと思ってしまいますが、いかがでしょうか。

林さん:SNSのプラットフォームにもよると思いますが、我々が思うに、一人の方の拡散による影響力は相当だと思います。また、例えばインフルエンサーマーケティングでフォロワー1~2万人の方に単発でお金を払いPRをしてもらうよりも、ワークマンに愛があるフォロワー1000人くらいの方が1シーズンに月3~4回投稿してくれるほうが良いと考えています。ですので、我々はフォロワー1000人の方が1~2万人のインフルエンサーに敵うと考えております。

玉木:投稿の質や量が異なり、拡散力が違うということですかね。

林さん:そうですね。評価の蓄積がされていくような感じです。
フォロワー数はそういった感じですが、アンバサダーの選考基準の一つに、アンバサダーさんがフォロワーさんとしっかりコミュニケーションを取れているという項目があります。質問に対してちゃんと返答されているかといったことです。

なぜなら、先ほども製品開発が一番と申し上げましたが、アンバサダーさんはフォロワーさんたちの代表と位置付けておりますので、アンバサダーさんの意見を聞けば、その方のフォロワーさんの意見だという風に解釈しているからです。つまり、アンバサダーさんの意見を取り入れることで、より良い製品ができていくことになります。また声を取り入れた製品ができた場合、アンバサダーさんのフォロワーさんもすごく応援してくれますから、どんどん拡散していきます。

玉木:ちなみにアンバサダーの方は御社が見ていいと思った方ということで、コネクションのありなしは全く関係ないということですよね。

林さん:関係ないです。
実際、キャンプブロガーのサリーさんという女性がいらっしゃるのですが、私が2018年末頃にエゴサーチをしている際に、溶接工が着ている作業服をキャンプ場で着ていらっしゃる写真を見つけまして。
なぜ着ているのかを知りたくてブログを読むと、「焚き火によくて、しかも安い。高いキャンプウェアでも、火の粉が飛ぶと普通は穴が空いてしまうが、この服を上に羽織ることによって中のお気に入りが守られる」ということが書いてあったんです。これは今までと少し違う使い方だなと思い、DMを送りました。

実際お話すると、「すごく安くて良かった」と言ってくださったのですが、やはりマイナスの部分もあったので、キャンパーの声を代表して聞かせてくださいといった感じで、一緒に製品開発をしていくことになりました。

いただいた意見の中には、「髪が引っかかる」「脱ぐ時に脱ぎにくい」といったものがあり、前面をファスナーにしました。

アンバサダーさんと一緒に製品開発をすると、開発の段階から、「私今こうやってワークマンと一緒に製品開発してます」と、ブログやYouTubeで発信してくださるんです。そうすると、何ができるのかと前評判がすごく高くなります。サリーさんと作ったこの製品も売り場に出した瞬間にすぐ売り切れてしまいました。

玉木:サリーさんは、元々影響力をお持ちだったのでしょうか。

林さん:最初はTwitterで4000人くらいだったと思います。
ただ、今は1万人を超えていらっしゃるので、だいぶWin-Winな関係なのではと思っています。

お伝えしておきたいのは、こういうことをテレビ局は喜ぶということです。
アンバサダーという一般の方を本社に招き入れ、意見を聞いてワークマンは製品開発しているというところを打ち出すと、「それどういうことですか!?」と関心を持ってくれるのです。

最初に、新聞や雑誌という活字メディアが取材に来てくれ、それを見たテレビ局がもうちょっと詳しく紹介してくれませんかと取材につながっていきます。結果、年間15番組、ローカル番組も入れるともっと出たと思います。「ニュースな会」という番組に出た際は、アンバサダーの方が取材を受けてくださったのですが、ワークマンの安さの秘密を聞かれた際に「海外の工場の閑散期に大量に発注すること」と答えてくれるという、すごいですよね。(笑)

玉木:これは驚きですね、本当に。

林さん:面白いんです。この人は何者なの?となり、人気も高まるという。

玉木:御社でアンバサダーの方にメディアトレーニングなどされていらっしゃるのでしょうか。意図していないことを話されてしまうと困ることもでてきますよね。

林さん:製品の勉強会には参加していただいています。普段から、なぜワークマンがこんなに安く製品を作れるのかという話はしているので、お答えできたのだと。

ただ、玉木さんのおっしゃるように、我々の意図しないことを話されてしまうことがないわけではないので、テレビに出る時は必ず連絡をもらうようにしています。
アンバサダーさんもワークマンに確認しておかないと不安な部分もあると思うので、「こういうことを話してもいいですか?」と聞いてくれます。

玉木:そうですよね。それがないとさすがに心配ですよね。

株式会社ワークマン 営業企画部 広報部 林知幸 氏