「早慶近!」の笑撃!近大広報の凄さ

異色のコピーで凝り固まった大学ランキングを揺さぶる

1 これぞ、広報力。近大広報が大学ランキングを変える

「私立大志願者数、4年連続日本一」
http://www.news-postseven.com/archives/20170319_501642.html
「マグロを世界で初めて完全養殖に成功したマグロ大学」
https://cakes.mu/posts/13983
「日本初のオンライン出願実施」
http://www.sankei.com/west/news/170210/wst1702100001-n1.html
「女子志願者増へ、個性派人形『ブライス』起用」
http://www.sankei.com/west/news/170209/wst1702090002-n1.html
「入学式につんくを起用」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/02/tsunku-kindai_n_9600122.html
最近では「早慶近!」
https://cakes.mu/posts/15626
「近大発のパチもんでんねん!」
https://cakes.mu/posts/14011

といった異色のコピーによる新聞広告で、世の中をアゼンとさせ続け、凝り固まった大学ランキングを揺さぶっているのが、大阪にある近畿大学(以下、近大)。仕掛け人は、広報部長の世耕石弘(せこう・いしひろ)さん。大学のPR戦略を一変させた世耕さんです。

2 世耕さんのバックグラウンドとは

前の会社では、近畿日本鉄道こと近鉄で広報を担当していた世耕さん、入試担当のベテラン職員の定年退職にともない広報のプロとして、10年前祖父が創始者である近大に転職。驚いたのが、広報/PRが真面目すぎることだったと言います。
「 確かな未来がここから」とか「明日に向かって」とか大学の名前を変えても、どこでも使えてしまうコピーを各大学は昔から変わらず使っていた。
「大学の広告は真面目でなくてはならない。」そうした固定概念を壊したいとの想いが、上記のような話題となる企画ネタをつくるきっかけとなったとのことです。しかし、世耕さんは、「ずっと批判はあります。怒っている人はめちゃくちゃたくさん学内外にいると思います。」と謙虚に闘い続けています。

3 広報からプロジェクトを仕掛ける“広報ファースト”という挑戦

通常の企業では、企業の成果や取り組みにおいて完成したことを社内から情報を集めてニュースとして発信するのが通常の広報活動です。ところが、近大広報では、「広報ファースト」を宣言、さらに一歩進めて、なんと広報部が、前向きなニュースになる取り組みを自ら研究室や担当部署に持ちかけ仕掛けるというのです!
例えば、前・後期の授業開始時期に教科書購入のための学生の長蛇の列に驚いたことから、平成26年秋、amazonと連携協定を締結したのはその一例。東大阪キャンパスの学生2万3千人が教科書や参考文献をオンラインで購入できる専用ページをアマゾンの通販サイトに開設し、自宅に届けてもらえるようになったとのことです。ありそうでなかったこの話。近大では広報部が総務部に持ちかけ、アマゾンと交渉に乗り出し、とんとん拍子で話が進み、大学とamazonによる日本初の取り組みとして、学生の不便を解消するだけでなく、自ら大学の話題に仕立て上げました。

2つ目は、クラウドファンディングを活用した「近大ハニー」プロジェクト28年春ごろ、工学部が高機能ハチミツを開発する研究費に苦心していることを聞きつけ、広報部自ら、日本最大級のクラウドファンディング運営会社CAMPFIREとの交渉も担い、目標の20万円に対し集まった金額は165万円に達したとのことです。

4 近大広報は、もともと広告部だった!

ところで、そもそも近大では、広報部は、「入試広報課」という名称ではあったものの、なんと完全に「広告」を担当する部署だったとのこと。これは、企業でいう広告や宣伝という文言が教育機関である大学になじまないため、広告担当の部署に広報の言葉を当てたと歴史があったようで、以前はこのことが大学のブランド戦略で広報と広告を混同させる一因でもあったらしい。
しかし、ついに平成25(2013)年4月、大学ブランド戦略を包括的に展開するべく総務部広報課と入学センター入試広報課が合併し「広報部」が設立となり、世耕さんが責任者として広報と広告を統括することになったとのこと。クライアントや世の中に対して、未だ「広報」と「広告」の違いの説明に悩まされることもあるわれわれPR会社にとっては、実に泣ける話です。

まとめ:楽しく『固定概念』を超えよ!

通常『固定観念』といわれることばを世耕さんは、『固定概念』を超えるといっています。これもすごいですね。マンネリにならないで、いい意味の開き直りをして、外からの視点で楽しんでやるという遊び心。こんな強い気持ち、そして楽しむ気持ちをもつことが何よりも相手に情報を伝える上で大切なことだと改めて教わり頭が下がりました。

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